小説「キッチン」でデビューした吉本ばななさんですが、最近は小説だけではなくエッセイも注目を集めている作家さんです。現実的な通常の日常をテーマにしている作品から、現実のなかにスピチュアル的な非現実を織り交じえる作品まで、小説の作風も幅広いのです。今回は吉本ばななさんのおすすめ作品と吉本ばななさん作品の選び方について紹介します。
おすすめの小説家吉本ばななの魅力とは
吉本ばななさんの作風の特徴として10年単位で作風が変わり一回り大きくなっていく事があげられます。現在は熟練度が増してきていると言えるのです。現実的な話もスピリチュアルな話も書きますが、「再生」をテーマにした作品が多いです。また、小説家はもちろんエッセイストとしても活躍している作家さんです。
2023年最新の吉本ばななの小説
『ミトンとふびん』
~内容~
愛は戦いじゃないよ。愛は奪うものでもない。そこにあるものだよ。たいせつなひとの死、癒えることのない喪失を抱えて、生きていく――。凍てつくヘルシンキの街で、歴史の重みをたたえた石畳のローマで、南国の緑濃く甘い風吹く台北で。今日もこうしてまわりつづける地球の上でめぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた人生のよろこびにあたたかく包まれる全6編からなる短篇集。
(Amazonより)
価格 | 1760円 |
ジャンル | 短編集 |
著者 | 吉本ばなな |
ページ数 | 256ページ |
吉本ばななの小説のおすすめ人気比較ランキング
20位:とかげ
~内容~
私の衝動的なプロポーズに対して、長い沈黙の後とかげはこう言った。「秘密があるの」―。幼い頃遭遇したある事件がもとで、長い間目の見えなかったことのあるとかげ。そのとかげにどうしようもなく惹かれてゆく私。心に刻まれた痛みを抱えながら生きてきたカップルの再生の物語「とかげ」。運命的な出会いと別れの中に、ゆるやかな癒しの時間が流れる6編のショート・ストーリー。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 473円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 179ページ |

“「キッチン」「白河夜船」そしてこの「とかげ」。自ら選ぶことのできない困難な運命を乗り越えていく過程もしくはその果てが見事に描かれている。つらいときほど、必ず復活できる、きっと立ち直れる、と自分を信じなければならない。後ろにも前にも進めないと感じているすべての人々に、これらの本は大きな助けとなるに違いない。”amazon.co.jpより
19位:不倫と南米
~内容~
1998年4月27日。それは、亡き祖母にその日に死ぬと予言された日だった。訪れたアルゼンチンで、夫への想いと生を見つめ、残された時を過ごす「最後の日」。生々しく壮絶な南米の自然に、突き動かされる恋を描く「窓の外」など、南米を旅しダイナミックに進化した、ばななワールドの鮮烈小説集。第10回ドゥマゴ文学賞受賞作品。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 586円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 199ページ |

“河合隼雄との対談、なるほどの対話に引用されていたので買いました。
不倫とアルゼンチンと旅が落語の三題噺のお題みたいになって、様々な立場の人たちが短編に登場します、旅シリーズはべったり東京近辺の作品とは趣が変わって面白かったです。
“amazon.co.jpより
18位:アンドロメダ・ハイツ
~内容~
最高のものを探し続けなさい。そして謙虚でいなさい。憎しみはあなたの細胞まで傷つけてしまうから。大きなものに包まれ、守られている女の子の物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1480円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 134ページ |

“ひさびさによしもと作品を手にしました。人間の原点である自然と対話すること。自然と主人公のココロの交流にふと胸を打たれる思いでした。読んでいてほっとするような作品で疲れている時におすすめです。”amazon.co.jpより
17位:すばらしい日々
~内容~
父の脚をさすれば一瞬温かくなった感触、ぼけた母が最後まで孫と話したがったこと。老いや死に向かう流れの中にも笑顔と喜びがあった。愛する父母との最後を過ごした“すばらしい日々”が胸に迫る。発見と癒しに満ちたエッセイ。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 594円 |
ジャンル | エッセイ |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 155ページ |

