西加奈子さんは「サラバ」で直木賞を受賞しており、数々の名作を世に送り出してきています。幼少時代から海外で生活をしており、幼少期の経験を元に魅力的な話や心揺さぶる文章を書いてきたといえるでしょう。今回は西加奈子さんのおすすめ作品と作品の選び方について紹介していきます。
おすすめの小説家西加奈子の魅力とは
2015年に「サラバ」で直木賞を受賞した西加奈子さんは、それをきっかけに注目をあつめた作家さんです。直木賞受賞式では「プロレスから勇気をもらった」と発言しており、その発言で小説に興味がなかった方が西加奈子さん自身に興味をもったという方も多くいます。西加奈子さんの小説は家族など身近で親しみやすいテーマで書かれており、心温まる話が多いのが特徴です。
2023年最新の西加奈子の小説
『おまじない』
~内容~
さまざまな人生の転機に思い悩む女子たちの背中をそっと押してくれる魔法のひとこと―。著者の新境地をひらく10年ぶりの短編集。
(Amazonより)
価格 | 682円 |
ジャンル | 短編集 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 240ページ |
西加奈子の小説のおすすめ人気比較ランキング
15位:こうふく みどりの
~内容~
「お前んち、いっつもええ匂いするのう。」そう言った転校生のコジマケンが気になる緑は、まだ初恋を知らない十四歳。夫(おじいちゃん)が失踪中のおばあちゃん、妻子ある男性を愛し緑を出産したお母さん、バツイチ(予定)子持ちの藍ちゃん、藍ちゃんの愛娘、桃ちゃん。なぜかいつも人が集まる、女ばかりの辰巳一家。そして、その辰巳家に縁のある、謎の女性棟田さん。それぞれの“女”が人知れず抱える、過去と生き様とは―。二ヵ月連続リリース第一弾。大阪のとある街を舞台に、さまざまな形の“女のこうふく”を描いた、著者渾身の一作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 628円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 小学館 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 276ページ |

“たまたま手にしたこの本があまりに良かったので、そのあと西加奈子さんの本はいくつか拝読致しましたが、わたしにとってはこれ以上のものはありませんでした。というより、正直「てんでダメ」なものもいくつかあって、この「こうふく みどりの」が突出して良い、と思います。(「漁港の〜」はまずまず良かったです。)あくまで私見ですが。細かな描写の秀逸さと、読み進めるための駆動力みたいなもの(ちょっとした謎とか)のバランスが良いです。みどりちゃんがいい子です。あと、うまく説明出来ない何か善いものがあります。時々読み返しています。
他の西さんのご本で「てんでダメ」と思った方でも、「こうふく みどりの」なら試してみてもよろしいのではないかと思います。おすすめです。
“amazon.co.jpより
14位:ふくわらい
~内容~
暗闇での福笑いを唯一の趣味とする編集者の鳴木戸定。愛情も友情も知らず不器用に生きる彼女は、愛を語る盲目の男性や、必死に自分を表現するレスラーとの触れ合いの中で、自分を包み込む愛すべき世界に気づいていく。第1回河合隼雄物語賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 638円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 朝日新聞出版 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 304ページ |

“これほどまでにプロレスラーの想いを、表現した作品が今までに存在したか?主人公は数奇な体験を経て、様々な出会いの中で自分自身を見つけて行く。主人公の定を取り巻く、”自分”をさらけ出す者たちが、西加奈子の文字を…言葉を…繋いだ文章となり、I編集の「活字プロレス」を作り上げている。
これは決してプロレスの本ではなく、作中に登場する守口廃尊が実在するレスラーでもない。ないにも関わらず、プロレスファン歴40年のキャリアをも凌駕する文章に心奪われる。西加奈子の世界と言えば”大阪弁”なのだが、今回は一切登場する事なく、西加奈子を表現している。
賛否両論あるが、何も驚く事はない。西加奈子は西加奈子の文字の、言葉のプロレスを見事にスウィングさせている。ラストの開放感は、それはそれは素晴らしく、興奮のあまり言葉が後を絶たなかった。
“amazon.co.jpより
13位:炎上する君
~内容~
散歩中に拾った、自分と同じ機種の携帯電話。その携帯に届いたメールに何の気なしに返信した私は、返ってきた温かいメールに励まされ、やがて毎日やりとりを始める―(「空を待つ」)。我々は足が炎上している男の噂話ばかりしていた。ある日、銭湯にその男が現れて―(「炎上する君」)。何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化。奔放な想像力がつむぎだす愛らしい物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 572円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 213ページ |

