貴志祐介さんをご存知ですか。いくつもの賞を受賞したことがある人気作家の1人です。もしかすると貴志祐介さんの作品をよく読むという方の中には、ホラーやミステリーのイメージを持ってる方も結構おられるのではないでしょうか。貴志祐介さんは、実は幅広いジャンルで本を出されています。今回は、ジャンル、メディアミックス、小説の長さ、受賞作品を基準に貴志祐介さんのおすすめ作品をご紹介いたします。
おすすめの小説家貴志祐介とは
貴志祐介さんといえばどんな作品が頭に浮かびますか?『悪の教典』『青い炎』『新世界より』というタイトルを知っているという方は多いのではないでしょうか。どの作品も貴志祐介さんを代表する非常に有名な作品です。貴志祐介さんは1996年の日本ホラー小説大賞でデビューをしていますが、実は1986年に岸祐介という名義でハヤカワ・SFコンテストの入選経験があります。
2022年最新の貴志祐介の小説
『罪人の選択』
~内容~
2年半の沈黙を破り、満を持して世に放つ貴志祐介ワールド全開の作品集。
最新SF「赤い雨」は、パンデミックが起きたときあらわになる人間の本性を描いた、今読むべき一作。
表題作は、著者自身が「ここまで強いテンションを維持した作品は、書いたことがありません」と断言する手に汗握るミステリー。
人間の愚かさが絶望で世界を塗りつぶすとき、希望が一筋の光となって未来を照らし出す。(Amazonより)
価格 | 1760円 |
ジャンル | 短編集 |
著者 | 貴志祐介 |
ページ数 | 321ページ |
貴志祐介の小説のおすすめ人気比較ランキング
17位:極悪鳥になる夢を見る
~内容~
これを読まずして貴志祐介は語れない!『黒い家』『悪の教』『新世界より』『鍵のかかった部屋』……あの緻密な作品群を生み出した知性の意外な素顔とは。ホラー、ミステリ、SFなど幅広いジャンルにわたって、挑戦的な作品を書き続けている著者による、デビュー以来の全エッセイから精選したエッセイ集。作家としての思索や社会への提言のみならず、ある時は、小説もびっくりのホラーな出来事を、ある時はブラックなユーモアを、ある時は謎の日常生活を、ある時は溢れる野球愛を、絶妙な文章で綴っています。謎多き“エンターテインメントの革新者”を、より知るための一冊。文庫特別収録として、韓国での講演会の原稿「文学におけるヒューマニズムと悪について」収録。エンターテイメント作品という立ち位置の中で、なぜ大量殺戮などを描くのかが、明晰に述べられた名講演です。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 737円 |
ジャンル | エッセイ |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 261ページ |

“私は貴志祐介さんのファンです。緊張感たっぷりの恐ろしくも素晴らしい文章を書かれる貴志さんが、どのようなエッセイを書かれるのか気になりましたので購入しました。貴志さんの文章の特徴として”淡々と描かれた狂気”が1つ挙げられると思います。ありふれた描写の中に、さりげなく狂った一節が書き込まれています。それに触れたときの「ほぅほぅなるほどね。。。んん??」という感覚が私は大好きです。伝わりますかね。。。このエッセイでも、その感覚は楽しめました。特に「全然気にしてないですよ。ただ、○○は地獄の業火に焼かれて滅べば良いと思います。」というような一節がツボにはまりました。かなり笑った。貴志さんらしい文章で彼のことを知られるので、私はとても楽しめました。個人的に嫌だったのは、野球関連の文章に熱が入りまくっていることですかね。申し訳ありませんが、野球好きでない私からすれば、そこの部分が面白くなかったです。
“amazon.co.jpより
16位:罪人の選択
~内容~
「夜の記憶」―『十三番目の人格―ISOLA―』『黒い家』の本格デビュー前に書かれた貴重な一編。貴志祐介ワールドの原点!「呪文」―『新世界より』の刊行後ほどなくいて発表された短編。惑星「まほろば」で何かが起きている…。「罪人の選択」―「罪人」の前に出されたのは、一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。果たして正解は?「赤い雨」―新参生物のチミドロによって、地球は赤く蹂躙された。スラム出身の瑞樹はRAINの治療法を探る。最新SF!
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1760円 |
ジャンル | SF小説 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 321ページ |

