「きらきらひかる」などで著名な江國香織さんはその女性らしい繊細で柔らかな作品で数々の文学賞を受賞され、また多くの作品が映像化されています。文学賞を受賞した作品や映像化された作品にはハズレがなくどれも面白いものばかりですが、そういった作品以外のものもまた私たちの心を揺らし温めてくれるそんな暖かい作品ばかりです。
今回はそんな江國香織さんの魅力とその作品の数々をご紹介していきます。既に江國香織さんをご存知の方もよく知らないという方も是非ご覧になってみて、気になるものがあればご一読下さい。
- おすすめの小説家江國香織の魅力とは
- 2023年最新の江國香織の小説
- 江國香織の小説のおすすめ人気比較ランキング
- 30位:抱擁、あるいはライスには塩を
- 29位:ナナイロノコイ
- 28位:とるにたらないものもの
- 27位:こうばしい日々
- 26位:なつのひかり
- 25位:すきまのおともだちたち
- 24位:ぬるい眠り
- 23位:流しのしたの骨
- 22位:金米糖の降るところ
- 21位:思いわずらうことなく愉しく生きよ
- 20位:がらくた
- 19位:ぼくの小鳥ちゃん
- 18位:赤い長靴
- 17位:いつか記憶からこぼれおちるとしても
- 16位:ホリー・ガーデン
- 15位:ウエハースの椅子
- 14位:草之丞の話
- 13位:流しのしたの骨
- 12位:すいかの匂い
- 11位:間宮兄弟
- 10位:ホテルカクタス
- 9位:落下する夕方
- 8位:神様のボート
- 7位:薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木
- 6位:冷静と情熱のあいだ Rosso
- 5位:つめたいよるに
- 4位:東京タワー
- 3位:きらきらひかる
- 2位:号泣する準備はできていた
- 1位:彼女たちの場合は
- 江國香織の小説のおすすめの選び方
- 江國香織の小説のおすすめまとめ
おすすめの小説家江國香織の魅力とは
江國香織さんの魅力はなんといっても作品から伝わる温かな雰囲気にあります。1964年東京都新宿区で生まれた江國香織さんは短大を卒業しアメリカへの留学を経て1989年に短編集「つめたいよるに」を刊行してデビューを果たしました。小説家、児童文学作家、翻訳家、詩人とマルチに活躍している江國香織さんは繊細な表現とみずみずしい感性で様々なジャンルの作品を手がけています。
名言とも言える心にじんわりと広がるような言葉が度々登場し、子供から大人までオススメできるとても素敵な魅力の詰まった作品を多く執筆されています。
2023年最新の江國香織の小説
『去年の雪』
~内容~
この本を読んでいる時、あなたはひとりじゃない。
自由自在に時空をまたいで進む物語は、100人以上の登場人物の日常が織り込まれたタペストリーのよう。覗いているうちに、読者もまた、著者の作り出す世界の住人になってしまう。そして、思いもよらぬ地平へと連れてゆかれる。江國香織小説のエッセンスが最大限に味わえるファン待望の一冊です。
(Amazonより)
価格 | 1760円 |
ジャンル | 文芸作品 |
著者 | 江國香織 |
ページ数 | 280ページ |
江國香織の小説のおすすめ人気比較ランキング
30位:抱擁、あるいはライスには塩を
~内容~
東京・神谷町の広壮な洋館に三世代十人で暮す柳島家。子供たちは学校に通わず家庭で教育されていたが、ある日とつぜん、父親の提案で小学校へ行くことに。次女の陸子はそこで知るのだった。叔父や叔母との同居、父親の違う姉と母親の違う弟の存在などは、よその家では「普通」ではないらしいということを―。世代をこえて紡がれる、風変りな一族の愛と秘密。江國香織の新たなる代表作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 660円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 集英社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 352ページ |

“長編だけれどすぐに引き込まれて長いとは感じなかった。なんて風変わりで魅力的な一族。現代小説はあまり2度読むことはないのだけれど、この本はまた読む気がする。1度目と2度目では違った味わいがある気がする。そんな本。
“amazon.co.jpより
29位:ナナイロノコイ
~内容~
愛をおしえてください。恋の予感、別れの兆し、はじめての朝、最後の夜…。恋愛にセオリーはなく、お手本もない。だから恋に落ちるたびにとまどい悩み、ときに大きな痛手を負うけれど、またいつか私たちは新しい恋に向かっていく―。この魅力的で不思議な魔法を、いまをときめく七人の作家がドラマティックに贅沢に描いた大好評恋愛小説アンソロジー、待望の文庫化。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 545円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 角川春樹事務所 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 212ページ |