“娘の立場で読みました。年老いた両親、少しずつ分からなくなってきている現状で今後どうなっていくんだろうと思うと怖いです。ばななさんのつらい気持ち、そのとおりなのです。「病院の階段をのぼるとき、いつも逃げ出したかった。全部悪い夢だと思いたかった。死にゆこうとしている父に会うのがこわかった。どんどん意識がある時間が短くなっていくのがこわかった。」「でも逃げちゃいけないと思った。・・なんの希望もないのに逃げないということ。あれを経験したら、自分はそうとう変わったと思う。」元気で過ごせているのだけれどそんな日が来るのはそう先のことではないと思います。「私の母はどちらかというと重いことから逃げちゃうタイブで」というこれもよくわかるのです。「逃げた人は逃げたことを受け止め、逃げなかった人は逃げなかった悲しみと強さを受け止め、ただそれぞれの人生が過ぎていくんだな、そう思う。どっちも受け止めるものがある」。私自身のことのようです。読んでいてつらい、悲しいのだけれどすっきりしています。「私も両親が衰えていくのを見て、何回も涙した。信じたくないと思ったし、こわかった。」でも、すべてすばらしい日々なのですね。”amazon.co.jpより
16位:スウィート・ヒアアフター
~内容~
大きな自動車事故に遭い、腹に棒が刺さりながらも死の淵から生還した小夜子―恋人を事故で喪い、体には力が入らず、魂も抜けてしまった。私が代わりに死ねたらよかったのに、という生き残りの重みを抱えながら暮らしている…。惨劇にあっても消えない“命の輝き”と“日常の力”を描き、私たちの不安で苦しい心を静かに満たす、再生の物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 503円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 165ページ |

“何気なく読んだのにところどころで涙が止まらなかった。すごく繊細で美しい物語。薄いし読みやすいのでとにかく多くの人に読んでほしいとしか言いようがないのだけれど、ただ一つまだ読んでいない方に言いたいのは、あとがきは必ず読んでほしい、ということ。(私は物語とあとがきのテンションのギャップが嫌いなのであとがきを読まないことがよくある)
私はこの物語を読みながら、なんでこんなにも死とか喪失とかの匂いが濃厚にするのかな、と思っていたけれどあとがきを読んでその理由がわかった。そして死とか喪失とかの匂いがものすごいのに全体的に明るい印象になっている理由もわかった。老若男女、読む時期を問わず誰もがなにかを得ることができると思う。
“amazon.co.jpより
15位:サーカスナイト
~内容~
バリで精霊の存在を感じながら育ち、物の記憶を読み取る能力を持つさやかのもとに、ある日奇妙な手紙が届いた。「庭を掘らせていただけないでしょうか」。それは左手が動かなくなった悲惨な記憶をよみがえらせ…。愛娘の世話や義母との交流、バリ再訪により、さやかの心と体は次第に癒えていく。自然の力とバリの魅力に満ちた心あたたまる物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 715円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 389ページ |

“何気なく心に浮かび文字に、形にする前になんとなく忘れてしまう想いをこうサラリ、と文章にしてしまえるのは ばななさんのすごいところ。
現実と夢を行ったり来たりしているような、しかししっかり痛みも傷も残し、これ見よがしにではなく、そしてしっかり成長出来る過程を優しい文章で綴られて、装丁やページの紙の手触りもよく、まるで上質な絵を手に入れたような嬉しさがあります!バリ島に行って乾いた気持ちを潤したくなる、美しい強い、そして甘い物語です。
“amazon.co.jpより
14位:なんくるない
~内容~
沖縄には、神様が静かに降りてくる場所がある―。心ここにあらずの母。不慮の事故で逝った忘れえぬ人。離婚の傷がいえない私。野生の少女に翻弄される僕。沖縄のきらめく光と波音が、心に刻まれたつらい思い出を、やさしく削りとっていく…。なんてことないよ。どうにかなるさ。人が、言葉が、光景が、声ならぬ声をかけてくる。なにかに感謝したくなる滋味深い四つの物語の贈り物。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 572円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 260ページ |