“かなり寡作な作者さんですので待望の新刊です。過去に連載した4作を掲載した短編集ですがどれも期待に違わぬ面白さで、1987年とかなり過去の作品が読めるのも嬉しいです。物語はホラーよりもSF寄りで、『新世界より』に通ずるような話もあり個人的にはこれが一番でした。ただし長編のような物語の重みや厚みを求めると少し違うかもしれません。サラッと読める貴志作品としてはかなりおすすめです。
“amazon.co.jpより
15位:ミステリークロック
~内容~
人里離れた山荘での晩餐会。招待客たちが超高級時計を巡る奇妙なゲームに興じる最中、山荘の主、森怜子が書斎で変死を遂げた。それをきっかけに開幕したのは命を賭けた推理ゲーム!巻き込まれた防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、時間の壁に守られた完全密室の謎に挑むが…(「ミステリークロック」)。表題作ほか計2編収録。『コロッサスの鉤爪』と2冊で贈る、防犯探偵・榎本シリーズ第4弾。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 726円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 288ページ |

“なんといっても「コロッサスの鉤爪」が凄いです。小笠原諸島沖の海上という遮る物がない開けっ放しの密室。なんて逆説的で魅力的な謎なんだろうと思って読んだのですが、解決編が素晴らしく論理的でしかも、予想外のショッキングな現象に思わずびっくり。表題作の「ミステリークロック」は、複雑すぎて完全には理解できなかったんですが。粒が揃った短編集だと思います。”amazon.co.jpより
14位:エンタテインメントの作り方 売れる小説はこう書く
~内容~
エンタテインメント小説の書き方には、明確なルールがある。数々の文芸賞を受賞し、『黒い家』『悪の教典』など、映像化作品も多数生み出した人気小説家・貴志祐介が、“売れる小説”の創作テクニックを余すところなく開示。読めば小説の書き方が劇的に変わる、小説家志望者なら、必ず読むべき、目からウロコの「小説の書き方」論。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 880円 |
ジャンル | 仕事術 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 240ページ |

“貴志さんの小説は好きで10数年前から読んでいました。
小説を書く上でのマインド的な所からプロットの書き方、アイデアのストックと熟成の必要性、文章の客観的な向上…等々、リアルなヒントが書かれています。ミステリーやファンタジーの小説を書いてみたいと思う人にとって読んで損はないと思います。
“amazon.co.jpより
13位:雀蜂
~内容~
11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まった―。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!
(「BOOK」データベースより)
価格 | 572円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 236ページ |

“角川ホラー文庫を買い漁ってる者の意見としては、単純に読みやすく、状況も想像しやすく、逐一予測を裏切る展開や謎解きのカタルシスも高水準で、これ単体でなら皆にオススメ出来る面白い作品です。特に角川ホラー短編好きの同士に薦めたい。
ただ、ファンが貴志祐介さんの作品に求めている何かに届いているかは判断が難しいです。個人的に本作は良い感じでした。私は「クリムゾンの迷宮」と「天使の囀り」「ISOLA」のファンで、「悪の教典」や「黒い家」等が好みじゃ無かったのですが、同意してくれる人も完全に真逆のファンも沢山居て、いわば作者のファン同士でも割れすぎてまともな評価にならないので、基本的に作者の他の作品と比べているレビューはあまり鵜呑みにしないほうが良いと思います。この私のレビューも含めて。
唯一、本作で決定的に誰もがマイナス評価を付けるのが裏表紙や商品説明にあるあらすじです。日本版だけダサくなる映画のポスターみたいに広報が作品の質を下げる流れが小説にまで来たかと思うと非常に残念です。恐らく低評価レビューの数割にはあらすじアオリからの肩透かしという悪影響もあると思います。あらすじだけで星一個減らす勢いでしたが、単体作品への正当な評価として、かつファン感情もなるべく抑えた出来る限り公正な評価で星5にしました。
“amazon.co.jpより
12位:我々は、みな孤独である
~内容~
探偵・茶畑徹朗の元にもたらされた、「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」という不可思議な依頼。前世など存在しないと考える茶畑と助手の毬子だったが、調査を進めるにつれ、次第に自分たちの前世が鮮明な記憶として蘇るようになる。果たして犯人の正体を暴くことはできるのか?
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1870円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 角川春樹事務所 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 416ページ |