“七人の女性作家による恋愛短編小説。恋にどっぷりってのじゃなくって、ちょっと大人の恋のお話が多い。障害があったり、苦しい思いをしたって、やっぱり恋っていいなって思ってしまう。私は唯川恵さんのが一番好き。最後のほうはぐっと来てしまった。でも、どれも読んだあとほわっと心が温かくなる。このかんじって、山田詠美さんの風味絶佳と似てる気がする。”amazon.co.jpより
28位:とるにたらないものもの
~内容~
とるにたらないけれど、欠かせないもの。気になるもの。愛おしいもの。忘れられないもの―。輪ゴム、レモンしぼり器、お風呂、子守歌、フレンチトースト、大笑い…etc.。そんな有形無形の身のまわりのもの60について、やわらかく、簡潔な言葉でつづられている。行間にひそむ想い、記憶。漂うユーモア。著者の日常と深層がほのみえる、たのしく、味わい深いエッセイ集。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 550円 |
ジャンル | エッセイ |
出版社 | 集英社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 200ページ |

“江国さんの言葉には、私はしばしば打ちのめされ、そして安堵感を感じることがあります。このエッセイは、特に、一番最後の「いいのだ、ということ」で、ガツンと、確信的な安堵感を感じました。
と、同時に、敬愛するサン・テジュクリペ氏の言葉を思い出し、さらにガツンと、打ちのめされました。一番最後のエッセイだけでも、読んでみる価値はあります。自分が子供であったことを忘れているあなたに。
“amazon.co.jpより
27位:こうばしい日々
~内容~
ウィルミントンの町に秋がきて、僕は11歳になった。映画も野球も好きだけど、一番気になるのはガールフレンドのジルのことなんだ…。アメリカ育ちの大介の日常を鮮やかに綴った代表作「こうばしい日々」。結婚した姉のかつてのボーイフレンドに恋するみのりの、甘く切ない恋物語「綿菓子」。大人が失くした純粋な心を教えてくれる、素敵なボーイズ&ガールズを描く中編二編。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 473円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 177ページ |

“だらだらしながら、この本読んでます。私のだらだらさ加減なら、この本が最適。
アメリカ人って、そうなのか~と何かとTVでアメリカが問題となっておりますが、普通一般の上等なアメリカ人に想いを馳せながら読んでおりました。江国さん、す・て・き♪
“amazon.co.jpより
26位:なつのひかり
~内容~
「私」は来週21歳。ウェイトレスとバーの歌手という、2つのアルバイトをしている。「年齢こそ三つちがうが双生児のような」兄がいて、兄には、美しい妻と幼い娘、そして50代の愛人がいる…。ある朝、逃げたやどかりを捜して隣の男の子がやって来たときから、奇妙な夏の日々が始まった―。私と兄をめぐって、現実と幻想が交錯、不思議な物語が紡がれて行く。シュールな切なさと、失われた幸福感に満ちた秀作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 638円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 集英社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 336ページ |

“ただ不思議な世界を紡ぎだしてるだけじゃないんです。いつかは忘れてしまう時間がある、だけどそれを受け入れなきゃいけない。
そういう大切な事も沢山教えてくれる本なんです。きっと、人生に疑問を感じてる人ならわかる筈です。
“amazon.co.jpより
25位:すきまのおともだちたち
~内容~
庭で育てたレモンの木からレモネードを作り、針仕事で暮らしている「おんなのこ」。両親は最初からなく、車も運転できる古びた「お皿」と住んでいる―。仕事で訪れた街で道に迷い、帰れなくなった新聞記者の「私」は、客として彼女たちにもてなされることになるのだが…。けっして変わらないものが存在し続ける、そんな場所で出会った、小さな女の子との、いっぷう変わった長い長い友情の物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 836円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 集英社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 176ページ |

“ふとした時に、現実の生活から心が離れて出会える世界がメルヘンタッチに描かれています。小さな女の子と擬人化しているお皿との出会いの中で主人公の新聞記者の女性はいろいろな事を学び、お互いに友情が生まれていきます。
題材も内容もとても素敵だったのですが、特に私がお勧めなのはこみねゆらさんの絵です。色合いもいいし、とてもおしゃれな絵で、この本は手元において時々ながめて幸せな気分になりたいと思います。
“amazon.co.jpより
24位:ぬるい眠り
~内容~
半年間同棲していた耕介と別れても、雛子は冷静でいられるはずだった。だが、高校生のトオルとつきあっていても、耕介への想いはじわじわと膨らんでゆく。雛子は、大学四年の夏、かけがえのない恋を葬った(表題作)。新聞の死亡欄を見て、見知らぬ人の葬式に参列する風変わりな夫妻を描く佳編、『きらきらひかる』の十年後を綴る好編など全九編。著者の魅力を凝縮した贅沢なオリジナル短編集。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 605円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 317ページ |

“江國香織が1989年から2002年くらいのあいだに書かれた短篇を集めた、文庫オリジナル短篇集。いや〜江國香織は小説はほぼ読んできたが、これもいい!!何となく、最近の江國香織にはない軽やかさと甘さがあります。こんなに恋愛を書く(この短篇集は恋愛ばかりじゃないが)のがうまい作家も珍しい。彼女はまれな小説家です。こんなに美しくみえる物語が、実はとても滑稽で危険なものだということに気付かないくらい。
「きらきらひかる」の続編も入っていて、これもなかなかいい!!相変わらず野蛮で自由ですね。
思わず笑っちゃうようなおかしさと、ふいに心臓に氷をあてがわれるような切なさが、うまく書ききれています。何かがあるような(本当にそんなものがあるのかもわからないのに)、しずかな文体も健在。ただ、これはちょっと(てか、かなり?)純文学って感じですね。もともとこの人はかなり微妙な位置にいる作家ですしね。直木賞をもらったのに、初期の頃は純文学系の賞も受賞している。でもとにかく、かなりいい短篇集ですね。あとがきとタイトルも突出したうまさがあります。
“amazon.co.jpより
23位:流しのしたの骨
~内容~
いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな‘小さな弟’律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 605円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 310ページ |

