ノスタルジアの世界を堪能したいなら「ノスタルジアの魔術師」と呼ばれる恩田陸さんがおすすめです。数多くの作品がドラマ化や映画化をしており、人気の高い作家さんです。また直木賞など数々の賞も受賞しており実力も伴った作家さんともいえるでしょう。
今回は奥田陸さんの作品の選び方や魅力とおすすめ作品のランキングトップ30を紹介していきます。
- おすすめの小説家恩田陸とは?
- 2022年最新の恩田陸の小説
- 恩田陸の小説のおすすめ人気比較ランキング
- 30位:黄昏の百合の骨
- 29位:私と踊って
- 28位:球形の季節
- 27位:木曜組曲
- 26位:いのちのパレード
- 25位:夢違
- 24位:夜のピクニック
- 23位:六番目の小夜子
- 22位:月の裏側
- 21位:蛇行する川のほとり
- 20位:Q&A
- 19位:ネクロポリス
- 18位:エンドゲーム 常野物語
- 17位:きのうの世界
- 16位:夜の底は柔らかな幻
- 15位:ユージニア
- 14位:雪月花黙示録
- 13位:ネバーランド
- 12位:七月に流れる花
- 11位:図書室の海
- 10位:ドミノ
- 9位:三月は深き紅の淵を
- 8位:禁じられた楽園
- 7位:チョコレートコスモス
- 6位:黒と茶の幻想
- 5位:ロミオとロミオは永遠に
- 4位:ライオンハート
- 3位:麦の海に沈む果実
- 2位:光の帝国 常野物語
- 1位:蜜蜂と遠雷
- おすすめの恩田陸の小説の選び方
- 恩田陸の小説のおすすめまとめ
おすすめの小説家恩田陸とは?
直木賞と本屋大賞をダブル受賞していることでも有名な恩田陸さん。
『ドミノ』や『蜜蜂と遠雷』などバラエティーに富んだジャンルを発表していながら、どの作品もノスタルジーへと誘う世界観が特徴です。いつの間にかどこか懐かしくも不思議な魅力にはまる人は多く、それが恩田陸さんの作品世界の魅力といえるでしょう。
2022年最新の恩田陸の小説
『愚かな薔薇』
~内容~
14歳の少女高田奈智は、4年ぶりに磐座の地を訪れた。
これから2カ月の間、親戚が経営する旅館で世話になりながら、昼間は磐座城周辺で行われる、あるキャンプに参加することになっている。
事情をよく知らぬままこの地を訪れた奈智であったが、到着の翌朝、体の変調を感じ、
激しく多量に吐血してしまう。やがて奈智は、親戚の美影深志や同じキャンプに参加する天知雅樹らから、磐座でのキャンプの目的を聞くことになる。それは、星々の世界――外海に旅立つ「虚ろ舟乗り」を育てることであった。虚ろ舟の聖地である磐座に集められた少年少女たちは、徐々に体が変質し、やがて、歳をとらない体となる。食べ物もほとんどいらなくなり、心臓に銀の杭を打たない限り、死ぬことはない。
そのかわり変質体となると、一定期間、他人の血を飲まないと、死んでしまうという。
変質の過程で初めて他人の血を飲むことを、「血切り」と呼ぶ。
深志は奈智の血切りの相手は自分だと昔から決めていたと言うが、奈智は、他人の血を飲むなどという化け物じみた行為は嫌だと、思い悩む。
そんなことなら、虚ろ舟乗りなんかに、なりたくない……と。
(Amazonより)
価格 | 2200円 |
ジャンル | 文芸作品 |
著者 | 恩田陸 |
ページ数 | 592ページ |
恩田陸の小説のおすすめ人気比較ランキング
30位:黄昏の百合の骨
~内容~
”強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。奇妙な遺言に導かれてやってきた高校生の理瀬を迎えたのは、優雅に暮らす美貌の叔母二人。因縁に満ちた屋敷で何があったのか。「魔女の家」と呼ばれる由来を探るうち、周囲で毒殺や失踪など不吉な事件が起こる。将来への焦りを感じながら理瀬は―。”「BOOK」データベースより
価格 | 836円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 416ページ |

“まず、タイトルが魅惑的。『黄昏の百合の骨』って、普通に考えたら全く意味のわからない言葉なのですが、恩田作品だと違和感なく受け入れられるから不思議です。
『麦の海に沈み果実』は若干ファンタジー色も感じられましたが、こちらはミステリーそのもの。祖母が死んだのは本当に事故だったのか、二人の叔母が探しているものは何なのか、理瀬の友達・朋子に恋いこがれる高校生が突然行方不明になったのはなぜか・・・まさに謎のオンパレード。それだけでも飽きないのですが、そこかしこに伏線が張られているため、丁寧に読む必要がありますよ。その方が最後まで楽しめます。
前作と直接からむ話はあまりないですが、やはり先に『麦の〜』を読んだ方がより理瀬の世界を楽しめると思います。最後の最後まで息をつかせぬ展開、買って損しませんよ。”amazon.co.jpより
29位:私と踊って
~内容~
”パーティ会場でぽつんとしていた私に、不思議な目をした少女が突然声をかける。いつのまにか彼女に手をひかれ、私は光の中で飛び跳ねていた。孤独だけれど、独りじゃないわ。たとえ世界が終わろうと、ずっと私を見ていてくれる?―稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフにした表題作ほか、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、彩り豊かに味わい異なる19編の万華鏡。”「BOOK」データベースより
価格 | 737円 |
ジャンル | ファンタジー小説 |
出版社 | 新潮文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | ページ |