“図書館で、背表紙に書かれている、なんくるない の一文に引かれ、レンタルしました。ばななさんの本は、二十年位前に一度読み、そのころはさっぱり?だったのですが、なんくるないにはまって、この一ヶ月でかなり有名ラインは制覇したほど、ばななワールドに今更ながらはまっています。この本は、それでも、沖縄好きな人にはたまらないと思います。独特の風の香りや、匂い、たたずまい、息づかい・・目に見えない大切な、揺るがない、大きな何かから来る、優しさや温かさに満ち溢れています。なにげない言葉の中に、はっとさせられ、胸の奥がぎゅっとなります。疲れたり、立ち止まりたいときに読むと、爽やかな風が吹いて、穏やかになります。”amazon.co.jpより
13位:海のふた
~内容~
ふるさと西伊豆の小さな町は、海も山も人も寂れてしまっていた。実家に帰った私は、ささやかな夢と故郷への想いを胸に、大好きなかき氷の店を始めることにした。大切な人を亡くしたばかりのはじめちゃんと一緒に…。自分らしく生きる道を探す女の子たちの夏。版画家・名嘉睦稔の挿絵26点を収録。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 545円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 中央公論新社 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 203ページ |

“好きな作家は何人かいますが、よしもとばななは、いつも癒しを求めたい時に読んでいます。どの作品も程度の差はあれ、彼女にしか作り出せない暖かくて優しい気持ちになれる力があります。「海のふた」は、この力がかなり大きかったです。
他の方も書かれているとおり、確かにはじめちゃんの年齢が全く不明で、読んでいる時には気にはなりました。しかし、読み終えた時には、それは意図的であるのかもしれないとも思えました。
大人になれば、子供の頃に夢見た全てのことが叶うわけではないと知ります。しかし、失ったものと引換に子供の頃には解らなかった様々なものの価値を知ります。この作品では、作家ではない私達が表現出来えないそんな静かな心の動きを、文章として形にしてもらったような気がします。
きれいな装丁どおりのさわやかで透明感のある読後感でした。心が柔らかくなったような気持ちになりました。無条件に涙を流せる話も感動するでしょう。でも、この本ではきっと泣かないと思います。しかし、涙を流すことだけが感動ではない、と知っている方には是非お薦めしたいです。
“amazon.co.jpより
12位:High and dry(はつ恋)
~内容~
14歳の秋。生まれて初めての恋。相手は20代後半の絵の先生。ちょっとずつ、ちょっとずつ心の距離を縮めながら仲良くなっていくふたりに、やがて訪れる小さな奇蹟とは…。毎日を生きる私たちに、ひととき魔法をかけてくれる、美しい魂の物語。かわいらしいイラスト満載で、心がぽかぽか温まる宝石のような一冊です。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 815円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 234ページ |

“主人公の女の子が、思春期特有のまっすぐな感じ。周りの人がちゃんと守ってくれていて、安心して読める。相手の男の人は、こんな人本当にいるのか?ってくらい、誠実。でも、本当に全部きれいでこんな人生が歩めたら良かったな、とちょっと羨ましい。”amazon.co.jpより
11位:白河夜船
~内容~
いつから私はひとりでいる時、こんなに眠るようになったのだろう―。植物状態の妻を持つ恋人との恋愛を続ける中で、最愛の親友しおりが死んだ。眠りはどんどん深く長くなり、うめられない淋しさが身にせまる。ぬけられない息苦しさを「夜」に投影し、生きて愛することのせつなさを、その歓びを描いた表題作「白河夜船」の他「夜と夜の旅人」「ある体験」の“眠り三部作”。定本決定版。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 539円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 194ページ |

“人の優しさに素直に触れたくなるとばななさんを読みます。先入観を全て捨ててからお読みになることが大事かも。どんな寄りでもなく、すとんと読んでみると琴線にそっと触れてくるものがあります。ばななさんはいつもだけれど。押しつけがましい価値観は無いと思う。満身創痍の私はばななさんに救われる。”amazon.co.jpより
10位:アルゼンチンババア
~内容~
街はずれの廃屋みたいなビルに住む、変わり者で有名なアルゼンチンババア。母を亡くしてからしばらくして、みつこは自分の父親がアルゼンチンババアとつきあっているという噂を耳にする。思い切ってアルゼンチンビルを訪ねたみつこが目にした、風変わりで愛しい光景。哀しみを乗り越えていっそう輝く命と、真の幸福の姿を描く大傑作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 545円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 80ページ |

