山田詠美さんは娯楽性を重視している直木賞を受賞し、文章と表現の美しさを重視している芥川賞の候補に上がっています。大衆文学と純文学の両方の魅力を持ち合わせている山田詠美さんの作品は読みやすい文章であると同時に、美しい文体が特徴です。今回は山田詠美さんのおすすめ作品と作品の選び方について紹介します。
おすすめの小説家山田詠美とは!?
山田詠美さんは様々な作品でドラマ化しており、多くの作品で文学賞を受賞しています。初期作品は黒人男性など外人との恋愛を描いた作品を多く書いてました。山田詠美さんの作品は娯楽性と芸術性を兼ね備えているのが魅力です。長編小説だけでなく短編小説やエッセイも高い評価を受けており現在では芥川賞の審査員を務めるほどで、日本を代表する女流作家の一人と言えるでしょう。
2022年最新の山田詠美の本
『吉祥寺ドリーミン: てくてく散歩・おずおずコロナ』
~内容~
山田詠美がコロナ禍を綴る最新傑作エッセイ
山田詠美さんは本書について「あとがきに代えて」でこう綴っています。
≪この本では、新型コロナの感染が拡大する中でのあれこれを綴りました。と、同時に、日々の取るに足りない、けれども、私にとっての大事なトピックスも取り上げています。そこから生まれる喜怒哀楽は、大きなものでも些細なものでも、確実に私の一部を形作っている。大切な大切な欠片たち。≫「言葉の小姑」を自認する著者の「怒り」は、想像力の欠片もない、安易に使われる言葉に向かいます。コロナ禍において跋扈した「東京アラート」や「特別な夏」「おうち」、さらには「コロナ禍」も俎上に載せ、「その言い回し、許さん!」と筆を揮うエッセイには胸がすくこと請け合いです。
もちろん美味しい食べものやお酒、夫婦での散歩など、不要不急の愉しい日常についてもたっぷりと!
女性セブンの大人気連載「日々甘露苦露」から、傑作エッセイ100編を厳選。前作『吉祥寺デイズ うまうま食べもの・うしうしゴシップ』(小学館文庫)に続いて、「親愛なる読者の皆さんへ(あとがきに代えて)」は謹製原稿用紙に綴った直筆です。そちらもぜひお楽しみに!
(Amazonより)
価格 | 1485円 |
ジャンル | エッセイ |
著者 | 山田詠美 |
ページ数 | 314ページ |
山田詠美の小説のおすすめ人気比較ランキング
15位:ラビット病
~内容~
あのふわふわと柔らかいうさぎのように、いつもくっついているゆりとロバート。なんだか、そのうち、ひとつになってしまいそう。ふたりの胸は、息もつけないくらい恋しい気持ちでいっぱい。キュートなわがまま娘と涙腺のゆるい純情青年の恋は、愛のせつなさにオロオロ、ドタバタし、周囲を圧倒しながらも、ほんわかムードなのだ。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 506円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 240ページ |

“どうしようもないバカップルなんだけど、2人の気持ちの感じ方にとても温かみがあり、そして、泣けました。泣きつかれました。何かうちら夫婦と似てるところがあり、だから余計になけたんだと感じました。”amazon.co.jpより
14位:晩年の子供
~内容~
メロンの温室、煙草の畑、広がるれんげ草の群れ。香り高い茶畑、墓場に向かう葬列、立ち並ぶ霜柱など。学校までの道のりに私が見た自然も人間もあまりにも印象的であった。心を痛めることも、喜びをわかち合あことも、予期しない時に体験してしまうのを、私はその頃知った。永遠の少女詠美の愛のグラフィティ。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 616円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 222ページ |