“突然、社内から姿を消した同期の樺島。
残されたヒントから、樺島を探す城山の推理を描く『心変わり』。
「柱時計」と「腕時計」、どちらを選ぶかを協議する『サイコロの7の目』
そして表題作など、短編ミステリー18編を収載。
作品によって書体や字組みを変えたり、著者自身も後書きで言っている
ように、ちょっと星新一風のSFぽいものがあったり、見た目も変えて
楽しませてくれる一冊。”amazon.co.jpより
28位:球形の季節
~内容~
”四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた…。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した!新鋭の学園モダンホラー。”「BOOK」データベースより
価格 | 649円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 新潮文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 341ページ |

“はじめは、よく分からない謎に凍りつきつつ引き込まれました。
ですが終盤は、登場人物と伏線、エピソードが多すぎて、まとめきれずに終わった感じ。
噂を流し、実行し、信じさせ、次の噂をまく。繰り返して何がしたいのか。。
もやもやが残ったので、もう一度流し読みをしてみて、なんとなく落としどころを見つけた気がします。
最後にユミがみのりに言っている言葉に全て集約されているかな。
この何とも言えない、読者に考えさせる余韻が恩田ワールドなのかな~と思いました。”amazon.co.jpより
27位:木曜組曲
~内容~
”耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げて四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。重松時子の死は、はたして自殺か、他殺か―?傑作心理ミステリー。”「BOOK」データベースより
価格 | 715円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 徳間文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 269ページ |

“いかにも恩田陸らしい戯曲のような心理劇。まるで作者自身のような女性作家達を登場させ、語らせるのがとても興味深かった。これは男性作家では駄目なので、設定した時点でいくらかは自分を語るつもりがあったのだろうと推察される。誰か一人がモデルなわけではなく、言いたい事をいろんな人物に少しずつ語らせてるのではなかろうか。犯人捜しと言う穏やかではないシチュエーションなのに、食にこだわる図太さなども、女性特有か。
微妙な心理劇ながら、次々に新しい事実を提示するストーリーテリングも巧みで、飽きずに読み通すことが出来た。若干モヤモヤが残りスッキリとはしないが、これもある意味女性的である。”amazon.co.jpより
26位:いのちのパレード
~内容~
”あちこちから指や手の形をした巨岩が飛び出す奇妙な村に、妻と私はやって来た(『観光旅行』)。主人公フレッドくんが起き抜けから歌うのは、ミュージカルだから(『エンドマークまでご一緒に』)。「上が」ってこの町を出るために、今日も少女たちはお告げを受ける(『SUGOROKU』)。小説のあらゆるジャンルに越境し、クレイジーで壮大なイマジネーションが跋扈する恩田マジック15編。”「BOOK」データベースより
価格 | 692円 |
ジャンル | ファンタジー小説 |
出版社 | 実業之日本社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 384ページ |

“1作目の「観光旅行」は、軽いタッチですがSF(すこしふしぎ)な世界を描き、めまいを誘います。
このテイストは嫌いじゃないので、わくわくしながら次の「スペインの苔(こけ)」へ。
がらりと変わった冷酷なそして突き抜けた怖さに「作者が違うのか???」と思いました。
この路線に進むなら、途中でやめようと決意して3作目「蝶遣いと春、そして夏」
あら、意外と面白いじゃん・・・・で、「橋」「蛇と虹」「夕飯は七時」「隙間」「当籤者(とうせんしゃ)」「かたつむり注意報」「あなたの善良なる教え子より」「エンドマークまでご一緒に」「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで」「SUGOROKU」「いのちのパレード」「夜想曲」と最後まで。
程よくいろいろ味わえて、お得感たっぷりの短編集です。
好き嫌いあるかもしれませんが、15作のうちどれかは必ずツボにはまると思います。”amazon.co.jpより
25位:夢違
~内容~
”夢の映像を記録した「夢札」、それを解析する「夢判断」を職業とする浩章のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する、集団白昼夢。浩章はパニックに陥った子供たちの面談に向かうが、一方で亡くなったはずの女の影に悩まされていた。日本で初めて予知夢を見ていると認められた、結衣子。災厄の夢を見た彼女は―。悪夢が現実に起こるのを、止めることはできるのか?戦慄と驚愕の新感覚サスペンス!”「BOOK」データベースより
価格 | 748円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 角川文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 501ページ |

“いろいろな夢を毎日見るけれど
改めて夢について考えさせられる話だった
朝起きて夢を反芻して どんな意味があったのか どんな場所で どんな匂いで なにを聞いたのか 数分間は覚えていても すぐ忘れてしまう
それが 新しい視点で書かれた夢のような話で
夢をみて起きた朝のように
まだこの夢のなかにいたいと思わせるような そんな小説だった”amazon.co.jpより
24位:夜のピクニック
~内容~
”高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。”「BOOK」データベースより
価格 | 825円 |
ジャンル | 青春小説 |
出版社 | 新潮文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 455ページ |

“自分は60台の大学教員です。普段は司馬遼太郎さんとか、宮城谷昌光先生の古代中国モノなどを好んで読んでいるのですが、これは古い友人にすすめられて、ごく最近、読みました。
なんというか、ノスタルジックで、けどよくわかるというか、読んでいるとギクっとすることばかりで。。。
なんとも瑞々しいきもちになれました!
日々、学生たちと接するのが、とっても新鮮で、楽しくなりました。
まさに「永遠の青春小説」なんですね。。。
感謝を込めて、星5つつけてしまいます。”amazon.co.jpより
23位:六番目の小夜子
~内容~
”津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。”「BOOK」データベースより
価格 | 649円 |
ジャンル | SF小説 |
出版社 | 新潮文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 339ページ |