“アルゼンチンババア、題名を見たとき不愉快な感情がわいてきた。派手好き、奔放な女とかわいそうな子どもの話なのでは。それでも、表紙の絵の女の子が、おもしろいから読んでみて、と語りかけてきた。
序盤は淡々と進むが、とちゅうからアルゼンチンババアこと、ユリさんの人柄が伝わってきて、どんどんのめりこんでいった。
母親の墓石を、母が大好きだったイルカに変える。まるまるとしたイルカが、笑って喜んでる。お墓は、生きてる人たちの心のよりどころ。どうしても、お墓は神聖なもの、こうあるべきだと思っていたが、母が喜んでくれるなら、お墓参りに行く人が母を懐かしむことができるのなら、これもありだと思う。
ユリさんを中心に、家族がまとまってゆく。みつこにとって、ユリさんが大切な家族になってゆくのがわかる。心和む物語である。
“amazon.co.jpより
9位:ハードボイルド/ハードラック
~内容~
「ハードボイルドに生きてね。どんなことがあろうと、いばっていて。」最後になった電話でそう言っていた千鶴。彼女のことを繰り返し思い起こす奇妙な夜を描く「ハードボイルド」。死を待つ姉の存在が、ひとりひとりの心情を色鮮やかに変えていく季節を行く「ハードラック」。闇の中を過す人々の心が光り輝き始める時を描く、二つの癒しの物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 503円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 152ページ |

“発売当時に読んだ時は、「暗いし、とりとめもないし、なんか救いがない」と思った。作者さんのブログで書名を久しぶりに見たのをきっかけに、あまりいい印象のないまま久しぶりにKindleで読み返したら、確かな光というか救いが間違いなくあって、奈良美智さんの挿絵とともに、顔を上げたくなる何かがあった。
こんなにすぐ読み終わるのに!2018年に読み返して良かったです。
“amazon.co.jpより
8位:哀しい予感
~内容~
幸せな四人家族の長女として、何不自由なく育った弥生。ただ一つ欠けているのは、幼い頃の記憶。心の奥底に光る「真実」に導かれるようにして、おばのゆきのの家にやってきた。弥生には、なぜか昔からおばの気持ちがわかるのだった。そこで見つけた、泣きたいほどなつかしく、胸にせまる想い出の数々。十九歳の弥生の初夏の物語が始まった―。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 435円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 179ページ |

“2020現在、32年前に書かれた小説だと思うと、新鮮さが変わらないのが空恐ろしい。名作はこうして残るのですね。
最初に読んだ時は主人公と同じくらいで、「ゆきのさんのように変わり者で生きていきたい」と思いましたが、ゆきのさんの年齢を遥かに超えた今では、「この変わり者の人生は美しいがえらく大変そうだ」と思います。
自分に正直だと困難な道を選ばざるを得ず、それでも生きていく人の美しさよ。
“amazon.co.jpより
7位:デッドエンドの思い出
~内容~
つらくて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中の宝物を蘇らせてくれる珠玉の短篇集。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 704円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 245ページ |

“もの悲しい、しかし悲しいばかりでもない、あれ、薄く光る希望的なものがそこにはある、みたいな話の収められ短編集。よくよく考えると出てくる人たちめちゃくちゃ大変な目にあってるじゃん!
もっと派手に怒ったり悲しんだりしてもいいんだよ!と思うけどそうはしない人たちの、淡々とした短編集。
折にふれて読み返し、「これでいいのだ」(バカボンのパパか)と思います。作者自ら「この本が書けて良かった」とあとがきで述べられていて、「この本が読めて良かった」と一読者は幸せに思うのです。のび太とドラえもんのくだり、素晴らしいと思う。
“amazon.co.jpより
6位:アムリタ
~内容~
妹の死。頭を打ち、失った私の記憶。弟に訪れる不思議なきざし。そして妹の恋人との恋―。流されそうになる出来事の中で、かつての自分を取り戻せないまま高知に旅をし、さらにはサイパンへ。旅の時間を過ごしながら「半分死んでいる」私はすべてをみつめ、全身で生きることを、幸福を、感じとっていく。懐かしく、いとおしい金色の物語。吉本ばななの記念碑的長編。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 581円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 295ページ |

“20年以上前、吉本ばななさんのTSUGUMIを愛読していました。しばらく離れていて、今回Kindleのセールをきっかけに久しぶりに手に取ってみました。久しぶりにばななワールドにはまりました。やはり心を揺さぶられますね。最近の作品もこれから読むつもりです。主人公はやはり歳を重ねているのでしょうか。これからもばななさんの素敵な作品を楽しみにしています。”amazon.co.jpより
5位:鳥たち
~内容~
それぞれの母親を自殺で失った大学生のまことパン職人の嵯峨。まこは日々、喪失感に怯えては嵯峨の子を欲しがり、そんなまことを嵯峨は、見守っている。お互いにしか癒せない傷を抱えた二人。少しずつ一歩ずつ、捕らわれていた過去から解き放たれ、未来へと飛び立っていく。大人になる直前の恋と、魂の救済の物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 528円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 集英社 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 208ページ |