“山田詠美の作品で楽しみなことは、人間の心理が分析され尽くされていて、それを短い言葉で的確に言い当てるのがすごい高いレベルでなされていることだ。これは中年を迎えようとしている男女のことだけど、「体が惹かれ合って、それに飽きた瞬間に、離れられない関係になる。体が離れられないなんていうのは、まったくの嘘。離れられなくなるのは心が結び付き始めるからよ。体も心も結びついて離れられないのは、だから、一瞬なのよね。両立しない。すぐに消えちゃう。まるで花火みたいなものよ」
私の好みだけど、この「花火」と「海の方の子」、それに「ひよこの眼」がよかったかな。
“amazon.co.jpより
13位:風味絶佳
~内容~
70歳の今も真っ赤なカマロを走らせるグランマは、ガスステイションで働く孫の志郎の、ままならない恋の行方を静かに見つめる。ときに甘く、ときにほろ苦い、恋と人生の妙味が詰まった小説6粒。谷崎賞受賞。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 583円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 259ページ |

“時代設定がちょっと昔だなと感じる作品の短編集です。出てくる男性は肉体労働系の人が多いです。いつの時代でも、人は愛に貪欲になりたいのかなって思いました。なりたいけど、自分はなれないなという切なさを感じました。
“amazon.co.jpより
12位:学問
~内容~
東京から引っ越してきた仁美、リーダー格で人気者の心太、食いしん坊な無量、眠るのが生き甲斐の千穂。4人は友情とも恋愛ともつかない、特別な絆で結ばれていた。一歩一歩、大人の世界に近づく彼らの毎日を彩る生と性の輝き。そして訪れる、それぞれの人生の終わり。高度成長期の海辺の街を舞台に4人が過ごしたかけがえのない時間を、この上なく官能的な言葉で紡ぐ、渾身の長編。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 693円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 384ページ |

“仁美、心太、無量、千恵、男女4人は友情とも恋愛ともつかない特別な絆で結ばれている。第1章から第4章まであるが冒頭、記事の引用から始まり、無量以外の3人の死亡記事がインパクトがあり読んでるときに何度かこの記事に戻り読み返したのは筆者の構成の上手さが読者を惹きつける要因だと痛感しました。
“amazon.co.jpより
11位:タイニーストーリーズ
~内容~
当代随一の書き手がおくる、宝石箱のような短編小説集。アメリカ人兵士との恋愛を描く「GIと遊んだ話」から、街に立つ電信柱がその心情を語る「電信柱さん」まで21種のまったく異なる感情の揺らめきが、それぞれにまばゆい光を放ちます。ささやかなのに心をとらえて離さない、極上の物語たちをご堪能ください。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 597円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 348ページ |

“白状すると、若いころ、山田詠美の本は大好きだったんです。でも、人に言えないですよね。こんなに素晴らしいのに、こんな文学なんだ!って感動しても友達とは語れないじゃないですか。それに私も結婚してよき母、よき妻をやっていると山田詠美的人生からはいつしか遠ざかっていて、すっかり忘れていたのに、たまたま何かの書評で見かけたので、読みました。昔、本屋や図書館で山田詠美の本借りたり、買ったりするのなんて勇気が要るもので。店員さんに「この子こんなの読んでるんだ~」って思われるだろうな、って。なんといまはアマゾンがあるのですねえ。山田詠美を思いっきり買い漁れるかも。
ハナシは戻って、本作品も素晴らしいです。短編なのに、文学なんだよおお。たくさん収められているので好みのも、そうでないの有りますが、思い出しました。もう子育ても一段落したし、よき妻とかよい人とか思われることを気にしないで残りの人生生きて行こうと思って。有名、無名の別に限らず人間には人生がある。それぞれの愛がある。電信柱にも。ささやかな生活、つまらない人生、そこをよく描き、刻み込み、美しい物語になっています。
“amazon.co.jpより
10位:ジェシーの背骨
~内容~
変愛のプロフェッショナルを自認するココ。彼女が愛したのは飲だくれでアル中直前の男、リック。初めて泊まったリックの家で、朝、ココはこう言われる。「彼女、可愛いとは言えないね。まあまあってとこじゃない?」それは、十一歳の悪魔ジェシーの言葉だった。その日から始まる、ココ、リック、そしてジェシーの猛烈に激しい愛のぶつかりあい。極上のラブ・ストーリー。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1800円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 185ページ |