“江國 香織の作品の中で最も好きな作品です。とても淡々としていて、読んでる間も後も”心平らか”になります。何度も何度も読み返してしまいます。
“amazon.co.jpより
22位:金米糖の降るところ
~内容~
ブエノスアイレス近郊、日系人の町で育った佐和子とミカエラの姉妹は、少女の頃、恋人を“共有する”ことを誓い合った。姉妹は日本に留学して、佐和子は大学で知り合った達哉と結婚する。ミカエラはアルゼンチンに戻り、父親のわからない娘アジェレンを産む。実は達哉は、佐和子が姉妹で“共有する”ことを拒んだ唯一の男性だった。いまは地球の反対側に住む姉と妹だったが、佐和子は突然、離婚届を残して、アルゼンチンへと旅立つ。後を追う達哉だったが、佐和子には逃避行をともにする若い教え子の田渕がいた。東京から南米ブエノスアイレス、華麗なるスケールで描いた恋愛小説。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 734円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 小学館 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 396ページ |

“アルゼンチン、ワイン、姉妹、自営業の旦那、浮気相手の商社の若者。江國さんワールド全開です。浮気相手が全然かっこよく描かれていないのが、面白いというか、謎。
主人公のよく分からなさは、いつもの江國さんの小説の感じです。どの登場人物にも対して共感できないのに、何度も読んでしまうのは、江國マジック。アルゼンチンでワイン飲んで肉を食べたくなる本です(笑)
“amazon.co.jpより
21位:思いわずらうことなく愉しく生きよ
~内容~
犬山家の三姉妹、長女の麻子は結婚七年目。DVをめぐり複雑な夫婦関係にある。次女・治子は、仕事にも恋にも意志を貫く外資系企業のキャリア。余計な幻想を抱かない三女の育子は、友情と肉体が他者との接点。三人三様問題を抱えているものの、ともに育った家での時間と記憶は、彼女たちをのびやかにする―不穏な現実の底に湧きでるすこやかさの泉。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 770円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 光文社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 396ページ |

“江國さんらしい文体。いつもながらにどんどん引き込まれ、想像させる全体像。3姉妹のそれぞれの生活、性格、背景が周りを取り囲む男性たちによってより濃く描かれています。
痛々しいまでの日常を細かく描写していて、喜びや悲しみというよりもとにかく読み終えたあとに「読んでよかったな」と思える1冊でした。
“amazon.co.jpより
20位:がらくた
~内容~
私は彼のすべてを望んだ、その存在も、不在による空虚さも―。45歳の翻訳家・柊子と15歳の美しい少女・美海。そして、大胆で不穏な夫。彼は天性の魅力で女性を誘惑する。妻以外のガールフレンドたちや、無防備で大人びた美海の心を。柊子はそのすべてを受け容れる、彼を所有するために。知性と官能が絡み合い、恋愛の隙間からこぼれ出す愉悦ともどかしさを描く傑作長編小説。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 649円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 339ページ |

“この作品に出てくる夫婦や、父親、母親、そして恋愛は一般的には(あくまでも一般的に)認められなかったり、稀有な部類に入るのかもしれないけれど、人間として、男と女として、こうであってもいいのではないか、自然な思いなのではないか…と思います。
特に夫婦像については憧れる作品です。江國さんの作品は、なぜだかしっくり肌に馴染みます。
“amazon.co.jpより
19位:ぼくの小鳥ちゃん
~内容~
雪の朝、ぼくの部屋に、小さな小鳥ちゃんが舞いこんだ。体長10センチ、まっしろで、くちばしときゃしゃな脚が濃いピンク色。「あたしはそのへんのひよわな小鳥とはちがうんだから」ときっぱりいい、一番いいたべものは、ラム酒のかかったアイスクリーム、とゆずらないしっかり者。でもぼくの彼女をちょっと意識しているみたい。小鳥ちゃんとぼくと彼女と。少し切なくて幸福な、冬の日々の物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 605円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 136ページ |

