本の中には、ミステリーという一つのジャンルがあります。しかしその中にもまた分類があるのをご存知ですか?ミステリーはそのトリック方法で種類分けができます。基本的なものは物理トリックと言い、機械的な仕組みを用いたトリックを指します。
その他にも心理トリック、密室トリックや死体損壊トリックなど多くの種類がありますが、綾辻行人さんの得意とするトリックは叙述トリックです。叙述トリックとは小説という形式自体を利用したもので、話し方などの描き方で年齢や性別を誤認させたり無断で章の時系列を入れ替えることで誤認させるなどの手法をいいます。
今回はそんな驚きの展開が広げられる、綾辻行人さんの小説を紹介していきます。
おすすめの小説家綾辻行人とは
綾辻行人さんは京都府京都市で生まれました。小学6年生の頃には夏休みには既に「少年探偵団」のような短編小説を10篇も描いていたそうです。京大推理小説研究会に所属していた大学4年の時に「十角館の殺人」の原型にあたる作品を執筆し、大学院在学中に「十角館の殺人」で作家デビューを果たしました。
ホラーや幻想文学の影響を強く受けており、小説内ではトリックだけでなく豊かな心情描写が多く見られます。代表作である「館シリーズ」の累計発行部数は2012年2月時点で409万部を超え、まさにミステリーの金字塔と呼ぶにふさわしい作家です。
2023年最新の綾辻行人の小説
『暗闇の囁き』
~内容~
森の狭間に建つ白亜の洋館。
美しく謎 めいた兄弟・実矢(みや)と麻堵(まど)の周囲で相次ぐ奇怪な「死」。
ある者は髪を、ある 者は眼球を……奪われた死体の一部(パーツ)は何を意味する?
兄弟がひた隠すもうひとりの少年「あっちゃん」の秘密とは?
恐ろしくも哀しい真相が胸を打つ「囁き」シリーズ第二弾、完全改訂の決定版。(Amazonより)
価格 | 921円 |
ジャンル | 文芸作品 |
著者 | 綾辻 行人 |
ページ数 | 448ページ |
綾辻行人の小説のおすすめ人気比較ランキング
20位:暗黒館の殺人
~内容~
蒼白い霧に峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴…。著者畢生の巨編、ここに開幕。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 935円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 616ページ |

“館シリーズ。なんとなく他の作品と異なり、テイストが暗い感じ。(他の作品が明るいとは言わないが)まだ半分も読んでいませんが、今後の展開に期待もこめて。”amazon.co.jpより
19位:暗闇の囁き
~内容~
黒髪を切られ変死した女性家庭教師。そして従兄とその母親も眼球と爪を奪われて死んだ。謎めいたほどに美しい兄弟のまわりに次々と起こる奇怪な死。遠い記憶の闇のなかから湧き上がってくる“囁き”が呼び醒ますものは何か。『緋色の囁き』に続く異色の長編推理“囁き”シリーズ第二弾、講談社文庫に登場。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 792円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 382ページ |

“舞台設定がとても美しいです。お話が進んでも、人が死んでも、周りが綺麗なので、全然えぐくない。美少年、森の湖、若い女性の死。
これぞ小説版少女漫画の最高峰。死が美しいことのようにすら、思えてきます。美しいものの、悲しいまでの狂気。ありきたりなんて言わないで。虚構に浸りたい方にお薦めです。”amazon.co.jpより
18位:奇面館の殺人
~内容~
奇面館主人・影山逸史が主催する奇妙な集い。招待された客人たちは全員、館に伝わる“鍵の掛かる仮面”で顔を隠さねばならないのだ。季節外れの大雪で館が孤立する中、“奇面の間”で勃発する血みどろの惨劇。発見された死体からは何故か、頭部と両手の指が消えていた!大人気「館」シリーズ、待望の最新作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 814円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 372ページ |

“あとがきの作者のコメントによると、それぞれ単独作品として読めるように書いているとのことです。メインのストーリーは、確かにばらばらの順番で読んでも楽しめるでしょうが、細かいくすぐりは、刊行順に読まないと分からないと思います。”amazon.co.jpより
17位:びっくり館の殺人
~内容~
あやしい噂が囁かれるお屋敷町の洋館、その名もびっくり館。館に住む少年と友だちになった三知也たちは、少年の祖父が演じる異様な腹話術劇におののくが…クリスマスの夜、ついに勃発する密室の惨劇!悪夢の果てに待ち受ける戦慄の真相とは!?ミステリーランド発、「館」シリーズ第八弾、待望の文庫化。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 704円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 324ページ |