“まこちゃんと嵯峨くんは幼いころから一緒に生きてきて、これからも共に生きる関係。2人はこれまで他の人が経験できないような過酷な人生を送ってきたけれど、
彼らや彼らの両親の根本にある思いはとてもシンプルだ。素朴で、純粋で、まっすぐ。
ずーっと辛さや寂しさがつきまとう作品ではあるけれど、そのぶれない心の芯の強さに感動を覚えます。同じ境遇に生きてきても、愛し合っていても、嵯峨君とまこちゃんの人生観は違う。
これは性格の差でもあり、男女差でもあるのだろうけど、まこちゃんの不安と不満がわかりすぎて切ない。考えすぎて、頭の中が自分の声でいっぱいになってしまうまこちゃん・・・彼女と私の性格は似てるところがあるのかもしれません。
だから嵯峨君や教授がまこちゃんに語りかける言葉はまるで私への言葉のように響きました。胸に刺さりました。だけど、これに激しく共感し、シンクロしちゃうところが自分の弱さなんだな~とも実感。
嵯峨君や教授の言葉を糧にし、もっとテキトーに気楽に生きられるようになりたいですww
“amazon.co.jpより
4位:N・P
~内容~
97本の短編が収録された「N・P」。著者・高瀬皿男はアメリカに暮らし、48歳で自殺を遂げている。彼には2人の遺児がいた。咲、乙彦の二卵性双生児の姉弟。風美は、高校生のときに恋人の庄司と、狂気の光を目にたたえる姉弟とパーティで出会っていた。そののち、「N・P」未収録の98話目を訳していた庄司もまた自ら命を絶った。その翻訳に関わった3人目の死者だった。5年後、風美は乙彦と再会し、狂信的な「N・P」マニアの存在を知り、いずれ風美の前に姿をあらわすだろうと告げられる。それは、苛烈な炎が風美をつつんだ瞬間でもあった。激しい愛が生んだ奇跡を描く、吉本ばななの傑作長編。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 542円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 240ページ |

“子供のころ、図書館で母が借りてきた本作が、吉本ばななさんとの出会いだった。一気に大ファンになり、その場で、彼女と同じ大学に将来行こう!と何故かきめた。
この作品は、初期のばななさんが好きだった危険な恋愛とか、訳あり家族とか、自殺とか、そういったものが盛りだくさん。決して下世話な書き方でなく、ばななさんが話す通り、「私、世の中には色んな人がいるって知ってる。ほんと色んな人に会った」という実体験からなのかな、と想像する。
冒頭で1人の小説家が自殺する。その小説家と作品を巡ってストーリーが進行する。父とも兄とも近親相姦関係になって、主人公の生活を引っかき回した箕輪萃。(←字が出ない。間違ってるかも。)私は彼女の魅力でこの作品は味わい深いものになったと思うし、当時子供だった私はミステリアスな彼女に強く憧れた。散々引っかき回された主人公の風美だが、最後に、萃にはもう会えないと言って泣く。たった一夏だけの萃との日々、これはある若い時期、限られた人だけしか経験できない、ひたすら濃厚な日々だったんだろう。
読後、萃は案外普通の母親になっている気がした。
“amazon.co.jpより
3位:TSUGUMI
~内容~
病弱で生意気な美少女つぐみ。彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜のはじまりに、つぐみと私は、ふるさとの最後のひと夏をともにする少年に出会った―。少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。第2回山本周五郎賞受賞。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 503円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 中央公論新社 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 245ページ |

“キッチンの時も感じたことだが、読み始めは、ちっとも面白くない。いつ止めてもかまわない。でも、読んでゆくうちに、登場人物ひとりひとりが、私の心の中で実体化して、身近に存在してるような気になる。犬と遊ぶつぐみに会いたい。にこにこ自転車を引いて夜道を歩く陽子ちゃんに会いたい。
おそらくなにもない、漁村にある山本屋旅館。東京、山野楽器、プランタンという現実世界。同じ日本の中に、まったく違う世界が存在する。いなかのある読者も、ない読者も、つぐみが生きている漁村・山本屋旅館へ行ってみたくなるのでは。わたしは、山本屋旅館の離れに住んでみたい。
“amazon.co.jpより
2位:キッチン
~内容~
家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくる―。唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが…。世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。泉鏡花文学賞受賞。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 440円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 200ページ |