“私は男なので「ぼく」に感情移入しながら読みました。すると、「小鳥ちゃん」は「ぼく」の「妹」のような感じがしました。だから、3人は俗にいう「三角関係」ではありません。「小鳥ちゃん=妹」が「ぼく=兄」のガールフレンドにちょっとやきもちをやいてしまう、そういう可愛らしい関係だと思います。なので、スケートの場面がいちばん好きです。本の中で、この場面がいちばん3人が仲良くしている感じが伝わってくるからです。小鳥ちゃんのために靴下を編んであげる「ガールフレンド」も優しくて好きだし、そのスケート靴で無邪気に楽しくスケートをすべる小鳥ちゃんも可愛くて好きです。それから、小鳥ちゃんが「あたしはあなたの小鳥ちゃんよね」と確かめるところも可愛くて好きです。ほかにもたくさんありますが、やはり他の方々同様、読み終わった後、何度もめくり返してしまいました。おすすめです。”amazon.co.jpより
18位:赤い長靴
~内容~
「私と別れても、逍ちゃんはきっと大丈夫ね」そう言って日和子は笑う、くすくすと。笑うことと泣くことは似ているから。結婚して十年、子供はいない。繊細で透明な文体が切り取る夫婦の情景―幸福と呼びたいような静かな日常、ふいによぎる影。何かが起こる予感をはらみつつ、かぎりなく美しく、少し怖い十四の物語が展開する。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 660円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 文藝春秋 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 261ページ |

“他のレビュアーの方も書いていた通り、ずっと娯楽小説の人だと思っていました。けれど、この作品ではいわゆる人間の暗い面(というのが言い過ぎなら、明るくない面)を上手く描いていて、文学の人だったんだーと思い直しました。この小説に出てくる話を聞かない夫は本当にリアルで、作者の夫もこういう人なのかなと想像しました。
恋愛初期のラブラブ気分が抜けた後、多くのカップルにこういう日々が訪れます。今の連れ合いと出会って早12年が経つ私にはすごーくよく理解できました。私の場合、もっとちゃんと話を聞いてもらっていますが、それでも時折感じる、結局は1人だなという孤独感を、この作品はとてもよく映し出しています。でも、この主人公は別れない。にも関わらず、夫のことを愛してるから一緒にいるんだろうと思います。夫婦愛って単純な「好き」ではなく、色々不満はあるけれど「でも、好き」ということなんじゃないかと、あらためて感じました。
“amazon.co.jpより
17位:いつか記憶からこぼれおちるとしても
~内容~
吉田くんとのデートで買ったチョコレートバーの味、熱帯雨林にすむ緑の猫への憧れ、年上の女の細くて冷たい指の感触…。10人の女子高校生がおりなす、残酷でせつない、とても可憐な6つの物語。少女と大人のあわいで揺れる17歳の孤独と幸福を鮮やかに描き出した短篇小説集。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 638円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 朝日新聞社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 213ページ |

“この本には書き下ろしの作品が二点、掲載されています。その内の一つ、最後の話が、江國さんの作品にしては意外でそれでいて江國さんらしさがちゃんとある作品で、かなり印象的でした。同じ学校に通う女子高生達数人の、それぞれのストーリーが淡々と繰り広げられる中で、最後のあの作品。フワフワとした雰囲気を、キュッとしめたというような印象を受けました。小川洋子さんの短編集と似て非なるところもある感じで、私は結構好きです。”amazon.co.jpより
16位:ホリー・ガーデン
~内容~
果歩と静枝は高校までずっと同じ女子校だった。ふと気づくといつも一緒だった。お互いを知りすぎてもいた。30歳目前のいまでも、二人の友情に変わりはない。傷が癒えない果歩の失恋に静枝は心を痛め、静枝の不倫に果歩はどこか釈然としない。まるで自分のことのように。果歩を無邪気に慕う中野くんも輪に加わり、二人の関係にも緩やかな変化が兆しはじめる…。心洗われる長編小説。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 649円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 327ページ |

“ボロボロになるくらい、何度も読み返している本です。心がささくれだっている時ほど読みたくなります。果歩も静枝も、正直で健気で痛々しくて、とてもステキ。
江國さんの作品はどれもそうですが、読んだ後は日常のひとコマひとコマがとても愛おしいものに見えてくるから不思議です。
朝、ご飯を食べて、着替えをして、玄関を出てバス停まで歩く。そんなことまで、何かとても大切な、自分が自分であるための大事な儀式のような気がしてきて、自分や自分の生活がより一層愛おしくなります。お茶碗を洗うことさえ、切なく魅力的に感じてくる。
毎日を丁寧に生活することのステキさを思い出させてくれる本です。そして忙しい毎日に埋もれがちな、素の自分を思い出させてくれ、そんな素の自分を愛おしむことを思い出させてくれる本です。
“amazon.co.jpより
15位:ウエハースの椅子
~内容~
「私の恋人は完璧なかたちをしている。そして、彼の体は、私を信じられないほど幸福にすることができる。すべてのあと、私たちの体はくたりと馴染んでくっついてしまう」―三十八歳の私は、画家。恋愛にどっぷり浸かっている。一人暮らしの私を訪ねてくるのは、やさしい恋人(妻と息子と娘がいる)とのら猫、そして記憶と絶望。完璧な恋のゆく果ては…。とても美しく切なく狂おしい恋愛長篇、遂に文庫化。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 545円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 角川春樹事務所 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 205ページ |