“童話のようなストーリー運びは、綾辻氏の館シリーズとは趣が違うし、確かにミステリとしての醍醐味は、他の作品に比べると弱いとの事で、評価が分かれていますね。ただ、自分が肉親から虐待を受けて育った人がこれを読んだ場合、余りにも悲しいのでは、と…。救われない感は囁きシリーズの味です。でも、読んでいて感じる小さな違和感が、なるほどな、と解けて行く過程は結構楽しめました。綺麗なお話でした。”amazon.co.jpより
16位:水車館の殺人
~内容~
仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館、水車館。一年前の嵐の夜を悪夢に変えた不可解な惨劇が、今年も繰り返されるのか?密室から消失した男の謎、そして幻想画家・藤沼一成の遺作「幻影群像」を巡る恐るべき秘密とは…!?本格ミステリの復権を高らかに謳った「館」シリーズ第二弾、全面改訂の決定版。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 902円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 464ページ |

“島田さんの鋭い目線がこのストーリー中盤からどんどんスピード感がでてきて読めました。前説じゃないけどストーリーにスピードが出るまでがすごく長い。
まあそれも館シリーズではおなじみですが、、、そうやったんや?感を味わってみてわ!
“amazon.co.jpより
15位:深泥丘奇談
~内容~
ミステリ作家の「私」が住まう“もうひとつの京都”の裏側に潜み、ひそかに蠢動しつづける秘密めいたものたち。古い病室の壁に、丘の向こうの鉄路に、長びく雨の日に、送り火の夜に…面妖にして魅惑的な怪異の数々が「私」の(そして読者の)日常を侵蝕し、見慣れた風景を一変させる。―『Another』の著者が贈る、無類の怪談小説集!
(「BOOK」データベースより)
価格 | 660円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 角川文庫 |
著者 | 綾辻 行人 |
ページ数 | 311ページ |

“短編ホラー小説というより、土俗的なタッチの怪談・奇譚が計9編。読み手によっては好き嫌いの幅がありそうだが、評者には十分に面白く、よく出来た作品集だと思った。
京都によく似た「もうひとつの京都」あるいは「裏京都」を舞台に、病気がちの「私」(推理作家)が体験する、夢かうつつか定かならぬ、曖昧模糊とした、それでいて恐ろしげな話が続く。「裏京都」にあるのは「紅叡山」「人文字山」「徒原の里」「黒鷺川」――。脇役たる「深泥丘病院」の医師や看護師、さらに「妻」までがミステリアスで、それが存分に計算された叙述のなかでいかにも怪談・奇譚らしく組み立てられていく。仕掛けもオチもなく、書きっぱなしという作品もなくはない。それでも、雰囲気だけはあり、仕掛けやオチがないことがもたらす余韻も窺えて、評者はそれらを手抜きとは思わなかった。”amazon.co.jpより
14位:人間じゃない
~内容~
異形の宝石箱あけてみませんか?単行本未収録の短編・中編がこの一冊に!!
(「BOOK」データベースより)
価格 | 1705円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 252ページ |

“綾辻行人氏のデビューから現在に至るまで、「小説すばる」等に発表された中・短編5編が収録された作品集です。約30年にわたる期間ですので、各作品には執筆当時の状況を踏まえた作者の思い入れや心境が入り込んでいるようです。各編に自作解説も施され、それぞれ、既刊の長編等の後日談や姉妹編、番外編などの位置付けです。
本格物はありませんので、「館」シリーズ好きなファンには物足りません。全体的にホラー色がやや強い気がしますが、10ページ程度と短いながら『蒼白い女』がシンプルで楽しめました。あとがきにもありますように、『洗礼』は特別に作者の気持ちが強い作品のようで、これには新本格のファンとしても感慨深い心情になりました。
“amazon.co.jpより
13位:最後の記憶
~内容~
脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女の心に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖の記憶」だけだった。突然の白い閃光、ショウリョウバッタの飛ぶ音、そして大勢の子供たちの悲鳴―。死を目前にした母を今なお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?波多野森吾は、母の記憶の謎を探り始める…。名手・綾辻行人が奇蹟的な美しさで紡ぎ出す、切なく幻想的な物語の迷宮。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 836円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 角川書店 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 509ページ |