“梱包も商品もきれいでした。機会がありましたらまたお願いします。
又吉さんのオススメということで購入しました。とてもおもしろかったです。文章のセンスや雰囲気に癒され、あっと言う間に読み終わりました。西さんの本はまた買いたいと思います。
“amazon.co.jpより
12位:おまじない
~内容~
さまざまな人生の転機に思い悩む女子たちの背中をそっと押してくれる魔法のひとこと―。著者の新境地をひらく10年ぶりの短編集。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1404円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 筑摩書房 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 240ページ |

“女性として生きることの困難さに思いをはせながら、妻から聞いたこれまでの遍歴に思いをはせながら、娘たちがこれから経験するであろう困難を案じながら、読みました。とりわけ、前半の「燃やす」「いちご」「孫係」「あねご」は印象に残りました。ページをめくり進んでいくにつれ、涙があふれてきます。どうしてもっと優しくしてあげられなかったのか、受け止めてあげられなかったのか、愚かだった男の私自身を呪いたくなります。どうしようもない私ですが、今となってはかなわない夢かもしれませんが、妻を、娘を、優しく包んで抱きしめたい。
そして、「あなたがいてくれて、本当に楽しいです」と言いたいです。女性にとって救いになる言葉になると同時に、愚かな世の男たちに気づきを与えてくれる、そんな一冊です。
“amazon.co.jpより
11位:きりこについて
~内容~
小学校の体育館裏で、きりこが見つけた黒猫ラムセス2世はとても賢くて、大きくなるにつれ人の言葉を覚えていった。両親の愛情を浴びて育ったきりこだったけれど、5年生の時、好きな男の子に「ぶす」と言われ、強いショックを受ける。悩んで引きこもる日々。やがて、きりこはラムセス2世に励まされ、外に出る決心をする。きりこが見つけた世の中でいちばん大切なこととは?読者からの熱烈な支持を受け、ついに文庫化。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 572円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 217ページ |

“こんなにブスを連呼する作品は、今まで見たこともない。
だからと言って、不愉快な事は何もなく、清々しささえ覚える。こんあに素敵な猫との関係は、西加奈子ならではの作風ではあるのだが、映像化出来そうにないのが残念無念
“amazon.co.jpより
10位:通天閣
~内容~
『さくら』で彗星のように華やかなデビューを飾った西加奈子の第4作にあたる長編小説。冬の大阪ミナミの町を舞台にして、若々しく勢いのある文体で、人情の機微がていねいに描かれていく。天性の物語作者ならではの語り口に、最初から最後までグイグイと引き込まれるように読み進み、クライマックスでは深い感動が訪れる。このしょーもない世の中に、救いようのない人生に、ささやかだけど暖かい灯をともす絶望と再生の物語。この作品で第24回織田作之助賞を受賞している。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 638円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 筑摩書房 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 270ページ |

“大学時代と、社会人をしていました。北の北の寒い寒い所から来た私は関西人の強烈な個性に圧倒されまくり、今でも愛して止みません。友人は、やはり大阪人が多く、サークルの同窓会では、笑いっぱなし喋りっぱなしです。まさに、この小説の様な、暗いけれども、何故か笑ってしまう人生を送っている方々…多いんです。会話がおもろないと、ばっさりおもろない!と斬られてしまう感じ…懐かしい。洒落にならない位の経験をしても、泣いても何故かじめじめしていない。関西…。通天閣近くの昼間は、人だらけで、胡散臭いスカウトを無視したら逆ギレされたり‼でも、くすくすと、友人と笑っていました。あぁあたしも、遠いとこに来てしまったなぁ。(土地も歳も♪)とか、しんみりしました。西加奈子さんは、どの本を読んでも吸い込まれてしまう位の文章力ですね。3歳児の中年母をしている私ですが、娘の、゛こっちを見て!行かないで!私を愛して愛して!もっと!゛の強い主張を丸ごと本気で受け止めて自分もこうしてほしかったな…なんて思いました。素敵な小説でした。”amazon.co.jpより
9位:円卓
~内容~
二〇一四年、芦田愛菜主演で映画公開決定!
三つ子の姉をもつ琴子は、口が悪く偏屈な小学三年生。周りの価値観とぶつかり、悩み考え成長する姿をユーモラスに温かく描く感動作。(「BOOK」データベースより)
価格 | 550円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 201ページ |