“不倫がテーマに思えるが、私はもっと根源的な「苦」(仏教的な感じがするけど)がテーマに思える。それを表現するのにこの設定にしなくてはならなかった、と思えるほど。この作家の作品を読むのは初めてだったが、あまりの文章の繊細さに何度読み直しても飽き足らない。主人公が自分を生きようとしてもがき、絶望と死への思いに引き込まれすぎて、最後に泣いてしまった。想定外だった。”amazon.co.jpより
14位:草之丞の話
~内容~
母は女優。父は正真正銘の侍で、また幽霊である草之丞。僕は幽霊の息子だったのだ! 草之丞は幽霊だという立場も忘れて、堂々と人前に出るのだが…。少し哀しい、大人の恋のおはなし。「つめたいよるに」収載の短編を絵本に。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1430円 |
ジャンル | 絵本 |
出版社 | 旬報社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | -ページ |

“侍の幽霊である草之丞と、女優の母との愛の物語です。わずかな間、親子3人で幸せに暮らしていた一家でしたが、やはり別れの時はやって来ました。
草之丞との別れの場面は、淡々としていますが胸にせまるものがあります。母の言葉が哀しく響きます。
“amazon.co.jpより
13位:流しのしたの骨
~内容~
いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな‘小さな弟’律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 605円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 310ページ |

“風変わりで温かな家族ストーリー。食べ物、生活の中での楽しみ、年中行事、主人公の恋愛、などなど細かなエピソードがどれも変わっていて、でもふわっとして心地よく楽しい。
読後とても温かい気持ちになるので何度も何度も繰り返し読みました。パッと開いたページから少し読むだけでも楽しめます。
ドラマチックなストーリーではないですが、この作品が賞を受賞していないのが個人的に不思議です。大好きな作品です。
“amazon.co.jpより
12位:すいかの匂い
~内容~
あの夏の記憶だけ、いつまでもおなじあかるさでそこにある。つい今しがたのことみたいに―バニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきのたてる音、そしてすいかの匂い。無防備に出遭ってしまい、心に織りこまれてしまった事ども。おかげで困惑と痛みと自分の邪気を知り、私ひとりで、これは秘密、と思い決めた。11人の少女の、かけがえのない夏の記憶の物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 572円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 230ページ |

“江國香織さんは「かなしい」のような易しい言葉を、揺るぎないかたちで使うことのできる稀有の作家だと思う。この「すいかの匂い」に収められた『焼却炉』の中でも一箇所、決定的な瞬間に「かなしい」という言葉が使われる。世慣れぬ男子大学生と、周囲になじめぬ孤独な少女との淡く幼く、しかし痛ましい恋を描いた物語の中にあって、その絶対的な「かなしい」の哀しみの深さは圧倒的だ。推敲の苦労の跡をまったく感じさせない文章だが、動かしようのないくらい精密に場面も会話も組み立てられている。濃いおしろい花の匂いがたちこめる夜、少女と青年の間に取り交わされる会話は何度読み返しても見事で、心理的な折り目の深さと正確さに唸らされる。”amazon.co.jpより
11位:間宮兄弟
~内容~
もてなくとも幸福に生きる兄弟の日常の物語
女性にふられると兄はビールを飲み、弟は新幹線を見に行く。そんな間宮兄弟は人生を楽しむ術を知っている。江國香織がもてない男性の日常を描いて話題になり、森田芳光監督の映画化も大ヒットした小説の待望の文庫化。(Amazonより)
価格 | 607円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 小学館 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 320ページ |

“がんばれ兄弟(おれ)このままで終わるなよ、と残り少なくなったページを繰りながら読み終わりたくないと思えた本でした。葛原先生の準備万端(のつもり)だったはずのお兄ちゃんの第一印象は僕自身への世の中の全女性からの感情のようで心に刺さりました。でも彼女たちの心の中に二人は確実に(多分)なにかしら影響したのでしょうね。
“amazon.co.jpより
10位:ホテルカクタス
~内容~
街はずれにある古びた石造りのアパート「ホテル カクタス」。その三階の一角には帽子が、二階の一角にはきゅうりが、一階の一角には数字の2が住んでいました。三人はあるきっかけで友達になり、可笑しくてすこし哀しい日々が、穏やかに過ぎて行きました…。メルヘンのスタイルで「日常」を描き、生きることの本質をみつめた、不思議でせつない物語。画家・佐々木敦子との傑作コラボレーション。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 792円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 集英社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 192ページ |

“登場(人)物が魅力的。こういうアパート暮らし、すごく憧れます。もっと長く続けて欲しかったけれど、そう思えるのが良作の証かもしれません。ずっと同じままではいられないけど、変わることは悪いことではない。そういう終わりかたがとても良かった。”amazon.co.jpより
9位:落下する夕方
~内容~
梨果と八年一緒だった健吾が家を出た。それと入れかわるように押しかけてきた健吾の新しい恋人・華子と暮らすはめになった梨果は、彼女の不思議な魅力に取りつかれていく。逃げることも、攻めることもできない寄妙な三角関係。そして愛しきることも、憎みきることもできないひとたち…。永遠に続く日常を温かで切ない感性が描いた、恋愛小説の新しい波。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 616円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 296ページ |