“「あとがき」にあるように、この小説は綾辻作品のなかでは「冒険」として書かれたもののようだ。たしかに、いままでの作品とはひと味ちがう。本格ミステリではないし、殺人鬼シリーズのような(叙述ミステリ的な部分を含んだ)いわゆるホラーとも違う。彼自身はこの小説を「本格ホラー小説」と呼んでいるが、果たしてこれは「ホラー」だろうか。それほど怖くないじゃないか。どっちかというと、つげ義春の「ねじ式」の雰囲気や、「終わらない今日」という設定は夢野久作の「ドグラ・マグラ」や、押尾守監督脚本「うる星やつら ビューティフルドリーマー」のそれに重なるのではないかと思う。これはおそらく「大量殺人」が描かれた「ファンタジー」で、「永遠の今日」の世界についてはあくまでも森吾という主人公が「解析」できた部分しか明示されていない。(それも当たっているかどうかはわからない)筆者の「あとがき」にもあるように「明示されている部分と、明示されていない部分」が混在しており、そこに企みがあるのは明らかだ。だとすれば、キツネの面をかぶった人物が主人公に語った「君がそのように思うから、そのように見えるのさ」ということば通り、「確実な内容、答え」なるものはそこにはないと思うべきだろう。そのことは、もうひとつ別の角度からもいえる。それは内容ではなく、この本そのものの構成からだ。巻末に「痴呆症」(「認知症」)についての「参考文献」があがっているのだが、そのなかに架空のものが一冊だけある。おそらくこれも作者の「企み」=明示と非明示の混在をあらわしているのだろう。綾辻のこの「企み」には星5つをあげたいと思う。”amazon.co.jpより
12位:黒猫館の殺人
~内容~
大いなる謎を秘めた館、黒猫館。火災で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬の奇妙な依頼を受け、推理作家・鹿谷門実と江南孝明は、東京から札幌、そして阿寒へと向かう。深い森の中に建つその館で待ち受ける、“世界”が揺らぐような真実とは!?シリーズ屈指の大仕掛けを、読者は見破ることができるか?
(「BOOK」データベースより)
価格 | 880円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 464ページ |

“評価が分かれる作品のようですが、時間的、空間的に奥行きがあり楽しめました。とくに、空間的(距離的)には、どうせやるならこれぐらいのトリックを、どーんとやってくれという感じです。
一方で、細かすぎる伏線が気になる方もいるようですが、私は謎解きに、ふんふんと素直に納得し、思わず胸に手を当ててしまいました。
ミステリーの極大と極小を、あわせて味わえる作品です。
“amazon.co.jpより
11位:霧越邸殺人事件
~内容~
1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。冷たい家人たちの対応。邸内で発生する不可思議な現象の数々。見え隠れする何者かの怪しい影。吹雪で孤立した壮麗なる“美の館”で舞台に今、恐ろしくも美しき連続殺人劇の幕が上がる!日本ミステリ史上に無類の光芒を放ちつづける記念碑的傑作、著者入魂の“完全改訂版”!!
(「BOOK」データベースより)
価格 | 704円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 356ページ |

“下巻が楽しみです。久しぶりにこの作者に出会いましたが、やっぱり面白い!”amazon.co.jpより
10位:眼球綺譚
~内容~
人里離れた山中の別荘で、私は最愛の妻・由伊とふたりで過ごしていた。妖精のように可憐で、愛らしかった由伊。しかし今はもう、私が話しかけても由伊は返事をしない。物云わぬ妻の身体を前にして、私はひたすらに待ちつづけている。由伊の祝福された身体に起こる奇跡―由伊の「再生」を(「再生」)。繊細で美しい七つの物語。怪奇と幻想をこよなく愛する著者が一編一編、魂をこめて綴った珠玉の作品集。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 616円 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | 角川グループパブリッシング |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 334ページ |