“子供が主人公の小説は、時として作為が過ぎて、読みにくい小説になることがあるが、この円卓は決してそんなことはなかった。主人公の女の子が最初から捻くれた子供、というのが入りやすかった理由かもしれない。
子供の世界から大人の世界へと、その境界を通り抜けようとするときに、捨てなければならないもの、身に付けなければならないものがそれぞれあるとしたら、そんな切なさを感動とともに味わわせてくれる小説だと思う。
特に、最後の数ページの表現は秀逸だ。図らずも落涙した。
“amazon.co.jpより
8位:きいろいゾウ
~内容~
夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった―。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 728円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 小学館 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 488ページ |

“映画を先に見ていたので内容は知っていましたが、原作を読んでみたくなり
購入してみました。
本当に会話そのもので書かれているので、ところどころ読みにくい点はありましたが「ツマ」らしさ「ムコ」らしさが溢れていてかえって良かったのかなと思いました。動物や植物の声が聞こえるツマは現実にはありえないだろうけど、そうすることでツマの感性が際立ち、純粋さや優しさ、恐怖感などがうまく表現されていて
面白い手法だなぁと思いました。出てくる人たちがみな面白くて大笑いしながら
とても楽しく読みました。
“amazon.co.jpより
7位:i
~内容~
「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる、ある「奇跡」が起こるまでは…。西加奈子の渾身の「叫び」に心ゆさぶられる傑作長編。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 748円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | ポプラ社 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 323ページ |

“相変わらずの西加奈子さんでした。自分は孤独だと感じ続けてきた主人公に感情移入をする反面、そこまで自分の存在を頑なに否定するのか?と思う部分もありました。
サラバにハマった方なら間違いなく楽しめる作品です。
“amazon.co.jpより
6位:ミッキーかしまし
~内容~
テヘラン生まれ、エジプト・大阪育ちの「ミッキー」。その波瀾万丈、驚天動地、抱腹絶倒の日々。自由奔放なイラストも楽しい脳みそつるつるエッセイ。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1430円 |
ジャンル | エッセイ |
出版社 | 筑摩書房 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 237ページ |

“西加奈子の「ミッキーかしまし」を読了。先日、作者の小説を読んで違和感を感じていた身としては、本作を読んで、「よかった」と思ってしまいました。本作は絶品です。笑いが満載です。こんなに笑ったエッセーは何時以来でしょうか。楽しくて楽しくて、一気読みです。
一番共感したのは映画「仁義なき戦い」を語る章。私も仁義〜に心奪われた一人でありますのでその気持ち痛いほどわかります。
心から笑いたい人達、テレビのお笑い番組より、本書を読んだほうが早いし、効果が持続すると思いますよ。
“amazon.co.jpより
5位:あおい
~内容~
二七才、スナック勤務のあたしは、おなかに「俺の国」と称した変な地図を彫っている三才年下のダメ学生・カザマ君と四か月前から同棲している。ある日、あたしは妊娠していることに気付き、なぜか長野のペンションで泊り込みバイトを始めることに。しかし、バイト初日、早くも脱走を図り、深夜、山の中で途方に暮れて道の真ん中で寝転んでしまう。その時、あたしの目に途方もなく美しい、あるものが飛び込んでくる―。表題作を含む三編を収録した、二五万部突破「さくら」著者の清冽なデビュー作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 550円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 小学館 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 208ページ |

“あっという間に、というくらい早く読み終えた。すっと読める平易な文章が光っている。
『あおい』『サムのこと』『空心町深夜2時』、どの物語も何だか色々と不潔だ。だけれどもそれが登場人物の素直さ、心の純さと対比されて、嫌悪感ではなく妙な好感を持てる。絶妙な雰囲気だと思う。
『サムのこと』は欠損感を主題にしている点であの有名小説『ノルウェイの森』と同種だが、前者の方が分かりやすい。両作を比べ読みすると結構面白い。
『ノルウェイの森』で作者が描きたかったことが『サムのこと』に彼の代わりにふんだんに描き切られている気がする。
一読お勧めできます。
“amazon.co.jpより
4位:さくら
~内容~
ヒーローだった兄ちゃんは、二十歳四か月で死んだ。超美形の妹・美貴は、内に篭もった。母は肥満化し、酒に溺れた。僕も実家を離れ、東京の大学に入った。あとは、見つけてきたときに尻尾にピンク色の花びらをつけていたことから「サクラ」と名付けられた十二歳の老犬が一匹だけ。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏に薄い鉛筆文字で書かれた家出した父からの手紙が握られていた―。二十六万部突破のロングセラー、待望の文庫化。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 660円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 小学館 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 416ページ |