“山田詠美さんの作品はどれも文章が美しいというか、とても読み応えがあります。『ジェシーの背骨』も感嘆するような文章が綴られていて読むだけで気持ちがいいです。内容も良くて読んでよかったです。
“amazon.co.jpより
9位:ひざまずいて足をお舐め
~内容~
SMクラブの女王様が、新人賞受賞の注目作家になった。親友、忍お姉さんが語る主人公ちかの世界は、ストリップ嬢、黒人に群がる女達、SMクラブの女王様と奴隷たちと猥雑だけど、なぜか不思議に澄みきっている―。夜の世界をあっけらかんと遊泳しながら作家となったちかの本音と過去の記憶を、恋愛についての様々な真理をちりばめながら綴る著者の虚構的半自伝小説。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 605円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 320ページ |

“詠美さんの半自叙伝ということで、SMクラブでバイトをしていたエピソードが描かれています。SMクラブに対する、私の固定観念がまっこうから崩されました。女王様の仕事って、まさに言葉をあやつることなんだよなー。変態な世界かと思ったけれど肉体で得る快感ではなく、言葉による精神的な快楽を求めるものなんだよね。
“amazon.co.jpより
8位:メイク・ミー・シック
~内容~
「若い男の子たち、ファッションにうんと気を使うなら、中身も格好良くしなきゃ駄目だよ!」魅力的な不作法、優美なワイルド、口よりも有意義な瞳の使い方、退廃のルール。自分を客観的にみつめ、自分なりのダンディズムをもつこと―。上等な女を知り、良い大人になるためのレッスン。NEWYORK‐TOKYOのプライベイト・フォト68点と共に贈るスパイスのきいたAMYスタイルのエッセイ集。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 524円 |
ジャンル | エッセイ |
出版社 | 集英社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 222ページ |

“この本と出会ったのは、今から10年ほど前。まだ小さい女の子だった時だった。彼女のファンであったわたしは、こんな生活、こんな視点で物を見ているのか、と驚き魅せられ、気がついたら本がぼろぼろになっていた。今でも、元気が欲しい時に読み返す。この本のおかげで、少し早く女になれた気がする。「目で口説く方」や、素敵な女へ変化の仕方など、今読んでも十分為になる。
“amazon.co.jpより
7位:明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
~内容~
ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。それは幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。しかし、落雷とともに訪れた長男の死をきっかけに、母がアルコール依存症となり、一家の姿は激変する。「人生よ、私を楽しませてくれてありがとう」。絶望から再生した温かい家族たちが語りだす、喪失から始まる愛惜の物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 594円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 283ページ |

“『放課後のキーノート』もそうですが、本作もティーンが安心して読める一冊でした。家族の物語です。
物語の陰の主人公ともいえる澄生は、実に山田詠美的な大人びたヒーロー。若くして非業の死を遂げる彼は、残された家族の頭上に否が応にも深く大きな陰を落とし続けるのでした。最も顕著に現れてしまうのが最愛の息子の死という現実を受け入れられずにアル中となる母でした。まごうことなき悲劇ですが、きょうだいのうちの誰かを偏愛する母親というのは、極端でなければ家族のごく一般的なテーマだなと共感できました。平等ではない。
ゆるやかに奏でられる音楽のような物語だと読み進めていたのですが、最後の1ページで私は大きな衝撃を受けました。すべからく「死」とはつづきを失くすこと。生きることに長けた美しき生き物、澄生ゆえ「死」の悲しみや無念さが強く喚起され、読了後、ながくながく尾を引く物語となりました。心にじわじわくる傑作です。
“amazon.co.jpより
6位:ジェントルマン
~内容~
眉目秀麗、文武両道にして完璧な優しさを持つ青年、漱太郎。しかしある嵐の日、同級生の夢生はその悪魔のような本性を垣間見る―。天性のエゴイストの善悪も弁えぬ振る舞いに魅入られた夢生は、漱太郎の罪を知るただ一人の存在として、彼を愛し守り抜くと誓う。切なくも残酷な究極のピカレスク恋愛小説。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 616円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 256ページ |