“惜しい。狙っている線(ミステリー、ハードボイルド、SF、ホラー、スプラッター、ドタバタ、不条理等のごった煮)は分かるが、やはり感傷的すぎる。もっと残酷なぐらいにドライな方が良い。それに、オチが弱い。ていうか、そもそも話が終わっていない。正木会長どこ行った。本質的にミステリー作家ではないので、本作がミステリーでないのは何ら問題無いが、それにしてもこれはない。読者を信頼しすぎている。やはり全盛期を過ぎたのだろうか。もう、かつてのような至高の作品群は読めないのかもしれない。でも、久しぶりに長編を、しかも最後まで飽きずに読める長編作品を書いてもらったというだけで、とても嬉しい。今後は、超傑作「新世界より」をピークとして、年々衰えていく作品を読んでいくことになるのかもしれないが、それでも貴志先生の作品を読めるだけで、無条件に嬉しい。だから満足。”amazon.co.jpより
11位:ダークゾーン
~内容~
「戦え。戦い続けろ」プロ将棋棋士の卵・塚田は、赤い異形の戦士と化して、闇の中で目覚めた。突如、謎の廃墟で開始される青い軍団との闘い。敵として生き返る「駒」、戦果に応じた強力化など、奇妙なルールの下で続く七番勝負。頭脳戦、心理戦、そして奇襲戦。“軍艦島”で繰り広げられる地獄のバトル。圧巻の世界観で鬼才が贈る最強エンターテインメント!
(「BOOK」データベースより)
価格 | 283円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 祥伝社 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 287ページ |

“クリムゾンの迷宮を読んでから好きになり、この方の作品を何点か読むようになりました。個人的には、この方の作品はすっきりとした文章でとても読みやすいと思います。本作品もそうで、いつの間にか主人公と一体化して、冷や汗をかくような臨場感を味わえます。
しかし、この方の作品に登場する女性達には人としての魅力を感じず、イライラする事があります。そんな事を思うのは私だけかもしれません。
“amazon.co.jpより
10位:狐火の家
~内容~
長野県の旧家で、中学3年の長女が殺害されるという事件が発生。突き飛ばされて柱に頭をぶつけ、脳内出血を起こしたのが死因と思われた。現場は、築100年は経つ古い日本家屋。玄関は内側から鍵がかけられ、完全な密室状態。第一発見者の父が容疑者となるが…(「狐火の家」)。表題作ほか計4編を収録。防犯コンサルタント(本職は泥棒?)榎本と、美人弁護士・純子のコンビが究極の密室トリックに挑む、防犯探偵シリーズ、第2弾。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 748円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 368ページ |

“「硝子のハンマー」の泥棒探偵が出てくる短編作品です。おもしろかったですが……「黒い家」や「青い炎」の貴志さんを期待していると、肩すかしかなと思います。軽く、お手軽に読める、ホラーミステリといった感じです。実際にはどうなんだろう……と思いつつも、蜘蛛の話は予想外で目が点になりました。
ミステリを求めると、リアリティが……といわれそうですが、泥棒探偵のキャラクタと絶妙のホラー要素が混じっていて、楽しく読みました。泥棒探偵の三作目、期待しています!
“amazon.co.jpより
9位:鍵のかかった部屋
~内容~
元・空き巣狙いの会田は、甥が練炭自殺をしたらしい瞬間に偶然居合わせる。ドアにはサムターン錠がかかったうえ目張りまでされ、完全な密室状態。だが防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、これは計画的な殺人ではないかと疑う(「鍵のかかった部屋」)。ほか、欠陥住宅の密室、舞台本番中の密室など、驚天動地の密室トリック4連発。あなたはこの密室を解き明かせるか!?防犯探偵・榎本シリーズ、第3弾。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 748円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 368ページ |