“最初は、ごく平凡な家族の物語なのかな?と思った。ところがどうして、読み進むに従って、物語の質と密度が変化してくる。それは例えば、ラヴェルのボレロの様に、囁く様に始まった曲が、連続的にクレッシェンドして、最後は総動員のクライマックスに達する様に似ている。
この作品は、物語の展開が、後半に進む程、緊迫した内容になっている。本文中の言葉を借りると、ストレートばかりだったボールが、段々と悪送球に変わってくる。
その内容は、人間の生または性の、根源的な部分に忠実だ。人と人との係累の対象は、気持ち、あるいは、本能の趣くままに忠実であれば良いのだろうか?それらを見守るのは、犬のさくらだが、当初、生まれて間もないさくらが、結末部分では老犬になっている。物語は、この様な長きに渡る時間的営みを、緻密に描く。
多くの問題提起がなされる。しかも、ストレートな感性を伴って。考えさせられる部分は多い。物語は一人称で綴られるが、主人公は、家族全員だ。
さくらの眼には、この家族は、どんな風に映ったのだろうか?
“amazon.co.jpより
3位:まく子
~内容~
小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいた。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちが恐ろしかった。そして、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきたのだ。コズエはとても変だけれど、とてもきれいで、何かになろうとしていなくて、そのままできちんと足りている、そんな感じがした。そして、コズエは「まく」ことが大好きだった。小石、木の実、ホースから流れ出る水、なんだってまきちらした。そして彼女には、秘密があった。彼女の口からその秘密が語られるとき、私たちは思いもかけない大きな優しさに包まれる。信じること、与えること、受け入れること、変わっていくこと、そして死ぬこと……。この世界が、そしてそこで生きる人たちが、きっとずっと愛おしくなる。西加奈子、直木賞受賞後初の書き下ろしを文庫化。究極のボーイ・ミーツ・ガールにして、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。
(Amazonより)
価格 | 715円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 福音館書店 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 256ページ |

“映画化されるとのことで、さっそく読みました。
少年の体と心の成長のお話、かと思っていましたが、意外にも生や死の意味、またその再生を描いていてとても感銘を受けました。個人的にはコズエとオカアサンがお互いを呼び合うところ、二人がある選択をするところなどとても印象的です。また少年の一人称で語られるので、ただの同じ集落の住人として描かれていた人々が、徐々にその生きざまをあらわしていくところも、読み応えがありました。どんな風に映像化されるのか楽しみです。
“amazon.co.jpより
2位:漁港の肉子ちゃん
~内容~
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るい―キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 660円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 幻冬舎 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 341ページ |

“偶然アマゾンで知った本。何の気なしに買ったのですが、1ページ目から夢中になって、気がついたら朝だった。
騙されやすい、人の良いおばちゃん。丸々と太った、いつも明るいみんなから慕われてる肉子ちゃん。見た目も性格も正反対な娘、キクりん。
男に騙され続け、苦労だらけなのに、こりない。キクりんは、肉子ちゃんみたいには、なりたくない。でも、肉子ちゃんのことが大好き。肉子ちゃんも、キクりんと一緒に生活できるだけで幸せ。せいいっぱい、今を大切に生きてる。
人からバカにされる女かもしれない。だけど守ってやりたくなる、可愛い女。母性愛の塊のような女。 この本を開けば、そんな肉子ちゃんに会える。
“amazon.co.jpより
1位:サラバ
~内容~
僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 693円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 小学館 |
著者 | 西加奈子 |
ページ数 | 331ページ |

“家族が突然イラン行きを告げられ、日本に戻り、エジプトに行く過程で、父母関係が悪化する様などが主人公である、僕の幼少期視点より語られる物語。姉が独自の精神世界もち、クラスからも浮いた存在であるところから始まり、色んなマイノリティーが社会との関わり方を探し続ける。エジプシャンと歩が「サラバ!」の合言葉のもと、互いに精神的な支えになっている。歩むは元々卑猥な写真を見せられたことから始まったか。母と姉をつないでいた父が母と言い争いが絶えず別れることになり、これから彼らはどうなっていくのか。次巻に期待。”amazon.co.jpより
西加奈子の小説のおすすめの選び方
ジャンルで選ぶ
文芸作品
西加奈子さんを語る上で外せないのが小説を始めとする文芸作品と言えるでしょう。西加奈子さんは家族や身近な人たちを題材として小説を執筆しています。文章は独特なリズムを刻んでおり、そのリズムに引き込まれて、いつの間にか自分がその場所に存在しているような感覚に陥ります。
人間描写が優れた作家さんであり、感情移入がしやすい作品ばかりです。どの作品もユーモアにあふれた作品ばかりで、読書が苦手な方でも楽しく読む事ができるでしょう。