“恩田陸先生と言うと、ミステリー作家という印象が強いですが、その作家さんがファンタジー?と思うかも知れませんが、内容はミステリーとホラーをミックスしたような内容で、その片鱗を感じさせます。
小夜子は誰なのか?と言うのがトランプのダウトに通じるスリルと面白さを感じます。
また、卒業式でよくある“呼び合い”(一人づつ短い文章を、声に出し合う事)を作中に取り入れる事で、作品の不気味さを上手く表現しています。
学生の登場人物たちの、日常会話が多いのも、会話を楽しむ事に長ける、女性作家ならではの作風に感じました。
直木賞を獲得した恩田先生の原点と言える作品です。”amazon.co.jpより
22位:月の裏側
~内容~
”九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは“人間もどき”の存在に気づく…。”「BOOK」データベースより
価格 | 713円 |
ジャンル | SF小説 |
出版社 | 幻冬舎文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 461ページ |

“今日は休日で、朝カフェでラテでも飲もうと思って外出。まずカフェの近くのツタヤで平積みになっていたこの本を買った。そしてカフェでいきなり100ページまで読んでしまった。その後、外に出たのだが、頭の中が小説のことでいっぱいで、赤信号で横断歩道を渡ってしまい、クラクションを派手に鳴らされたもんだ。
結局、今日一日がこの小説で終わってしまった。(ま、他のこともしたんですけどねw)
それほどのめり込んでしまったのだ。
恩田陸は名前は知っていた。この人は「夜のピクニック」が代表作ということで青春小説のイメージが強く、あの「蜜蜂と遠雷」も少し読んだのだが、あまりピンとこなかった。なので今日読んだこの小説が、初めて読み通した恩田作品ということになる。
そう、ツタヤでこの小説が私に「呼びかけた」のだ。いい小説とはこうして出会うものだ。
作中にもあるのだが、この小説には先行する作品があり「盗まれた町」という50年以上前のアメリカSF小説がそれらしい。パクリと言われないようにと思ってか、作中でこの小説をモチーフとして出している。
アイデアは先行するオマージュ作品があるのだが、この小説の面白さを作り上げているのはむしろストーリーだ。「じわじわ迫ってくる恐怖」がこの小説を読むのを止めさせてくれない。
作者の構成力、文章力はすばらしいの一言。
今日中にもう一冊、恩田作品を買ってしまった。さらにこの小説、映画化してもらいたいと思う。モダンホラーの傑作になるはずだ。”amazon.co.jpより
21位:蛇行する川のほとり
~内容~
”演劇祭の舞台装置を描くため、高校美術部の先輩、香澄の家での夏合宿に誘われた毬子。憧れの香澄と芳野からの申し出に有頂天になるが、それもつかの間だった。その家ではかつて不幸な事件があった。何か秘密を共有しているようなふたりに、毬子はだんだんと疑心暗鬼になっていく。そして忘れたはずの、あの夏の記憶がよみがえる。少女時代の残酷なほどのはかなさ、美しさを克明に描き出す。”「BOOK」データベースより
価格 | 748円 |
ジャンル | 青春小説 |
出版社 | 集英社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 352ページ |

“1ページ目から不思議な雰囲気が有る物語です。ミステリーとしては並みの上ですが、少女(あと少年)達の心の揺れ方の描写は天下一品。「木曜組曲」や「夜のピクニック」もそうでしたが女性たちを隔離された環境へ入れて、彼女等の行動、心理を書き上げるのは、恩田さんの最も得意とするところではないでしょうか。この物語で十分にそういう恩田さんの力が発揮されてます。ミステリーというよりは美しい「物語」として、もう少し知られていい作品だと思います。 名作。”amazon.co.jpより
20位:Q&A
~内容~
”都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず―多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か?異臭は?ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は?そもそも、本当に事故なのか?Q&Aだけで進行する著者の真骨頂。”「BOOK」データベースより
価格 | 660円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 幻冬舎文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 382ページ |

“10年ぶりに再読。
あくまでもストーリーの重大死傷事件は人々の心を映し出すプリズムの役割。
「北京の蝶々」のような、ある作為による波紋の広がり、奥行きの深さが感じられるラストシーンがとても好き。
ぞっとするけど。賛否両論はあるけれど。”amazon.co.jpより
19位:ネクロポリス
~内容~
”懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。ジュンは文化人類学の研究のために来たが、多くの人々の目的は死者から「血塗れジャック」事件の犯人を聞きだすことだった。ところがジュンの目の前に鳥居に吊るされた死体が現れる。これは何かの警告か。ジュンは犯人捜しに巻き込まれていく―。”「BOOK」データベースより
価格 | 792円 |
ジャンル | ファンタジー小説 |
出版社 | 朝日文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 478ページ |