“読むきっかけになったのはスタンリィ・エリン氏の小説『特別料理』を読んだこと。本書に収められた短編「特別料理」がスタンリィ・エリン氏へのオマージュとして書かれたものと知って読みたくなったのである。
ひと言でいえば「悪夢」です。私の心の中にある悪魔が見させた悪夢。読みたくないのに読みたい。やめよう、もうやめようと思いながら続きを読んでしまう。そうした類いの小説集。ただ単にホラーであるというだけでなく、読者に謎を提示しておいて意外性のある結末で終わるというミステリの手法を用いている。そのあたりは流石と唸らされる。
7編の中で秀逸なものはやはり「特別料理」と「眼球綺譚」。とりわけ表題作「眼球綺譚」は良くできている。おそらくこれら2作の持つ強烈なイメージは私の中で消えることはない。スタンリィ・エリン氏の『特別料理』や梶山季之氏の『せどり男爵数奇譚』にならんで決して忘れることのない作品となるだろう。本当はこんな気持ち悪い話は忘れたいのだけれど。
“amazon.co.jpより
9位:殺人鬼–覚醒篇
~内容~
伝説の傑作『殺人鬼』、降臨!!’90年代のある夏。双葉山に集った“TCメンバーズ”の一行は、突如出現したそれの手によって次々と惨殺されてゆく。血しぶきが夜を濡らし、引き裂かれた肉の華が咲き乱れる…いつ果てるとも知れぬ地獄の饗宴。だが、この恐怖に幻惑されてはいけない。作家の仕掛けた空前絶後の罠が、惨劇の裏側で読者を待ち受けているのだ。―グルーヴ感に満ちた文体で描かれる最恐・最驚のホラー&ミステリ。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 748円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 角川書店(角川グループパブリッシング) |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 349ページ |

“このぐろさは一級品。病んでるときになんとなく気になってよんだが、すごくおもしろかった。けど別に病んでいない今となっては見るのは躊躇してしまう
“amazon.co.jpより
8位:殺人方程式
~内容~
新興宗教団体の教主が殺された。儀式のために篭もっていた神殿から姿を消し、頭部と左腕を切断された死体となって発見されたのだ。厳重な監視の目をかいくぐり、いかにして不可能犯罪は行われたのか。二ヵ月前、前教主が遂げた奇怪な死との関連は?真っ向勝負で読者に挑戦する、本格ミステリの会心作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 880円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 420ページ |

“この本は、綾辻作品の、”館シリーズ”や”囁きシリーズ”とは一味違った作品です。刑事が事件を捜査するといった、綾辻氏には珍しい構図ながら、物理トリックを駆使した作品だったので、私も本当に驚きました!!”amazon.co.jpより
7位:どんどん橋、落ちた
~内容~
ミステリ作家・綾辻行人のもとに持ち込まれる“問題”はひと筋縄ではいかないものばかり。崩落した“どんどん橋”の向こう側で、燃える“ぼうぼう森”の中で、明るく平和だったはずのあの一家で…勃発する難事件の“犯人”は誰か?本格ミステリシーンを騒然とさせた掟破りの傑作集、新装改訂版で登場!
(「BOOK」データベースより)
価格 | 858円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 496ページ |

“読者が何を小説に求めるかによって、大きく評価が分かれるのではないでしょうか。5作の短編が収録されていますが、いずれも”読者への挑戦”を含む、犯人当てのミステリです。
作者の仕掛けた謎を読者が解くことができるかに焦点が置かれています。なので場合によっては、解くべき謎にフォーカスするため、この状況下で誰が犯行できたかが問題なので、動機は考えなくて良いと割り切るほどです。
このような推理の問題集的な作品なので、そもそもミステリに犯人当てを求めていない人がこの本を読んでも面白くは無いと思います。一方で、小説はほとんど読めないけどクイズは隙という人でも、この本なら楽しめるかもしれません。
“amazon.co.jpより
6位:フリークス
~内容~
「J・Mを殺したのは誰か?」―巨大な才能と劣等感を抱えたマッドサイエンティストは、五人の子供に人体改造術を施し、“怪物”と呼んで責め苛む。ある日、惨殺死体となって発見されたJ・Mは、いったいどの子供に殺されたのか?小説家の「私」と探偵の「彼」が謎に挑めば、そこに異界への扉が開く!本格ミステリとホラー、そして異形への真摯な愛が生みだした、歪み真珠のような三つの物語。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 748円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 336ページ |

“いくつかの物語が入っていますが、どれもが、そうきたか!と思うような物語で、おもしろく読ませていただきました。読んでいる途中で、あれ?この作者だれだっけ?と思いました。良い意味でいつもの綾辻さんの文章とは違った感じがしました(あくまで個人的な意見です)。綾辻さんの本はほとんど読んでしまっていて、でもなんとなくフリークスというタイトルからグロいのかな・・と思って避けていたのですが、読んでみたらそんなことはなくて、納得のいく作品でした。”amazon.co.jpより
5位:緋色の囁き
~内容~
「私は魔女なの」謎の言葉を残したまま一人の女生徒が寮の「開かずの間」で焼死した。その夜から次々と起こる級友たちの惨殺事件に名門女学園は恐怖と狂乱に包まれる。創立者の血をひく転校生冴子は心の奥底から湧き起こってくる“囁き”に自分が殺人鬼ではないかと恐怖におののく。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 902円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 472ページ |