“毎回ながら、情報量と知識の詰まり具合は”流石”だと思う。 貴志祐介氏は、あらゆるジャンルにアンテナを張り巡らせて、大量の情報を収集してるのだと思う。それを小説に練り込み、ひとつひとつの作品に生かした緻密さは完璧だと感じる。 四本の短編集なのだけど、まず一本目、二本目と貴志祐介氏の真面目さがよく(良い意味で)出てる気がする。 犯人はわかっているのに、そのトリックを見破るまでの読ませるテクニックは毎回ながら流石で、飽きさせない。なにより、クラシカルな内容(トリック)なのだろうと思いきや中身をきちんと見れば奇抜で、暴かれるときは”こんな方法だったのか..”と驚かされた。 ここまでのトリックだと逆にすっきりする。 犯人が殺人を犯した心理的なものも純粋で、無駄な描写も省かれてる点は、逆に好感が持てた。描写などなくても、純粋な殺人故に予想がつくし、読者を冷めさせない。 三本、四本目は、最初の一、二本目とはまた違った新鮮を感じて、こちらは貴志祐介氏の遊びを感じた。 四本目は、なぜだか泡坂●夫の作風のようで、少し違和感を感じたけど、これも読者を飽きさせないようにされているのかも。 鍵というキーワードでここまで楽しませてもらえるとは思わず、このコンビ(青砥&榎本)も面白い。 ところで、ここまで鍵について詳しい&書けるなら、貴志祐介氏もこの小説の榎本のようなテクニックがあるのだろうか。 とても気になる。”amazon.co.jpより
8位:硝子のハンマー
~内容~
ミステリー界を仰天させた完璧無比の密室トリック、ついに文庫化!
日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が逮捕されて……。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、難攻不落の密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。月9ドラマ『鍵のかかった部屋』原作!(Amazonより)
価格 | 968円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 608ページ |

“榎本が、合理的かつ実際的に犯行手口を絞り出していく過程は、実に面白い。のだが、犯人が殺意を抱いた経緯が理解に苦しむのである。これ程知能と技術に長けた犯人ならば、不正義な財産を窃取することと、殺人のリスク衡量を誤るはずがないように思えるのである。しかしながら、淀みなく防犯の知識を展開する榎本には、一種のアンチヒーローの趣を感じ、その過去、暗躍が伏せられていることから、エンターテイメントとしては良作であるとおもう。
“amazon.co.jpより
7位:天使の囀り
~内容~
北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 880円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 角川ホラー文庫 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 526ページ |

“色々な意味でえげつない小説です。昔読んだ事があったのですが、キンドルで再読しました。ホラーの中では一線を画す作品だと思っています。リアリティとフィクションのバランスが見事だと思います。
「天使の囀り」の正体と、囀りを聞いた人間の末路も当然ホラーですが、私が一番心に来るのは、自称ライターのゲームオタクが、「天使の囀り」を聞いて、やる気を出して書いた批評文です。論理のかけらも無い文章を傑作だと喜んでいるのは薄ら寒い気持ちになります。
巧みな情景描写と調査に基づいた背景のおかげで、ついつい「怖い物見たさ」でページを繰ってしまう所が、この作品のテーマとも合致しているような気がします。”amazon.co.jpより
6位:悪の教典
~内容~
とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか?
晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAから信頼され彼らを虜にしていた。そんな〝どこから見ても良い教師〟は、実は邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。少年期、両親から始まり、周囲の人間をたいした理由もなく次々と殺害してきたサイコパス。美形の女生徒をひそかに情婦とし、同僚の弱みを握って脅迫し、〝モリタート〟の口笛を吹きながら、放火に殺人にと犯行を重ねてゆく。
社会から隔絶され、性善説に基づくシステムである学校に、サイコパスが紛れこんだとき――。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作長編。
デビュー以来、著者のテーマである〝心を持たない人間〟を中心に据えたピカレスクロマン。「悪の教典」を現在とするならば、その過去にあたる「秘密」、未来にあたる「アクノキョウテン」の小話も併録。解説は三池崇史(映画監督)(「BOOK」データベースより)
価格 | 825円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 467ページ |