“死者と出会うことができるという場所での物語。
怪しい人間や謎が次から次へと現われてきて、あっと言う間に読み終えてしまった。
みんなが書いているように、行動の意味が最後までよくわからない部分もあるが、全体としてはなかなかおもしろい。
もちろん実在する場所ではないが、そこの描写が細かいところまで写実的で記憶に刷り込まれてしまう。
今までなかったことだが、読み終わって3か月以上経つのに未だにその風景が実際に自分が行ったことのある場所かのように鮮明に思い出せる。
この文章力のすごさをぜひ味わってほしい。”amazon.co.jpより
18位:エンドゲーム 常野物語
~内容~
”『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。『遠目』『つむじ足』など特殊な能力をもつ常野一族の中でも最強といわれた父は、遠い昔に失踪した。そして今、母が倒れた。ひとり残された時子は、絶縁していた一族と接触する。親切な言葉をかける老婦人は味方なのか?『洗濯屋』と呼ばれる男の正体は?緊迫感溢れる常野物語シリーズ第3弾。”「BOOK」データベースより
価格 | 792円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 集英社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 368ページ |

“「常野物語」の三作目。これも「光の帝国」で広げられた世界の一点を線で伸ばした作品。作者はあとがきで「ここから先に読み始めても」と述べているが、やはり最初の「光の帝国」を読んでいないとその世界観が理解できず、意味がよく分からないかもしれない。二作目の「蒲公英草紙」と本作はどちらが後先でも良いと思うが。シリーズを通して私には重厚感、質量感のある面白い作品だった。まだまだ続くそうなので、これからも楽しみだ。”amazon.co.jpより
17位:きのうの世界
~内容~
”上司の送別会から忽然と姿を消した一人の男。一年後の寒い朝、彼は遠く離れた町で死体となって発見された。そこは塔と水路のある、小さな町。失踪後にここへやってきた彼は、町の外れの「水無月橋」で死んでいた。この町の人間に犯人はいるのか。不安が町に広がっていく。恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成。”「BOOK」データベースより
価格 | 628円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 320ページ |

“不思議な二つの塔と(こわれたもう一つの塔と)水路に囲まれた小さな町。そこの水無橋の上で一人の男が殺されていた。その男は一年前に不意に失踪した男だった。わずか十数分の間に誰がその男を殺したのか。そして近くのバス停に落ちていた犯行現場を示すメモは?
ということで、ひさびさの恩田陸は殺人ミステリです。
しかし、さすがに恩田陸。一筋縄ではいきません。普通の小説なら、少しずつ少しずつ小出しに出されていく情報と状況描写で、本来ならどんどん物語の輪郭が絞り込まれていくはずなんですが、この小説では情報はひたすら物語の輪郭を大きく曖昧にしていきます。端正な文章を読んでいるうちに、物語は深い霧の中に広がっていきます。下巻でどんどん物語は収束していくとは思いますが、非常にミステリアスな、恩田陸らしい小説です。
ネタバレにならないように、上巻の紹介としてはこのあたりで。”amazon.co.jpより
16位:夜の底は柔らかな幻
~内容~
”恩田ワールド全開のスペクタクル巨編!
国家権力すら及ばぬ治外法権の地である〈途鎖国〉。ここには在色者と呼ばれる特殊能力を持った者が多く、暗殺者を養成しているとも噂されている。自身も在色者である有元実邦は、警察官という身分を隠し、ある目的を持って途鎖国に密入国を企てる。闇月といわれるこの時期、在色者たちは途鎖に君臨する導師の地位をめぐって殺戮を繰り返し、またある者は密かな目的を持って山深くを目指す。密入国に成功した実邦だが、かつての実邦の婚約者で入国管理官として強権を揮う葛城や、途鎖での同級生だったが何かを隠している黒塚と再会する。さらに実邦の指導者だった屋島風塵、葛城の旧友で快楽殺人者となった青柳淳一など、関係者がいっせいに闇月の山を目指しだす。山の奥にひそむ導師の神山倖秀――実邦の元夫であり、葛城、青柳とともに幼少期を過ごした殺人者――と、途鎖の山奥に隠された〈宝〉をめぐって、彼らの闘いが始まる。”「BOOK」データベースより
価格 | 715円 |
ジャンル | SF小説 |
出版社 | 文春文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 398ページ |

“作者の本は読んだり読まなかったりなのですが、たまに当たるのでレビューを見て買っていました。あまり評価の良くない中、私には当たりだったので良かったです。現実と独特の世界観を組み合わせた、作者のくせのをこれでもかと感じました。焦らされつつたまに陽気に、喩えがわかりづらかったり、核心はつかない辺り変わらないなぁと思います。
最後まで読んで思ったのは、男女がやきもきする重苦しい設定の話なんだなと。所々好きですが最後良かったです。”amazon.co.jpより
15位:ユージニア
~内容~
”「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ―。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いったい誰がなぜ、無差別殺人を?見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか?日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリー。”「BOOK」データベースより
価格 | 692円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 角川文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 420ページ |

“最後まで読むと読み返したくなる、2度読み.してしまう本、だと思います。宮部みゆきの「理由」のように悲惨な事件が、
関係者の人々の一人称もしくは第三者の伝聞で語られて行きます。
バラバラの話しが最後に構築されて「事件」が見えて来る感じです。
2度目は、ダカラかと納得しながら読んでいけます。
面白いかと言われると… ? 重い雰囲気の有るお話です。殺人を扱っているので、あたまえですが…。”amazon.co.jpより
14位:雪月花黙示録
~内容~
”ミヤコの最高学府、光舎の生徒会長選挙。それはミヤコ全体の権力者を決定する伝統と狂騒のイベント。美形剣術士で春日家の御曹司、紫風は三期目の当選を目指していた。ある日、紫風は立会演説会中に選挙活動を妨害される。それは反体制勢力、「伝道者」の宣戦布告だった。彼といとこの女子高生剣士、蘇芳は次第に巨大な力に巻き込まれていき―。アクション満載、近未来の日本を舞台に繰り広げられる、絢爛豪華な玉手箱!”「BOOK」データベースより
価格 | 748円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 角川文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 420ページ |