“作品を読み進めるにつれて、登場人物たち(あるいは作者の方)に妙な親近感というか、人間としてのシンパシーを感じるような気がしました。(こんな大変な人生は送っていないけれど)その感覚を抱いたまま、あとがきを呼んだときに、頭の中にビビっと衝撃を受けました。
『感受性の強さから来る苦悩と孤独には耐えがたいくらいにきつい側面がある。』
それでも面白おかしく生きていくには傲慢さを自覚しなければならない、とありました。
繊細で感受性が強く、いろいろなことに気がつく(いろいろなことが見える)反面、それは自分への刃ともなるというか、その反動と戦いながら生きて来たような、そんな方じゃないかと感じました。
そして、その感受性の強さから、(見えることによって)他人を見下しがちなところについても、自分の中で葛藤しながら生きていくんだ、と受け取れるのではないかと思いました。
とにかく、この世の中にこんな『会話』ができる人というのは、ほんとに有り難く、そう思うと同時に、こんな方がいたんだ、と感謝のようなうれしいような、そんな気持ちになりました。
感受性の強い人へ、読書が好きな人へ、是非この1冊をおすすめします。
“amazon.co.jpより
1位:吹上奇譚
~内容~
双子のミミとこだちは、何があっても互いの味方。交通事故で父を失い母が寝たきりになってから、二人で支え合いながら生きてきた。しかしある日、こだちが突然失踪してしまう。交通事故の原因、異世界人、屍人、夢見の才能、そしてこだちの行方……。故郷吹上町で明かされる真実が、ミミの生来の魅力を目覚めさせていく。唯一無二の哲学ホラー、開幕。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 605円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 吉本 ばなな |
ページ数 | 240ページ |

“読み終わりがどんよりする暗い重い、感情が8割ぐらいのここ最近のパターンの小説だったらやだなと思いつつ恐る恐る買って読んだらすごく良かったのでレビューをあげたくなりました。
不思議な世界観は、今までの小説の「王国シリーズ」や「みずうみ」、「悲しい予感」に似た気付きや目覚めといった感じで、久しぶりにワクワクしながら読みました。(小説好きになったきっかけの「キッチン」の時の勢いも感じました)
終わり方も、いつもなら「はい、この先は主人公たちのみが知る物語です」のところで終わるのですが今回は消化不良にならずみっちり描いてあったので大満足でした。
最初のうちは少しだけテンポが遅いですが、その分その後の展開が劇的にみえて
一気読みしてしまいました。出てくる登場人物もそれぞれ魅力的だったんですが、唯一寝たきりのお母さんの人物像にあまり魅力を感じませんでした。チャーミングで、さすが双子さんの遺伝子みたいなエピソードがもう少しあったら終盤もっと感情移入ができたかも知れません。
またしばらくしたら読み返そうと思います。とても良いお話でした。
“amazon.co.jpより
吉本ばななの小説のおすすめの選び方
ジャンルで選ぶ
文芸作品
吉本ばななさんの文芸作品は「死」をテーマにした作品が多いと言えるでしょう。常に神秘的な舞台設定をしていたり、霊能力や予知夢がでてきたりしています。内容はスピリチュアルでありながら、そこから家族のテーマに転じるのは見事としか言いようがありません。ファンタジーのようでリアルな設定、リアルなのに現実的な世界観、この二面性の世界観が吉本ばななさんの魅力と言えるでしょう。吉本ばななさんの文芸作品は、家族のぬくもりや命の大切さを読みたい方にぴったりな作品です。

青春小説
吉本ばななさんは若い世代を主人公にする特徴があります。心理描写の細やかさや心の奥底を揺さぶられる作品が多いと言えます。はかなく透明感のある話が多く、眩しいほど光輝くストーリーが吉本ばななさんの青春小説の特徴と言えるでしょう。しかも、ただの凡庸な青春やラブストーリーではなく、キャラクターが生き生きしており、吉本ばななさんの独特の世界観を堪能できるでしょう。