“この著者は作品によって多少文体を変えるのですが、本書は非常に読みやすいよう平易な文体を心がけているようです。おかげですらすらと読み進められます。
映画を観てしまったから、という人は勿体ないので小説の方をお読みになることをお勧めします。サイコパスである教師の内面から描いており、よくあるミステリの他者からの視点による化け物描写でないことが、この作品の緊張度を高めていると思います。教師間の人間関係も映画にあったようなチャチなドラマ調でなく、もっと社会人的で現実的です。こうした積み重ねがあるからこそ下巻のスリルに生きてくるのだと思います。
“amazon.co.jpより
5位:青の炎
~内容~
櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを…。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 836円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 496ページ |

“貴志さんの作品は何作も読まさせて頂いていますが、1番好きな作品です。ジャンルとしてはミステリーと言われていますが、犯人が分かっているためサスペンスのような要素があります。
家族想いの男子高校生が巻き込まれる事件、ハラハラしてそして切ない、そんな作品。ノンストップで読み終えてしまいました。
“amazon.co.jpより
4位:新世界より
~内容~
1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力」を得るに至った人類が手にした平和。念動力の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた…隠された先史文明の一端を知るまでは。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 990円 |
ジャンル | SF小説 |
出版社 | 講談社文庫 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 488ページ |

“貴志祐介といえば、メディア化されている[悪の教典]が有名ですが、書店員としてのおすすめは断然こちらになります。実際著者が作品制作に掛けた年月を考えても、こちらの方が力が入っているといえるのではないかと思います。上中下の3冊というのはとっつきにくさを感じるかもしれませんが、この物語はSF設定の上でのエンターテインメント小説で、あれよあれよとページが進んでいきます。一度読み始めてしまえば、「この前上巻を読み終わった」と思ったらすぐに全部読み終わってしまっていることだと思います。下巻のあとがきにもありますが、貴志祐介さんはこの作品をSF初心者でも楽しめるようにという考えを持って制作していますので、ここからSFを始めてみようという方にもおすすめです。”amazon.co.jpより
3位:クリムゾンの迷宮
~内容~
戦慄の新感覚ゲームノベルが、新装丁・コレクターズアイテム版で再登場! !藤木はこの世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を覆う、深紅色の奇岩の連なり。ここはどこだ?傍ら携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」
(Amazonより)
価格 | 748円 |
ジャンル | SF小説 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 393ページ |

“クローズドサークルのデスゲームものです。もう何回も読んでいますが、そのたびに文章に引き込まれるのは、読みやすい文章と、自分との相性があっているなのか?と思っています。暇つぶしに何か読みたいと思っている方、損はさせないので一度読んでみてください。バトル・ロワイアル、インシテミルなどが好きな方には特におすすめです。
“amazon.co.jpより
2位:十三番目の人格 ISOLA
~内容~
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、彼女は身も凍る思いがした。第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 748円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 401ページ |

“まさか磯良がそういう事だなんて!すっかり騙されてしまいました。ラストが1番怖かったです。ゾッとしました。多重人格ものは数あれど、この作品はさらに一捻りも二捻りもある気がします。多重人格障害は辛い目にあっている自分を守るために自分ではない別の人格を作り出す病と聞くけれど…自分を守ってくれる人格だけならいいけれど、そうでなければあまりにも怖いです。
オリジナルの自分の意識が無くなってしまいそうな怖さもある。主人公の女性の能力も、生きていくには辛すぎるんだろうなと思います。こういう能力というのは本当に存在するのかは未知ですが、彼女の能力あってこそのこの作品。ラストの主人公の恐怖は計り知れないだろうと思います。読み応えがありました!!
“amazon.co.jpより
1位:黒い家
~内容~
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 748円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 貴志 祐介 |
ページ数 | 392ページ |