“閉じられた空間、ミヤコ。
春日一族をはじめとする魅力的な登場人物。
気づけばどんどん引き込まれていました。
これぞまさに恩田ワールド!
そして最後の結末の置いてけぼり感も恩田さんって感じ笑
何だか回収し切れていない点がボロボロあるので星一つ減。
総じて見ると楽しめた作品ではありました。”amazon.co.jpより
13位:ネバーランド
~内容~
”舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。”「BOOK」データベースより
価格 | 572円 |
ジャンル | 青春小説 |
出版社 | 集英社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 277ページ |

“冬休み、保護者の元に帰らず、寮に残った男子高校生3人と侵入者?1人が、それまで意識して見ないようにしていた自分の過去・現在・未来に向き合っていく青春小説。
4人のキャラクターが、それぞれ魅力的で、ページをめくる手が止まらなくなります。”amazon.co.jpより
12位:七月に流れる花
~内容~
”六月という半端な時期に夏流に転校してきたミチル。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、全身緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。逃げ出したミチルの手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。五人の少女との古城での共同生活。少女たちはなぜ城に招かれたのか?長く奇妙な夏が始まった。”「BOOK」データベースより
価格 | 627円 |
ジャンル | ファンタジー小説 |
出版社 | 講談社タイガ |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 176ページ |

“恩田陸のSFミステリが好きなので個人的にはこれが恩田陸だと感じた。
物語が始まるとき、今回はどんな設定だろうと思いながら読むのは久しぶりだ。
今回の作品も謎の「みどりおとこ」に連れられて人里離れたお城から出られない少女たち…というだけで、どうして?、なんで?が止まらず、最後の結末にはやはり恩田ワールドと思ってしまう。
児童向けの作品だが大人でも十分楽しめる。
お城の隔たれた向こう側で何が起こっているのかはもう1冊読めば明らかになるのだろう。”amazon.co.jpより
11位:図書室の海
~内容~
”あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる“サヨコ”伝説に関わる使命を…。少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の番外篇(表題作)、『夜のピクニック』の前日譚「ピクニックの準備」など全10話。恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な短篇玉手箱。”「BOOK」データベースより
価格 | 605円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 新潮文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 304ページ |

“過去色々な雑誌に掲載された短編9編と、それらをこの本にまとめるにあたって書き下ろされた1編からなる短編集です。
この本に収録されている短編のうち半分ほどが、今まで出版されている本の番外編であったり、これから出版される予定の本の予告編であったりしてます。
唯一の書き下ろし『図書室の海』は『六番目の小夜子』に登場した関根秋の姉である関根夏の高校時代の物語であり、『睡蓮』は『麦の海に沈む果実』に登場する水野理瀬の幼少時代の物語となってます。
なのでこの2編はそれぞれの元となっている長編を先に読んでおいた方がより楽しめると思います。
また、『ピクニックの準備』は『夜のピクニック』の予告編であり、『イサオ・オサリヴァンを探して』は『グリーンスリーブス』の予告編にあたります。
この他にも恩田陸のほかの作品に微妙に繋がりのある作品なんかもあります。
どの作品も恩田陸らしく非常に面白いんですが、正直一編ごとのボリュームに欠けているという感が拭えません。短編なんだから当たり前と言われたら正にその通りなんですが、僕は、1つの作品の中で色々な謎が絡み合い、長い時間をかけてその謎を掘り下げ、熟考し、それでもなお解明されない謎もあるという奥深さが恩田陸作品の味だと思っているので、どうも短編だと満足しきれなかったです。”amazon.co.jpより
10位:ドミノ
~内容~
”一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。迫りくるタイムリミット。もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく!抱腹絶倒、スピード感溢れるパニックコメディの大傑作。”「BOOK」データベースより
価格 | 704円 |
ジャンル | コメディ |
出版社 | 角川文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 384ページ |

“幾人もの主人公が登場する群像劇って、大抵、一人か二人のメインキャラがあるものだが、この物語は違う!!!
28もの主人公(27人と一匹w)が登場し、誰がメインということではなく、複雑にからみ合って、ラストの大事件へと雪崩れ込んでいく!!
ドタバタコメディだから・・・ということもあるかも知れないが、大量の伏線を張って、ラストにうまく回収してる筆力は見事!一気に読み切れます。
こんな物語、読んだこと無い!!!て言うか、ここまで描き切る構成力は只者ではないぜ!”amazon.co.jpより
9位:三月は深き紅の淵を
~内容~
”鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話。たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。”「BOOK」データベースより
価格 | 734円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 448ページ |

“作者未詳、発行部数も限られている。
持ち主はたった一人に、
たった一晩だけ貸すことが許された
幻の稀覯本「三月は深き紅の淵を」
そんな謎めいた1冊の本を巡る4つの物語。
一つひとつの話だけでも十分楽しめる出来だが、
4本まとめて読むとまたそれぞれの良さがわかる。
この作品には、作者の物語というものへの
愛がたっぷり詰まっている。
もっと面白い物語を読みたい、といつも思っている
活字中毒者たちの心を、恩田陸はよく知っている。
これを読んだら、次は「麦の海に沈む果実」
を読むことをオススメします。
“amazon.co.jpより
8位:禁じられた楽園
~内容~
”建築学部に通う大学生の平口捷は、姉と二人暮らしの平凡な生活を送っていた。そんな彼の前に若き天才美術家・烏山響一が同級生として現れる。カリスマ的な雰囲気があり取り巻きが絶えないが、なぜか響一の方から捷に近づいてくる。そして、届いた招待状。訪れた熊野の山奥には、密かに作られた野外美術館が…。奇怪な芸術作品は、見る者を悪夢に引きずり込む。幻想ホラー大作。”「BOOK」データベースより
価格 | 935円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 徳間文庫 |
著者 | 恩田陸 |
ページ数 | 576ページ |