“綾辻行人が初めて『館』シリーズから離れて書いた作品です。こちらも後にシリーズ化され、『囁き』シリーズと呼ばれることになります。今作のキーワードはタイトルにもなっている“緋色”。要するに赤という色にやたらとこだわっているのです。当たり前のことですが文章には色はありません。それを何とか読者の視覚に赤いイメージを現出させようと努力しています。綾辻にとって新機軸と言っていいと思います。
色以外にも本作では、文学では(特に推理小説では)伝えにくい、雰囲気・空気感・気配といったものを捉えたいという綾辻の欲求が感じられます。「新本格はバカバカしくて小説として読む気がしない」といった批判に応えようとしたのでしょうか。ところで、ラストの結末の付け方って何となく「精神病は遺伝する」という昔の考え方に基づいていて、現在の人権的見地からはやばいんじゃないの?と思ったのは僕だけでしょうか。
“amazon.co.jpより
4位:Another
~内容~
夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい何が起きているのか!?いまだかつてない恐怖と謎が読者を魅了する。名手・綾辻行人の新たな代表作となった長編本格ホラー。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 748円 |
ジャンル | ホラー小説 |
出版社 | 角川文庫 |
著者 | 綾辻 行人 |
ページ数 | 402ページ |

“たまたま、通りがかった通路にあったものを何気なく手に取って読みはじめたら面白くて、あっという間に読み終わりました。
それほど読書スピードがはやい方ではないのですが、二時間ほどで一冊読み終えました。
「どうなるんだろう?」「結末は?」そうおもって、どんどんページをめくり、興奮状態で下巻も購入!
面白いです。いろいろ怖いけど。怖いけど、先が気になります。
館シリーズほど難しくなく、題材も展開も身近なもので、「ありそう」で「なさそう」な……。
館シリーズを愛読している人には、きっと物足りないと思いますが、館シリーズで綾辻ワールドに挫折した人はこちらを先に……ぜひどうぞ。
映像で見たいかどうか……と聞かれれば首を傾げざるを得ませんが……。”amazon.co.jpより
3位:時計館の殺人
~内容~
鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。閉ざされた館内ではそして、恐るべき殺人劇の幕が上がる!第45回日本推理作家協会賞に輝く不朽の名作、満を持しての新装改訂版。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 792円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 372ページ |

“館ものの雰囲気が好きで、暗黒館以外は全て読んでいます。
十角館は、衝撃としては最高でしたが、トリックの出来としては時計館が最高と感じます。またこのような出来栄えの新作館ものと出会いたいものですが叶わぬ願いなのでしょうか(悲)”amazon.co.jpより
2位:十角館の殺人
~内容~
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!’87年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 946円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社文庫 |
著者 | 綾辻 行人 |
ページ数 | 512ページ |

“最後まで真犯人が誰なのか分からないストーリー展開は鮮やかで、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」「アクロイド殺し」などの作品が好きな人にはお勧めの一冊である。”amazon.co.jpより
1位:迷路館の殺人
~内容~
奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた四人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった。周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第三作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作。
(「BOOK」データベースより)
価格 | 946円 |
ジャンル | ミステリー小説 |
出版社 | 講談社 |
著者 | 綾辻行人 |
ページ数 | 496ページ |

“新刊の頃、確かに読んだはずなのにすっかり内容を忘れてて、改めてまた楽しませてもらいました。いい本を読むと、その実写版映画が出てくれないかなと思い、そのキャストを夢想する癖があるのですが、この本はさすがに難しいですね。十角館もそうだし、これが館シリーズの特徴でもあるのかな。”amazon.co.jpより
綾辻行人の小説のおすすめの選び方
ジャンルで選ぶ
ミステリー小説
言わずもがな綾辻行人さんの小説といえば、ミステリーです。多くのシリーズがありますが特に有名なのは館シリーズや囁きシリーズで、館シリーズでは9冊が刊行されています。
シリーズという名前の通り、これらは販売された順に読むのがオススメです。なぜなら前の作品を読んでいないとわからないこともありますし、通して読むことによって得られる満足感も違ってきます。最初から全作を読もうとしなくても、是非まずはシリーズ最初の作品から読み初めてみて下さい。