“なんとなくリングの映画を久しぶりに見たんだが、感想は「怖いには怖いが昔ほどでは…」って所だった。恐怖が薄らいだように感じた原因は結局の所、フィクションだから。呪いなんて現実には起こりえない。ホラー劇を安全地帯から眺めているからだ。(リングを叩く意図はないですよ、本当にw)
で、その流れで黒い家の小説を読んでみたわけだが、怖い怖い!なんとなく大したことないんだろうなと高をくくっていたが、中盤から嫌な空気が漂い始め、真犯人が判明して以降は、もう死屍累々。連続殺人と書くとホラーや推理小説では定番のネタだが、以前の作品がここまで恐怖を前面に出せていたかというと否と言えるのではなかろうか?
なぜここまで怖かったかと言うと、現実に起こっても不思議ではない気がしてしまうからだ。生命保険という制度は日本に定着しているし、保険金目当ての殺人も現実として起こっている。保険金絡みでなくても、国内でも1日1人位は殺人にあう。連続殺人なんて、近年では尼崎や座間の事件など、他山の石と言いにくい時代になってきた。包丁なんて、10分位もあれば誰でも手に入る(はず)。カッターなら最寄りのコンビニでも売っている。これらのことを考えると、いつ事件に巻き込まれても不思議ではない気もしてくるのだ。
「黒い家」の出来事は言わずもがなフィクションではある。実際、作中の犯人の手口など、もっと早く捕まっても不思議ではないというツッコミは入れられる。だが今の御時世を考えると、「ノンフィクションにもなりかねないな…」と嫌な妄想を掻き立てられてしまうのだ。この小説の最後に他の保険金殺人者が現れる描写があるが、こういう人間は我々の知らぬところで普遍的に存在しているのではという疑念を抱かざるを得なくなった。「はたして自分は安全地帯からこの小説を眺めているのだろうか?」一抹の不安を感じざるをえなかった。
「ホラーは幽霊・超常現象もの!」「ただの人から人への殺人でしょ?」という人にはおすすめできない。ノンフィクションが好きな人はおすすめ。20年前の古い作品だが、今の時代にも通じる内容だ。ぜひともおすすめしたい。
“amazon.co.jpより
貴志祐介の小説のおすすめの選び方
ジャンルで選ぶ
ホラー小説
普段ホラーをよく読むという方は、貴志祐介さんの名前をご存知なのではないでしょうか。貴志祐介さんは日本ホラー小説大賞受賞を経て、作家デビューをしています。デビュー作がホラー作品なので、貴志祐介さんといえばホラー小説だと思う方も少なくありません。貴志祐介さんのホラーは物理的な怖さというよりは人間の奥深くにある狂気による怖さを表立たせた作品が多いです。人間のドス黒さが効いた作品を読みたいという方におすすめです。

SF小説
貴志祐介さんはSF作品でも受賞経験があります。貴志祐介さんの描くSF作品は細部にまで凝った作りをしており、SFと現実の境目が非常に曖昧です。思わず、未来で同じようなことが起きるかもしれないと感じてしまうかもしれません。リアリティのあるSF作品を読みたいという方にぴったりです。貴志祐介さんの作品をぜひ読んでみて、近未来についてあれこれ考えてみるのはいかがでしょうか

ミステリー小説
普段ミステリー作品を読むという方も、貴志祐介さんをご存知な方が多いのではないでしょうか。その年の優れたミステリー作品を選ぶ日本推理作家協会賞を受賞したこともあるため、ミステリー作品でも名高い人気を誇っています。様々なミステリー作品を出されていますが、中でも「青い炎」がおすすめです。この作品は他のミステリーとは違い、犯人目線で物語が進行していきます。見方が変われば話の捉え方も変わってきますよね。よくミステリーを読むという方に特におすすめです。いつもとは少し違った視点からミステリーを楽しんでみてください。

エッセイ
「極悪鳥になる夢を見る」という作品は、ブラックユーモアが効いた読み応えのあるエッセイ集です。社会に対して物申す内容だけでなく、貴志祐介さんのゆるっとした日常生活や作品についてなどがエッセイとして綴られており、ピリッとした空気とゆったりとした空気が楽しめます。貴志祐介さんファンの方はホラーやミステリーなどの刺激的な作品をよく読まれる方が多いかもしれませんが、貴志祐介さんの世界観が細部にまで行き届いた作品なのでぜひ手に取ってみてください。
ハウツー本
小説執筆のポイントをまとめたハウツー本を出されています。小説家を夢見る方には有難い本ですよね。どういった小説がヒットを生み出すか、どう言った文章が読みやすいかなどを分かりやすく教えてくれています。アイデアをどうやって出すかも書いてあるので、非常に参考になります。小説家を目指しているけど、どうすればいいか分からないという方はぜひ読んでみてください。
メディアミックス作品を選ぶ
ドラマ化
貴志祐介さんの作品でこれまでにドラマ化された作品は「鍵のかかった部屋」です。原作とドラマで、メイントリックは同じですがキャラクターの描かれ方が違うなど、原作とドラマで少々見方が異なってきます。ドラマだと犯人が絞りやすくなってしまうので、先に原作を読むことをおすすめします。予想外の犯人に驚く展開があるかもしれません。