“話の展開が巧みで文章力も抜群かつ人間観察眼が鋭敏すぎて興奮しながら読み終えた。一読して、著者の新境地かもしれないと思わせる部分も少なくない。見た目は最強レベルの紳士、だが裏では善悪の彼岸にふみこんだ悪人、という魅惑の男に惚れ込んだゲイの主人公によって、真の幸福とは何かが問われていく。鈍感な男たちの愚かさや恥知らずな女たちの醜さが嘲笑され、表面的な価値観が心地よくディスられることで、もっと大きな価値の高みが示唆される。人が人を愛するようにではなく、ほかならぬ自分が自分として誰かを愛するとはいかなることか、真摯に追求されていく。ジェントルマンの為す悪行には、嫌悪感をもよおす読者もあるかもしれない。だがその悪の「告解」こそが本書の通奏低音として流れることで、この小説は独自の緊迫感をかもしだしている。ラストへの疾走はやや突っ走りぎみのような感触もあれど、だがお見事な結末。”amazon.co.jpより
5位:ベッドタイムアイズ
~内容~
視線が交わされ、二人の愛は始まる。メイクラブまでは一瞬だった。クラブ歌手キムと黒人兵スプーン。溜息だけの会話、肌に溶け込む肉体、男の刻印が女に押され、狂おしい愛が二人を包む「ベッドタイムアイズ」。黒人ピアニストが奏でる愛と復讐の旋律「指の戯れ」。愛し始めた黒人中年の連れ子に翻弄される女の憎悪と慈愛「ジェシーの背骨」。デビュー作を含む著者初期の輝かしい三編。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 693円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 336ページ |

“著者の初期作品集。センセーショナルな話題になったデビュー作「ベットタイムアイズ」含め、贅沢なラインナップ。著者デビューの1985年、僕は高校2年。その後大学に入った頃位から著者の作品を読み漁った。本当に巧い。詩的で叙情をたたえながら透明感のある文章で描かれる世界は珠玉のように美しく洗練され、切ない。著者の才能は簡潔で怜悧な文章で、中篇を作り上げるところに最高の結実を見せる。著者の初期をご存知ない方はぜひ本作を。”amazon.co.jpより
4位:ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー
~内容~
ある時、街ですれ違った男の上着の中の匂いを嗅いで、私は昔の男を思い出して道の真ん中で泣きたくなる。ある時、バーで流れる黒人音楽は特定の男を思い出させて私を泣かせる。嗅覚があって良かった。5感が正常で良かったと、神様に感謝するのはこんな時。そして、恋物語を泣かずに書ける自分の理性にも感謝する。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 503円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 213ページ |

“本書が話題になったころ、山田さんのマスコミでの取り上げられ方は、もっぱら「ブラザーと恋愛する日本人女性作家」オンリーでした。実際に読んでみると、彼女のつむぐ日本語の美しさ、行間にただようニュアンスの素晴らしさに圧倒され、彼女の大ファンになりました。そんな私の思い出深い一冊です。”amazon.co.jpより
3位:放課後の音符
~内容~
大人でも子供でもない、どっちつかずのもどかしい時間。まだ、恋の匂いにも揺れる17歳の日々―。背伸びした恋。心の中で発酵してきた甘い感情。片思いのまま終ってしまった憧れ。好きな人のいない放課後なんてつまらない。授業が終った放課後、17歳の感性がさまざまな音符となり、私たちだけにパステル調の旋律を奏でてくれる…。女子高生の心象を繊細に綴る8編の恋愛小説。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 539円 |
ジャンル | 青春小説 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 224ページ |

“あまりに表現がすばらしくて、「かなわない」とつぶやいてしまう。女という道を歩む前の準備段階の少女たち。その美しい季節をとても美しい言葉と表現でつつんでしまう。こんな書き手がいたんだ、と(遅まきながら)発見者の喜びを感じています。みなさんもご賞味あれ。”amazon.co.jpより
2位:ぼくは勉強ができない
~内容~
ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ―。17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。勉強はできないが、女性にはよくもてる。ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。母親と祖父は秀美に理解があるけれど、学校はどこか居心地が悪いのだ。この窮屈さはいったい何なんだ!凛々しい秀美が活躍する元気溌刺な高校生小説。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 473円 |
ジャンル | 青春小説 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 288ページ |