“こちらの本を購入したのは高杉真宙くんが
表紙だったからです。読み始めたら即夢中に
なりました。不思議な世界感でした。そして不思
恩田陸さんの他の作品も読むようになりました。”amazon.co.jpより
7位:チョコレートコスモス
~内容~
”芝居の面白さには果てがない。一生かけても味わい尽くせない。華やかなオーラを身にまとい、天才の名をほしいままにする響子。大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女、飛鳥。二人の女優が挑んだのは、伝説の映画プロデューサー・芹澤が開く異色のオーディションだった。これは戦いなのだ。知りたい、あの舞台の暗がりの向こうに何があるのかを―。少女たちの才能が、熱となってぶつかりあう!興奮と感動の演劇ロマン。”「BOOK」データベースより
価格 | 880円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 角川文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 562ページ |

“作者本人があとがきで言っているように、本作は「ガラスの仮面」へのオマージュである。全く対照的な背景を持つ2人の女性が、演劇の世界で火花を散らすところなど、そのままだと言ってよい。また、作者自身が指摘するように、「ガラスの仮面」の面白さの大半は芝居、あるいはオーディション場面にあるが、この作品の面白さもまさにそこにある。
とはいえ、違いも決して少なくない。まず、大きな違いはこの作品には悪人が1人も登場しないことである。本作はあと2作続編があるそうなので、いずれ出てくるかもしれないが、主人公を虐める人間には事欠かない「ガラスの仮面」とはずいぶんテイストが異なる。努力と根性で主人公が数々の障害を乗り越えるスポ根的な「ガラスの仮面」に対して、主人公の人間性は本作では大きなウェイトを占めない。もっとも、その主人公の個性の弱さもまた、本作のキーになのではあるが…。
さらに、この作品は「演じるということは如何なることか」という、内面的・哲学的な要素を「ガラスの仮面」に比べると、より深く追求している。だから、それぞれのオーディションの場面でも、読者はこのテーゼを常に念頭に置いて読むので、各人が演じる場面がより興味深いのである。特に、クライマックスの「欲望という名の電車」では、読んでいてぞくぞくするぐらい興奮し、一度読み始めたらなかなか本から離れられない。
これだけ魅力にあふれた続編が楽しみな作品だが、☆を5つにしなかった理由は、主人公・佐々木飛鳥の人間的背景を説明する一章が、明らかに話の流れを壊しているからである。話を進めながら、徐々に彼女の人間性やその背景を描き出すことは、恩田陸ほどの手練れであれば容易になしえたはずなのに、この点が残念でならない。特に、オーディションの場面で、芝居の流れを壊すということに対して極めて敏感だった著者が、自分自身の小説でその流れを壊してしまったのでなおさらである。とはいえ、非常に魅力のある作品なので、演劇好きにはぜひぜひおすすめの作品である。もちろん、続編が出れば、即買いすることは言うまでもない。”amazon.co.jpより
6位:黒と茶の幻想
~内容~
”太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。”「BOOK」データベースより
価格 | 748円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 400ページ |

“「非日常」と「美しい謎」。まさにこれこそ恩田ワールドにぴったりのテーマじゃありませんか。学生時代の友人たちが、旅行に出かける。そこは俗世とはかけ離れた、太古の森を抱く島。謎にはぴったりの舞台が用意されている。
蒔生、彰彦、節子、利枝子の4人。ここに、これまた謎めいた存在の”梶原憂理”がどのようにからんでくるのか。上下巻、4部構成で、それぞれタイトルには登場人物の名がついている。タイトルとなっている人物の目を通して、物語が進んでいく。
誰が殺したとか、堂殺したとか、派手なトリックが出てくるわけではなく、かといって、ほんわかした、いわゆる”日常の謎”でもない物語。それぞれが無意識に、この旅で何かを解決しようとしている。それがなんなのか、旅に出た当初はわかっていないのだけれど、繰り返されるたわいもない会話のうちからおぼろげに見えて来る。
いつか行こうと思っているものの、なかなかいく機会に恵まれない。時間とかお金とか仕事の制約で。それが、ひょんなことから実現する瞬間というのは、それがその場所へ「行くべき時」が来たということなんだ、この4人はそれがわかっている。そこで何かが起こるということも。
謎というのは必ずしも解けばいいというものではなく、謎は謎のままのほうが美しい場合もある。それがわかっていながら、答えを探さずにはいられない。それによって苦しむかもしれないと、心の底ではわかっていながら、知らずにはいられない。人間ていうのは、不思議なものです。その答えを見つけることによって、この4人は、これからどんな人生を歩んでいくんだろう。
この物語の設定が、ひなびた温泉旅館なんかだったら、中年にさしかかろうという男女4人の、ただ過去を懐かしむような陳腐な物語になってしまうかもしれないところ、Y島という特殊な舞台だからこそ、雰囲気も盛り上がる。
一部に『麦の海に沈む果実』の風景が出てきて懐かしくなった。恩田作品を愛読している人にはおなじみでしょうが、どの作品も、随所に”おなじみ”のものが出てくるのです。それも、恩田作品の楽しみですよね。
早く下巻も読みたいです。憂理はどうなったんだろう?”amazon.co.jpより
5位:ロミオとロミオは永遠に
~内容~
”日本人だけが地球に居残り、膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。エリートへの道は唯一、「大東京学園」の卒業総代になることであった。しかし、苛酷な入学試験レースをくぐりぬけたアキラとシゲルを待ち受けていたのは、前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。やがて最下級の「新宿」クラスと接触したアキラは、学園の驚くべき秘密を目にするが…。”「BOOK」データベースより
価格 | 902円 |
ジャンル | SF小説 |
出版社 | ハヤカワ文庫JA |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 436ページ |