“いきなり「どうなるんだろう?この話。」という物語の始まりから、許せないけど何故か許してしまう登場人物に気持ちを引き込まれていきます。みなさんが言っている「透明感」という説明は、ホントに的を得ていると思います。ひとつだけ気をつけないといけないのは、夜読み始めると、朝まで読み通してしまうところ。また、読んだ後は、気持ちが収まるまで目が冴えてしまうと思うので、私の場合は少し困ったこと(せっかくのお休みの昼間を寝て過ごすこと)になりました。おススメの一冊です。”amazon.co.jpより
8位:神様のボート
~内容~
昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの”“神様のボートにのってしまったから”―恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遙かな旅の物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 605円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 286ページ |

“昔読んだこの小説がまた読みたくなって購入しました。正気ではないような主人公のキャラクターも、江國さんの透明感のある筆致の故か、すんなり感情移入することが出来ました。恋愛の静かな狂気…ここまで一人の人を愛し続けられる葉子という女性の、その後を知りたくなる作品でした。”amazon.co.jpより
7位:薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木
~内容~
情熱。ため息。絶望…でも、やっぱりまた誰かを好きになってしまう!恋愛は世界を循環するエネルギー。日常というフィールドを舞台に、かろやかに、大胆に、きょうも恋をする女たち。主婦。フラワーショップのオーナー、モデル、OL、編集者…etc.9人の女性たちの恋と、愛と、情事とを、ソフィスティケイトされたタッチで描く「恋愛運動小説」。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 902円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 集英社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 394ページ |

“繊細な透明感と洗練な表現が印象的な「お洒落な」小説。有名ブランドを随所に登場させた小説は多いが、洗練感では、この小説が一番だと思う。「日常に金粉をふりかける作風」という趣旨が、あとがきで寄せられているが、まさにその通りで、何気ない日常の出来事が江國さんの手にかかると、すべてを黄金に変えたミダスのように、すべてが美しく黄金に光り輝き始める。
物語は、ほぼ30代から40代の「大人14名の男女」が登場して「美徳のゆらぎ」(=浮気)を含む心理描写がメイン。ほとんど一人称で描かれており、同じシーンを別の人の視点で再度描写しているものもある。ただ重苦しい印象や悲壮感はなく、ケニー・Gの透明なソプラノ・サックスのように軽やかで美しい。
また「自分が登場人物の誰に似ているだろう」とつい探したくなってしまうのがこの本の面白いところでもある。
“amazon.co.jpより
6位:冷静と情熱のあいだ Rosso
~内容~
穏やかな恋人と一緒に暮らす、静かで満ち足りた日々。これが私の本当の姿なのだろうか。誰もが羨む生活の中で、空いてしまった心の穴が埋まらない。10年前のあの雨の日に、失ってしまった何よりも大事な人、順正。熱く激しく思いをぶつけあった私と彼は、誰よりも理解しあえたはずだった。けれど今はこの想いすらも届かない―。永遠に忘れられない恋を女性の視点から綴る、赤の物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 572円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 288ページ |

“あおいの彼氏のマーヴが、いいこと言っています。---過剰な熱意や理想は仕事の質を下げると思うよ。あおいはシリアス過ぎるんだーーー私がOLのときこの台詞に出会っていたら、もう少し楽な気持ちで働けたんじゃないかとすごく思うんです。もちろん、恋愛小説として私のベスト3なんですけど。何故かこの台詞が私には一番強烈な印象に残りました。”amazon.co.jpより
5位:つめたいよるに
~内容~
デュークが死んだ。わたしのデュークが死んでしまった―。たまご料理と梨と落語が好きで、キスのうまい犬のデュークが死んだ翌日乗った電車で、わたしはハンサムな男の子に巡り合った…。出会いと分れの不思議な一日を綴った「デューク」。コンビニでバイトする大学生のクリスマスイブを描いた「とくべつな早朝」。デビュー作「桃子」を含む珠玉の21編を収録した待望の短編集。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 506円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 209ページ |

“初めて江國さんの作品を読もうと思い、タイトルが気になったこちらの本を購入いたしました。短編集ということで、色んなお話を読むことが出来て大満足です。
日常の延長戦のような、そっと隣に寄り添ってくれるようなお話が多い印象を受けました。
どの本から読むのが正解なのかはわからないですが、初めて江國さんのお話を読む・触れるものとして、とても良い本だなと思います。オススメです。
“amazon.co.jpより
4位:東京タワー
~内容~
「恋はするものじゃなく、おちるものだ」。ふたりの少年と年上の恋人―恋の極みを描く待望の長篇恋愛小説。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1680円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | マガジンハウス |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 297ページ |

“自分は「本を読む」という習慣がないのに^^;映画の予告CMを見て、とても気になって読みたくなりました。映画の配役と重ねて読むことができたので、入っていきやすかったし分かりやすかったです。
早く全部読みたい、最後はどうなるの?とドキドキしながら読みました。初めて江國さんの本を読んだのですが、他の作品も読んでみようと思っています。
“amazon.co.jpより
3位:きらきらひかる
~内容~
私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである―。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが…。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは?傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない全ての人々に贈る、純度100%の恋愛小説。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 539円 |
ジャンル | 恋愛小説 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 213ページ |