“「僕は勉強ができない」から、付記の「眠れる分度器」について。
これは付記として扱われているが、本文より、よかった。ここでは赤間のぶ子という家が貧乏な子供に対する、子供同士の対応が描かれている。
主人公の秀美は、新入生で、まだクラスに慣れないでいる。あるとき、赤間のぶ子という女子生徒が毎日給食のパンを「小鳥の餌やり」のためクラスみんなから集めている本当の理由がわかってしまう。のぶ子の家は給食で貰うパンさえ買えないくらい貧乏なのだ。それに気づいた秀美は初めてのぶ子にパンを渡す。するとのぶ子は真っ赤になって憤って、パンを投げつけるのである。しかし、これをきっかけに、主人公はクラスの「仲間」と認められるようになる。インパクトがあるのは、「姉ちゃんは僕の鼻くそほじりだすのがものすごくうまいんだぞ」と自慢する、のぶ子の弟の生活臭溢れる台詞である。また、主人公も父親がいなくて、それを担任に突っ込まれて、いやな体験をしている。「僕や赤間さんは、一つの角を持っている。でも、角ってすごいんだぞ。三角形の角は三つ足すと線になっちゃうんだ。六個足すと、まん丸くなるんだ。地球だって、何だって丸なんだぞ。丸になるってすごいことなんだぞ。」という、主人公の言葉が最後にあってのぶ子がこれを聞いて泣き出し、これが主題であるが、なかなか、なかなか、という感じである。
まぁ、理系の私には、なぜ角が三角形の一角なのかの必然性が曖昧だという印象も無いではないが、こういう独得の、日常について、生徒各々の性格が強く描き出された作品ははかなりの描写力がなければ書けない。
リアリティが強く、よく、描けていると言わざるを得ないだろう。こういうのをプロの作家と呼ぶのだなと、しみじみと思った。
“amazon.co.jpより
1位:蝶々の纏足
~内容~
私の心を束縛し、私の自由を許さない美しき親友のえり子。彼女の支配から逃れるため、私は麦生を愛し、彼の肉体を知ることで、少女期からの飛翔を遂げる「蝶々の纏足」。教室という牢獄の中で、生贄となり苛めをうける転校生の少女。少女は自分を辱めた同級生を、心の中でひとりずつ処刑し葬っていく「風葬の教室」。少女が女へと変身してゆく思春期の感性をリリカルに描いた3編を収録。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 572円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 山田 詠美 |
ページ数 | 215ページ |

“女性独特の内面の複雑さに加えて、多感な少女時代の難しい部分がふんだんに盛り込まれていて、女の残酷な生態をうまく描いている。そうそう、女ってこうなんだよね怖いよねと、女なら誰もが共感するでしょう。私はここに登場してくるサブキャラが苦手。子供の頃から苦手だけれど、それでもその環境でうまくやっていくには、そうする他なく当時はサブキャラに属していたんだろうなと思います。この本にでてくるメインキャラのように、集団に迎合せず自分の価値観をもった自立した女に憧れるし、自立する勇気が当時欲しかった。”amazon.co.jpより
山田詠美の小説のおすすめの選び方
ジャンルで選ぶ
恋愛小説
山田詠美さんの恋愛小説は登場人物に特徴があり、執筆時期によって変わっていきます。初期作品では黒人男性との恋愛、中期作品は外国人が登場する作品、そして最近では日本人を題材にした作品を執筆しています。初期や中期作品はほかの作家さんにはあまり見られない外国人との恋愛関係をみる事ができますので最近の作品も面白いですが、気になる方は2000年以前の作品を読む事をおすすめします。

青春小説
山田詠美さんは青春小説も多く執筆しています。山田詠美さんの「ぼくは勉強はできない」はセンター試験の問題に抜擢され、自身の作品を無断で使用されたことで不快感を示したという逸話が残っています。山田詠美さんの青春小説は題材はいじめや思春期の恋愛などを取り扱っており、登場人物の掛合いが面白いのが特徴です。