“近未来SFだけれど、奇妙に現実味をおびた世界。はちゃめちゃな大東京学園と、その地下の秘密のアングラ。精鋭の男子生徒たちがその間で揺れ動く脱走劇です。学園モノとSFの混ざった不思議なジャンルだけれど、魅力的な人物や背景の設定で、スリルを感じながらぐんぐん読み進む作品でした。「上と外」に近いものがあるかも。
作中に散りばめられたオマージュから、20世紀がどれだけ魅力的な時代だったのかがうかがえます。巻末には20世紀用語解説がついているので、そちらと照らし合わせながら読み進めるとより世界観の深みが増すはず。ストーリーうんぬんよりもパロディ部分を楽しめるかどうかで好き嫌いが出てきそう。”amazon.co.jpより
4位:ライオンハート
~内容~
”いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ…。17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。結ばれることはない関係だけど、深く愛し合って―。神のおぼしめしなのか、気紛れなのか。切なくも心暖まる、異色のラブストーリー。”「BOOK」データベースより
価格 | 825円 |
ジャンル | ファンタジー小説 |
出版社 | 新潮文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 397ページ |

“何度も生まれ変わり、エリザベス・ボウエンとエドワード・ネイサンとして出会い、一瞬で分かれる。何度も過去や未来の夢を見る。
時系列に出会うわけではなく、未来に行ったり過去に行ったりするので、なかなか入り込めない部分もあります。なのでもう一度流し読みしました。
章ごとの扉絵に章のタイトルとなる絵画がカラーで載っていて、調べてみると意味があり、小説のストーリーとの兼ね合いが面白いです。
【エアハート嬢の到着】 扉絵:シッカート。
まさにこの絵の瞬間に二人は出会う。が、悲しい別れ。
【春】 扉絵:ジャン=フランソワ・ミレー。
主人公はミレー。この絵の風景をミレーが見た後に、二人が出会う。が、悲しい別れ。その場面を二年後に絵にしたらしい。
必ず悲しい別れは、なんだか切ないです。”amazon.co.jpより
3位:麦の海に沈む果実
~内容~
”三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?この世の「不思議」でいっぱいの物語。”「BOOK」データベースより
価格 | 880円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 512ページ |

“孤立した全寮制の学園、一癖ありそうな教師に謎を秘めた美しい少年少女。恩田陸の全てが詰まっています。謎の転校生水野理瀬の正体は…。彼女が他のもろもろの作品に登場するのは、ファンならご承知でしょうが、初めての人でもどきどきしながら読み急ぐほど楽しめます。 ちょっと苦い結末は、今後の理瀬像を暗示しているかのようです。これで、恩田陸にはまりました。美しい挿絵がさらに恩田ワールドを広げます。”amazon.co.jpより
2位:光の帝国 常野物語
~内容~
”膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。”「BOOK」データベースより
価格 | 545円 |
ジャンル | ファンタジー小説 |
出版社 | 集英社文庫 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 288ページ |

“久しぶりに質量感のある昨品を読んだ。常野物語の一巻目。物語は細切れに展開され、一見それぞれがつながりのない話に思えるが、実は「常野」と現実(と言っていいのだろうか?)の狭間に生きる一族の世界を各の話を微妙にそして密接に紡ぎながら描いている。読み終えてようやく「常野」を少し感じることができる。続編の「蒲公英草紙」続々の「エンドゲーム」まで一気に読み終えた。両者は「光の帝国」を基底に置き、一族の中のひとつひとつの世界を掘り下げている。この世界を感じることができないと、難解で分かりづらく、面白くない話というだけでで終わってしまうのかもしれない。そんなところにこのシリーズの評価は分かれてくるのだろう。私にとっては質量感がありとても面白い作品だった。”amazon.co.jpより
1位:蜜蜂と遠雷
~内容~
”近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。”「BOOK」データベースより
価格 | 803円 |
ジャンル | 青春小説 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 恩田 陸 |
ページ数 | 454ページ |

“娘がピアノを習っているために買ってあげたら、自分がはまってしまった!
ピアノを弾けないおやじなのに、音楽の世界観が頭の中で広がっていった。
昔、時代小説をよく読んだ。好きな小説は、展開と結末が読めない小説だ。この本は、まさにどんな展開になるか読めず、圧倒的な音楽の世界観が、お音楽音痴のおやじにもわかり、とても楽しめた!
本屋大賞もうなずける。音楽好きじゃないひとが、十分に楽しめる。
“amazon.co.jpより
おすすめの恩田陸の小説の選び方
ジャンルで選ぶ
ミステリー
恩田陸の代表ジャンルといえばミステリーといえるでしょう。恩田陸作品のどのジャンルにも共通していえるのですが、謎めいた雰囲気が作品全体を覆っているので、特にミステリーとの相性がいいです。恩田作品のミステリーの特徴は決定的な事件が発生してその謎を解く、というわけではないところです。謎めいた雰囲気や近未来の不穏な空気がミステリー色をより強めるといったのが恩田陸のミステリー作品の特徴です。
探偵役が事件を解決するタイプではないのですが、ほかの作家さんのミステリーとは一味違った世界観が魅力です。