“数年前に読んだときは変な夫婦って思っただけだったが、今読んだらとても感動してしまった。人の価値観というのは本当にそれぞれなのだ。
つまり言いたいことは、妻の笑子には愛にセックスは必要なく、愛する人に恋人(同性)がいても構わないと本気で思っている。何故ならお互いそれでも愛があるから。夫の睦月は、そんな夫婦生活に疑問を感じながらも、恋人の紺と付き合いながら、奥さんとして笑子を支えつづける関係。ちゃんと二人には愛があるのだ。嗚咽するほど、毎日苦しむほど本気なのだ。そして紺や睦月の周りの友人も、少しその夫婦に疑問を感じながらも認めて見守っている、という不思議な話ではあるけど、純愛という観点から見るとなんら不思議ではない話でもある。親のために結婚して子供を産む、というプレッシャーの中で、本当にそれで子供を持っていいのだろうか、なんてわざわざ考えるのは純愛過ぎるけど、素敵な話。実際、現実的に、なんとなく流れで結婚して流れで子供作りましたなんて人は結構多いはず。それもそれで1つの幸せかもしれないけれど。
このストーリーの良さを知ってしまうと、スリル満点で起承転結がはっきりしてる物語とのギャップがありすぎて目眩がしてしまいそうだ笑
“amazon.co.jpより
2位:号泣する準備はできていた
~内容~
私はたぶん泣きだすべきだったのだ。身も心もみちたりていた恋が終わり、淋しさのあまりねじ切れてしまいそうだったのだから―。濃密な恋がそこなわれていく悲しみを描く表題作のほか、17歳のほろ苦い初デートの思い出を綴った「じゃこじゃこのビスケット」など全12篇。号泣するほどの悲しみが不意におとずれても、きっと大丈夫、切り抜けられる…。そう囁いてくれる直木賞受賞短篇集。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 539円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 新潮社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 233ページ |

“タイトルに惹かれて、読んでみました。初めての江國作品です。
本当に短くて、背景説明もなく、特に盛り上がりもなく、号泣するような感じもなく、戸惑いました。それでも、文章自体は、簡潔で、無駄がないので、次の物語、次の物語と読み進みましたが、その関連性、共通テーがわからず、困りました。タイトルとなった「号泣する準備はできていた」を読んでも、まだ、ピンと来ず、それでも、最後の「そこなう」は、なんとなく共感を覚えました。
そして、作者の意図を知ったのは、著者のあとがきを読んだときでした。「かつてあった物たちと、そのあともあり続けなければならない物たちの、短篇集になっているといいです。」
アマゾンの商品説明にある、「当たり前にそばにあるものが静かに崩壊していく過程を、江國は見慣れた風景の中に表現してみせる。」という表現が良くそれを著しているように思えます。
もう一度読み直して、この本が好きになりました。
“amazon.co.jpより
1位:彼女たちの場合は
~内容~
「これは家出ではないので心配しないでね」14歳と17歳。少女は二人きりで“アメリカを見る”旅に出た。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1980円 |
ジャンル | 文芸作品 |
出版社 | 集英社 |
著者 | 江國 香織 |
ページ数 | 480ページ |

“書店で見つけて買って、一気に読んでしまいました。
江國香織作品は男女の関係性が描かれるものが多いですが、この小説は17歳と14歳の少女たちの関係性が描かれています。
ところどころはさまれる家出少女の親たちの描写は、それに共感してしまうことで、自分がすっかり年を取ってしまったことを思い知らせてきます。
アメリカを横断するロードムービー的な構成は、好き嫌いが分かれるかも。全編を通して揺れ動くティーンエイジャーの幼さとしっかりとしたところの混ざり合ったあやうさに心ひかれてしまいました。
“amazon.co.jpより
江國香織の小説のおすすめの選び方
ジャンルで選ぶ
恋愛小説
江國香織さんといえば柔らかな作風でリアルな恋愛を描く恋愛小説の名手として名高いです。ドロドロとした恋愛から禁断の恋愛、純粋な恋愛と幅広く描かれており、大人の女性にもオススメの作品になっています。
映像化作品も多くあり小説を読んで気になった映画やドラマを見ることやその逆に映画やドラマを見て気になった作品を読むこともでき、恋愛小説は短編集でも刊行されているので、普段小説を読まない方も手軽に手に取れる作品です。恋愛小説が好きな方や恋愛というジャンルに抵抗のある方もこの機会に是非手に取り、ご一読下さい。