エッセイ
山田詠美さんはエッセイも数多く執筆しています。女性ファッション誌にエッセイを掲載する事が多い山田詠美さんのエッセイですが、内容はファッションや流行についても書かれていますが、内面や知性を磨くことの重要性を書いています。また、恋愛や家族のことも書いてあり、山田詠美さん自身を知りたい方や内面の磨き方を知りたい方はエッセイを読む事をおすすめします。
小説の長さで選ぶ
長編小説
長編小説はまとまった時間がある時に読むのがおすすめです。山田詠美さんの長編小説は読みやすいので時間を忘れてすらすらと読み進めることができるでしょう。また、読みやすいながらも内容は濃厚なので、気に入った作品があれば何度か繰り返して読んでみるのもおすすめです。
短編小説
ちょっとしたすきま時間に読むのが最適な短編小説は忙しくて読書の時間が作れない方におすすめです。山田詠美さんの短編小説は読みごたえがあるので何度も何度も繰り返し読んでしまいます。読むたびに新しい発見があるのが山田詠美さんの短編小説の魅力です。

執筆時期で選ぶ
80年代
山田詠美さんがデビューした1980年代は、山田詠美さんの作品が非常に注目を集めた時代です。山田詠美さんの作品しか読まないというファンの方も多くいました。内容は黒人男性との恋愛の話を多く書いています。文体は純文学のような美しい文体で、その文体も当時、話題になりました。
90年代
1990年代はLGBTの先駆けである作品を多く執筆しています。ファッショナブルな外国人が多く登場するのです。また、この時期に女流文学賞や泉鏡花賞など多くの賞を受賞している時期でもあります。小説家として基礎固めを完璧に固めた時期と言えるでしょう。また、ユーモアあふれるエッセイもこの時期に多く執筆しています。
00年代以降
初期から中期にかけての作品は外国人を登場人物にしている作品が多かったのですが、2000年以降から日本人を中心にした作風に変化していきます。文体も日本語の美しさを活かした文章に変わってゆきます。また、この時期に多くの対談集を出しており、山田詠美さん自身、見識を広めた時期でもあります。
文学賞受賞作品を選ぶ
山田詠美さんは「ベッドタイムアイズ」で文藝賞を受賞し作家デビューを果たしています。同時に芥川賞の候補にもなっています。大衆文学が受賞される直木賞も受賞しており、純文学が受賞される芥川賞の候補にも選ばれているので、娯楽性の高い面白い小説を書きつつ、同時に純文学が持つ文章の美しさを併せ持つ稀有な作家さんと言えるでしょう。ほかにも野間文芸賞や谷崎潤一郎賞など様々な文学賞を受賞しており高い評価を受けている作家さんです。

映像化作品を選ぶ
ドラマ化
様々な作品が映画化やドラマ化など映像化されている作品が山田詠美さんの作品は多いです。映像化された作品と原作を見比べて違いを見つけるのも映像化された作品の楽しみ方の一つです。また、映像化作品を見た後で、原作を読むとイメージしやすく読みやすいので小説を読み始めた読書初心者の方にはおすすめです。

アニメ化
「風味絶佳」という短編小説に収録されている夕餉がNHKの「大人女子のアニタイム」でアニメ化されました。アニメ作品と原作との違いを楽しむのがアニメ化された作品の魅力の一つと言えるでしょう。また、アニメを見た後に原作を読むとアニメを見た時の印象がイメージしやすいので原作を読む際にスラスラと読む事ができるでしょう。

山田詠美の小説のおすすめまとめ
今回は山田詠美さんのおすすめ作品と作品の選び方について紹介しました。大衆文学の娯楽性と純文学の文章の美しさを兼ね備えた作家さんで、山田詠美さんの作品は小説の楽しさが詰まっていると言えるでしょう。今回の紹介で山田詠美さんの作品に興味を持っていただければ幸いです。
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