青春
謎めいた雰囲気やさまざまなジャンルを発表している恩田陸作品のミステリーと対を成す代表ジャンルは以外にも青春です。不穏な空気や謎めいた雰囲気も得意ですが、ノスタルジーへ誘う要素はだれもが経験した学生時代や幼少時代の郷愁が強いからでしょう。青春時代の爽やかさや甘酸っぱさに浸れ、会話で青春を感じさせる作品が多いので読みやすく、恩田陸さんの作品を初めて読む方にもおすすめです。読み進めるうちにだんだんと感情移入していき、最後には涙してしまう事もあります。

ファンタジー
ファンタジー作品は恩田陸さんの作品を一度は読んだことがあり、もっと恩田陸の世界観に浸りたいという方におすすめです。どこか浮遊感のある、幻想的な世界観をつぶさに描きだす恩田陸の作風は恩田陸好きにはたまりません。
またファンタジーと聞くと、突飛な世界観についていけないのでは、と抵抗を感じてる方もいるでしょうが、恩田陸作品は繊細な執筆で丁寧に描かれているので、世界観にすんなり入り込めます。

SF
科学に基づいたハードSFとは異なりますが、藤子・F・不二雄でいうSF(少し不思議)のテイストのSFが強いのが特徴的です。以外にもノスタルジーを沸騰とさせる要素が強い恩田陸作品のジャンルでもあります。SFと聞くとなにやら難しい専門用語ばかり出るのではないかと、思われる方もいるかと思いますが、気にせずに肩の力を抜いて読むのがおすすめです。恩田陸の意外な作風を感じられるジャンルでもあります。

ホラー
恩田陸さんは、ホラーにも定評があります。どこか不透明な不穏な空気がホラーとマッチして、ホラー小説ファンなら間違いなく楽しめるのが特徴です。ホラー映画のような驚愕の連続という作風ではありませんが、じっとりとした小説らしい恐ろしさをおうな体感できます。
恩田陸さんのホラー作品は、読破後にも残るホラー感がたまりません。現実に繋がるようなうっすらとしたホラーの影が、まだ自分のすぐそこまで伸びているのではないか、という独特なホラーを楽しめます。
もともとホラー作品を好んで読んでいる方、恩田陸さんのホラー要素にひかれた方にお勧めです。

エンタメ
恩田陸作品の中にはコメディ要素がふんだんに盛り込まれているエンタメ系の作品もあります。
純文学風のテイストが強い恩田陸さんですが、意外にもエンタメ作品で直木賞を受賞します。本をあまり読まない方はエンタメ作品から入ることをおすすめします。込み入った設定や難しい文体ではないので、他の恩田陸作品よりも比較的、読みやすいのが特徴です。
映像化された作品を選ぶ
映画化作品
「蜜蜂と遠雷」「夜のピクニック」「木曜組曲」など、恩田陸作品には映画化された作品が多くあります。映像にすることで登場人物の動きや表情がわかり易くなります。映像作品を見ていることで、小説に中でも風景や状況をイメージしやすくなります。また小説を読んで映像作品を見ると、イメージしていた風景や音楽を、実際に自分の目と耳で感じることができ、作品への没入感が高まります。

ドラマ化作品
恩田陸作品のデビュー作の「六番目の小夜子」をはじめ、「ネバーランド」「悪夢ちゃん」などがドラマ化されています。ドラマを見た作品であれば作品の概要を知っているので比較的読みやすいと思います。」また、10話を超す話数で映像化されるため、原作ではさらっと書かれていたエピソードがじっくうと掘り下げて描かれ、より登場人物の心情に迫ることができるので、小説を読んだ後にドラマを見るのもおすすめです。

有名作品を選ぶ
もしまだ恩田陸作品を読んだことがないということであれば、有名作品から読むことをおすすめします。有名作品はテレビドラマ化や映画化されていたり、文学賞を受賞していることもあるので、なんとなく作品の概要を知っていることも多いので、比較的読みやすいです。
有名作品は多くの人が手をとり、評価をえている作品ですので恩田陸の最初の一冊としては、非常に最適です。有名作品は文体や作風が読みやすくなっている作品が多いです。最後まで読み切れますので、読書をあまりしたことのない方や初めて恩田陸の作品を読むという方にもおすすめです。
口コミで選ぶ
サイト等で、口コミで評判のいい小説を探すのもおすすめです。
口コミで調べると自分のあった作品かどうか知ることもできますし、口コミで評判のいい作品は読みやすく内容も万人受けしやすい内容が多いです。それだけハズレを引く確率も少なくなるかと思います。どれを手に取るか悩まれている方や作品選びで失敗をしたくない方は、一度口コミを調べてみるのもいいかもしれません。
恩田陸の小説のおすすめまとめ
いかがでしたか?恩田陸さんの作品はノスタルジーと不思議な世界への橋渡しをしてくれる作品です。恩田陸の作品は読者をノスタルジーの世界へいざなってくれるでしょう。直木賞や本屋大賞を受賞した日本を代表する作家の作品をこの機会にたっぷりと堪能してはいかがでしょうか?この紹介でお気に入りの一冊が見つかれば幸いです。
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