エッセイ
西加奈子さんは小学校の頃、海外に生活していた経験をもっていたり、大阪の生活を投げ打って身一つで東京に出た経験を持っています。そんな自分の体験をテーマにエッセイで綴っています。また、小説を産み出す際のエピソードもエッセイに描いているので、直木賞作家がどのような人でそのような葛藤をしているか知りたい方や西加奈子さんその人自身に興味がある方は、エッセイを読んで見る事をおすすめします。
絵本
西加奈子さんは絵本も執筆しており、その絵本は小説やエッセイと同様に評判が高い作品が多いのです。文だけでなく絵も西加奈子さんが描いています。可愛らしい絵や熟考されたストーリー、笑いを誘うユーモアにあふれた表現が多くの子供に愛される理由と言えるでしょう。また、ふりがなは振ってありますが、あえて漢字を多く使っているのも特徴で、お子さんの漢字の勉強になる利点もあります。
小説の長さで選ぶ
長編小説
読み応えのある小説を読みたい方は長編小説に手を伸ばしてみると良いでしょう。西加奈子さんの小説は独特のリズムで文章を刻んでいるので、小説が苦手な方もおすすめです。心理描写が上手く、感情移入もしやすく、小説のテーマも家族など身近なテーマが多いので話の長い作品でも小説の世界に入り込むことができるでしょう。じっくり腰を据えて小説世界に入り込みたい方は長編小説を読む事をおすすめします。
短編小説
日々忙しくてまとまった読書時間が確保できない方や、すきま時間を使って本を読みたい方は短編小説を読む事をおすすめします。 短編小説であれば一作品読むのに時間がかかりませんし、西加奈子さんの作品は文章が読みやすく、表現もユーモアに溢れているので読む時間がさらに短く感じるでしょう。

映画化された作品を選ぶ
「きいろいゾウ」は西加奈子さんの小説でも人気のある作品で、その人気から映画化された作品です。宮崎あおいさんが出演した作品ということもあり映画も大ヒットしました映画では、小説では書かれなかったエピソードやオリジナルストーリーが盛りだくさんですので、小説と映画を見比べても新鮮な気持ちで楽しめるでしょう。映画がきっかけで原作を読んで見ると小説が好きになったとという方も多いので、小説が苦手な方は映画を見た後に原作を読んで見るのをおすすめします。

文学賞受賞作品を選ぶ

直木賞
西加奈子さんは「サラバ」で直木賞を受賞しています。「サラバ」は主人公の歩の一人称小説であり、上下巻に分かれるの長編小説です。序盤では赤ちゃんの歩の視点で物語は進んでゆき、奇抜な展開で序盤から心をわしづかみにしていきます。歩と歩の姉の姿を自分の姿に照らし合わせるほど心理描写がうまく人生について考えさせられる作品です。直木賞は娯楽文学が受賞される賞ですし、日本で有名な賞です。「サラバ」はその直木賞受賞作ですので、西加奈子さん作品を読むのに何を読むのかを悩んでいる方に是非読んでほしい作品です。

織田作之助賞受賞
織田作之助賞は大阪生まれの作家、織田作之助の生誕70年を記念して創設されました。西加奈子さんは「通天閣」で織田作之助賞を受賞しています。「通天閣」は冬の大阪ミナミを舞台にしています。勢いのあるリズム感のある文章に心理描写が丁寧に描かれています。ストーリーは、救いのない人生にささやかな暖かい希望の光を灯す再生の物語と名ています。西加奈子さんが受賞した時期は、関西に関わりのある作品が対象だったため、大阪を舞台にした良品が読みたい方にはおすすめな作品です。
口コミで選ぶ
どの作品を読むかを悩まれている方は口コミを参考に選ぶといいでしょう。口コミで評判の良い作品は万人に面白いと思われている作品といえますし、口コミの内容で自分のあった作品を選ぶことができるでしょう。また、「王様のブランチ」の文芸コーナーや「アメトーク」の読書芸人でも紹介されています。
西加奈子の小説のおすすめまとめ
今回は西加奈子さんのおすすめ作品と作品の選び方について紹介してきました。西加奈子さん親しみやすく感情移入しやすいストーリーとリズム感のあるユーモアのある文章に虜になること間違いないでしょう。今回の紹介で西加奈子さんの魅力が伝われば幸いに思います。
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