エッセイ
吉本ばななさんは小説だけでなくエッセイも人気があります。吉本ばななのエッセイは多種多様なテーマでエッセイを書いています。そのテーマは旅であったり読者の問いに応えたりと、様々です。共通して言える事は人それぞれが共感でき、ふとした時に吉本ばななの名言が思い浮かぶ事がよくあります。日々の生活に不安があり、解消したいと思っている方に特におすすめです。
作品の雰囲気で選ぶ
明るい雰囲気の作品
明るい雰囲気の作品と言って、コメディ色全開で笑いを誘ったり、奇想天外なストーリーで話が二転三転するという訳ではありません。じわりじわりと暖かくなり、後味の良い作風が特徴です。日常を描いた現実的な話と霊能力や予知といったファンタジー要素が織り交じる作品と分かれます。読者の心をいい方向に向けようという姿勢が作品から伝わってくるでしょう。読書を通じて心を癒されたい元気になりたいという方におすすめです。
暗い雰囲気の作品
吉本ばななさんの作品の中で暗めの話はありますが、救いのないような話やホラー的な暗さはほとんどありません。スピリチュアル的で不思議な世界観を持ち、苦難の中でどのように生きていくかをテーマにした作品が多いです。人生とは何か生きるとは何かを考えさせられるかを問われます。暗いというより考えさせられる作品が多く、読書を通じて思案したい方におすすめです。
発刊年度で選ぶ
1990年代
1998年の「キッチン」でデビューした吉本ばななさんは、1990年代が初期の作品群と言えるでしょう。この時の作品群は生と死をテーマにしている作品が多いのです。吉本ばななさんの小説の基礎ともいえる「自分自身の再生の物語」を主題にしています。この時代の作品が一番、吉本ばななさんのエッセンスが濃い作品群と言えるでしょう。
2000年代
2000年代は吉本ばななさんの拡大期といえる時期です。自分自身を見つめる作風から他者を見つめる視線に変わっていきます。人と少し違う人、特別な能力に目覚めた人、そんな登場人物が失われたものを回復していく「登場人物の再生の物語」がこの作品群の特徴です。苦境の中でも前を向く登場人物から学ぶ事も多いでしょう。
2010年代
最近の代表作は「吹上奇譚」と言えるでしょう。吉本ばななさんは「もはや小説というジャンルからも逸脱していまっているかもしれない」と語っています。読み方を読者に委ねているような作風です。小説の新しい形を確立したと言ってもよいでしょう。現在進行形の吉本ばななさんの作品は良い意味でどこに向かうのか分からず、期待せずにはいられません。
映画化された作品を選ぶ
映画は小説の世界を100パーセント忠実に表現している訳ではありませんが、原作の世界観や雰囲気を知る事ができるでしょう。小説が苦手な方は映画を見て雰囲気を掴んでから、原作を読むことをおすすめします。また、吉本ばななさんの代表的な作品が映画化されていますので、代表作を読みたい方やどれを読むか決めきれない方は、映画化した作品を読むと良いでしょう。

小説の長さで選ぶ
長編小説
日常を感じさせながら、不思議なファンタジックで非日常を併せもつ作品が多いのです。また、話の落ちが見事であったり、どんでん返しで驚かせるのも吉本ばななさんの作品の特徴といえるでしょう。吉本ばななさんのが描く長編小説は、キャラクターや話自体が魅力的であり、彼女の小説を読んで小説の新しい読み方を確立したと言う方もいらしゃいます。オチや結末を楽しみにしている作品や心に響きわたる作品が好きな方は吉本ばななさんの作品がおすすめです。
短編小説
短編集も名作や注目を集めている作品が多いです。吉本ばななさんの得意な、日常をテーマにした作品が多く、吉本ばななさんの魅力を感じ取れるでしょう。吉本ばななさんの作品をまだ、読んだことのない方はは、短編小説から読み始めるのをおすすめします。
吉本ばななさんは少しくせのある文体ですので、短編で試し読みするのがよいでしょう。

吉本ばななの小説のおすすめまとめ
今回は吉本ばななさんのおすすめ作品と作品の選び方について紹介してきました。小説もエッセイも読者の心に訴えかけてくるので、吉本ばななさんの作品を読めば、日々の生活に張りが出てくるでしょう。今回の作品で心に残る小説やエッセイが見つかれば幸いです。
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