アニメ化
これまでにアニメ化した作品は「新世界より」になります。映像化不可能と言われてきた壮大な世界観が美しい映像を伴ってアニメ化しました。細部にまで凝られた世界観が、音や映像が加わることでさらに壮大な世界観に仕上がっています。視覚で楽しめる美しい世界観を楽しむことができますのでぜひ、原作を読んでからアニメも観てみてください。

漫画化
貴志祐介さんの作品はこれまでに「ISOLA 多重人格少」「青の炎」「新世界より」「悪の教典」「クリムゾンの迷宮」が漫画化しています。漫画化作品は特にあまり本を読まないという方におすすめです。漫画と原作で違う点もありますのでどちらも読んでみて相違点を探してみるというのも良いのではないでしょうか。

小説の長さで選ぶ
長編小説
貴志祐介さんの作品はジャンルも長さも多岐に渡りますが、中でも「新世界より」は1000ページを超える長編の中の長編作品です。あまりにも長いと読むのが大変だから手に取りづらいと思う方も多いかもしれませんが、貴志祐介さんの作品は細部にまでこだわった作りをしているので飽きることなく、文章も非常に読みやすいので、長編を読み切れるか心配という方でも楽しく読むことができます。
短編小説
読書が苦手という方や集中力がもたないという方には短編がおすすめです。ドラマ化もされた貴志祐介さんの人気シリーズである防犯探偵シリーズの一つに「狐火の家」という短編集があります。4作品が1つの作品になっており、気軽にテンポ良くスラスラと読むことができます。短編でも貴志祐介さん凝ったトリックを読むことができますので、小説が苦手な方だけど何かを読んでみたいという方はぜひ短編から読んでみてください。
文学賞受賞作品を選ぶ

日本ホラー小説大賞
日本ホラー小説大賞は1994年から2018年までの24年間、25回に渡り開催されていた公募新人文学賞です。この賞では、恐怖を通して人間の闇と光を描いた才能豊かな書き手が選出されます。貴志祐介さんは「十三番目の人格ISORA」という作品で第3回の佳作、「黒い家」という作品で第4回の大賞を受賞しています。コンセプトにあるように、人間の闇と光を描いている作品が選ばれていますので、人間の奥底にある闇を感じたい方は日本ホラー小説大賞から作品を手に取ってみてはいかがでしょうか。

日本推理作家協会賞
日本推理作家協会賞は、日本推理作家協会によって、その年の最も優れた推理小説に贈られる賞です。この賞は、一度受賞した作家が再受賞されることは禁止されていますので、例外なく貴志祐介さんの受賞作品も一作のみです。貴志祐介さんは「硝子のハンマー」という作品で受賞しています。貴志祐介さんのミステリーが読みたいけどどれから読めばいいか分からないという方は、日本推理作家協会賞を受賞した「硝子のハンマー」から手にとってみてはいかがでしょうか。
日本SF大賞
日本SF大賞は、日本SF作家クラブが主催している賞です。年一回、その年に発表された作品の中から選出されます。貴志祐介さんはあの有名な「新世界より」で第29回日本SF大賞を受賞しています。受賞作品は本だけでなくアニメや漫画などあらゆるジャンルから選出されますので、まさにその年の日本のSF作品の頂点と言える作品が選ばれます。SF作品が好きだという方はぜひ、こちらの日本SF大賞受賞作品である「新世界より」を読んでみてはいかがでしょうか。

貴志祐介の小説のおすすめまとめ
いかがでしたでしょうか。貴志祐介さんは有名なホラーやミステリーだけでなく、幅広いジャンルで活躍されているので、自分の好きなジャンルからお手に取って、貴志祐介さんの世界観に浸ってみてはいかがでしょうか。非常に面白いので、普段お手にとらないジャンルにもぜひ手を伸ばしてみてください。
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