エッセイ
エッセイとは書き手の考えや人間性が最も反映されてわかりやすく記されるジャンルです。
江國香織さんのエッセイは幅広く、結婚生活を描いた甘くて時にビターな「いくつもの週末」や絵画に深く触れた「日のあたる白い壁」や絵本への愛が溢れた「絵本を抱えて部屋のすみへ」、愛犬と音楽の温かなエッセイ「雨はコーラがのめない」など日常を切り取るだけではなくその日常をさらに細かくピックアップし大切に優しく描いています。
江國香織さんの小説や絵本が好きな方に限らず温かな気持ちを味わいたい方にオススメな作品です。
絵本
絵本は子供の読み物だと思われている方も多いですが、実は大人の方にこそ読んでいただきたい作品も数多くあります。絵本はかわいいキャラクターが登場する友人となるだけではなく時として教科書として導き、外灯として大切なことに気づかせてくれ、宝箱の鍵のようにワクワクとさせてくれます。
そして江國香織さんの絵本もまた大人に読んで欲しい絵本の一つで、愛が籠もっている温かな世界が描かれています。中には短編集から抜粋された小話を絵本にしているものもあるのでまさに大人でも楽しめる、大人にこそ読んでほしい絵本です。今まで敬遠していた方もこの機会に是非とも手にとってみて下さい。
映像化された作品を選ぶ
映画化
江國香織さんの作品は代表作である「きらきらひかる」を初めとしてその多くが映画化されています。
映画に限らず映像化することで小説に描かれていない風景や日常品までが描かれ、良くも悪くもイメージを固定させることになります。しかしそのイメージがハマった場合、風景や日常品達は江國香織さんの作品にある温かでどこか寂しい雰囲気をより一層深く作り上げ私達の心に強い感動を残すのです。
もしよろしければ小説を読んで文章の余白を楽しんだ後に、映画を見て物語を満喫してみて下さい。

ドラマ化
ドラマ化には映画化と同様に前述した映像化の良さがあります。その内映画との違いは手軽さです。家庭のテレビでゆっくりとしながら見るドラマは江國香織さんの世界観と相まって温かな雰囲気を部屋に作り上げます。
また映画と違い短く区切られているため隙間の時間に見れたりと長い時間を要さずとも見れることが魅力のひとつです。
もし小説から読むことにハードルを感じる方がいればまずはドラマを見て気になった方は是非原作をご一読下さい。ドラマ化には映画化と同様に前述した映像化の良さがあります。その内映画との違いは手軽さです。家庭のテレビでゆっくりとしながら見るドラマは江國香織さんの世界観と相まって温かな雰囲気を部屋に作り上げます。
また映画と違い短く区切られているため隙間の時間に見れたりと長い時間を要さずとも見れることが魅力のひとつです。
もし小説から読むことにハードルを感じる方がいればまずはドラマを見て気になった方は是非原作をご一読下さい。

文学賞受賞作品を選ぶ

直木賞受賞作品
直木賞とは正式名称を直木三十五賞といい、大衆小説に与えられる文学賞です。文藝春秋社社長が芥川賞と共に創設し、年2回発表されます。初期では芥川賞と同じく新人や無名から中堅作家に与えられる賞でしたが、現在では中堅を中心にベテラン作家が受賞することも多々ある賞です。
江國香織さんは2004年に「号泣する準備はできていた」で第130回直木賞を受賞しています。この作品は短編集で日常の1場面を切り取った静かな物語に江國香織さんらしい、じんわりと心に広がるような余韻の残る作品集となっています。

川端康成賞受賞作品
川端康成賞とは作家の川端康成さんを記念して作られた文学賞で、川端康成のノーベル文学賞賞金を基金とする公益財団法人川端康成記念会が主催しています。しかし2019年に理事長の体調不良と財政の問題から休止されました。この賞は前年度の最も完成度の高い短編小説に贈られ、江國香織さんの作品では「犬とハモニカ」が第38回川端康成賞を受賞しています。
短編集の「犬とハモニカ」は人々の有限な時間の中での出会いと別れを繊細に広い上げ、その温もりや孤独の中にもある確かな人と人の繋がりを優しく描いた作品集です。
谷崎潤一郎賞受賞作品
谷崎潤一郎賞とは中央公論社が1965年に創業80周年を機に作家谷崎潤一郎にちなんで設けた文学賞です。時代を代表する小説や戯曲を対象とし、年に一度中央公論誌上で発表されます。
江國香織さんは「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で第51回谷崎潤一郎賞を受賞しました。「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」は多数の物語が並行して進行する小説です。どこか寂しい雰囲気で進む物語はある家族を各視点から描いています。豊かな表現方法で表される子供の視点やその成長はその文体を通して感覚的に語りかけてきます。
江國香織の小説のおすすめまとめ
いかがでしたか?江國香織さんの小説では子供のやわらかさや純粋さ、物事を真っ直ぐに見る視点と大人の寂しさや経験を踏まえた客観性を持った視点が上手く合わさって子供にも大人にも共感できるそして温かみのある文章、作品となっています。
恋愛小説の名手である江國香織さんですが、エッセイや絵本、童話など幅広く活躍しておりそのどれかしか読んだことのない方も多いです。しかし愛の溢れた世界観は一貫して変わらず、一度読めばハマること間違いなしの作品達になっています。タイトルや表紙からでも、気になるものがあれば是非ご一読下さい。
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