ホラー小説
ご存知ない方も多いですが、綾辻行人さんはミステリーだけではなくホラー小説も執筆しています。
ホラーだけのものもありますが、多くはミステリーとホラーをミックスさせたものです。
グロテスクなスプラッタホラーから背筋がゾクリとするような雰囲気あるホラーまで幅広く描かれていて、これらはホラーを目的として見たとしても満足できるほどの作品となっています。
まだミステリーしか読んだことのない方やホラー小説好きの方も是非ご一読下さい。

シリーズで選ぶ
館シリーズ
綾辻行人さんの代表作である館シリーズは前述した通り現在で全9作が発行されており、その累計発行部数は2012年時点で409万部を超える大ヒットとなっています。ミステリー好きはもちろんのこと本を普段読まない方やミステリーを避けている方にもオススメです。
シリーズは順に読むことが1番ですが、どれから読んでも全くわからないということはないですし、どれも必ずと言っていいほどに面白く驚きの展開が繰り広げられますので気になるあらすじのものがあれば、是非それからでも読み始めてみて下さい。
囁きシリーズ
館シリーズの影に隠れてしまいあまり陽の目を浴びないこのシリーズですが、どの物語も驚ろからされるものです。
囁きシリーズは全3作で、第1作目の「緋色の囁き」が発行されたのは、館シリーズの3作目にあたる「迷路館の殺人」と同時期であり、綾辻行人さんの小説の中でも初期の作品となっています。
館シリーズと違う点はそれぞれの登場人物や物語が独立している所にあり、共通点は全ての物語で”過去の記憶”がキーワードであるところ、さらにミステリーだけではなくホラーの要素が入ったミステリーとホラーが融合した作品であるところにあります。
文学賞受賞作品を選ぶ

このミステリーがすごい!大賞
このミステリーがすごい!大賞とは宝島社、NEC、メモリーテックの3社が2002年に創設したノベル・コンテストです。”このミス大賞”と略され、”このライトノベルがすごい!大賞”、”日本ラブストーリー大賞”、”このマンガがすごい!大賞”と並ぶ宝島社4台大賞の1つになります。
綾辻行人さんの小説では「迷路館の殺人」7位、「霧越邸殺人事件」7位、「時計館の殺人」11位、「暗黒館の殺人」7位、「Another」3位、「奇面館の殺人」9位とランクインしており、どれも上位作品に引けを取らないほどに練りに練られた面白い作品です。

本格ミステリ大賞
本格ミステリ大賞とは本格ミステリ作家クラブが主催する推理小説を対象とした文学賞です。この賞は本格ミステリという推理小説のうち謎解きやトリック、頭脳派探偵の活躍を主眼とするジャンルの発展のために開催されており、その年に最も優秀であった本格ミステリ作品に授与されます。
綾辻行人さんの小説では館シリーズの7作目にあたる「暗黒館の殺人」と「Another」が候補として選ばれており、「Another」はたった1票差で受賞を逃してしまいました。
しかしどちらも安定した面白さと驚きを与えてくれる作品で、綾辻行人さんが好きな方も読んだことがない方も是非ご一読下さい。
織田作之助賞
織田作之助賞とは”織田作之助賞実行委員会”という大阪市、大阪文学振興会、関西大学、パソナグループ、毎日新聞が主催する文学賞です。大阪生まれの作家である織田作之助の生誕70年を記念して1983年に創設されました。
綾辻行人さんの小説では「深泥丘奇談」が候補になっています。ホラーをメインとした幻想小説的な1面も持つ短編集であり、悪夢のような世界観がクセになる作品です。
他にはない奇妙な読了感のある本作は読みやすい長さでそれぞれが独立した小話なため、是非とも綾辻行人さんを食わず嫌いしている
方や綾辻さんのミステリーしか読んでいない方にオススメとなっています。
日本推理作家協会賞
日本推理作家協会賞とは江戸川乱歩が1947年に設立した日本推理作家協会が、毎年その年に発表された推理小説の中で最も優れている小説に授与する文学賞です。
推協賞と略されるこの賞は、その伝統からミステリー界で最も権威ある賞とされています。
また一度でもどれかの部門で賞を取った作家が再度受賞することは内規によって禁止されており、綾辻行人さんは1992年度に「時計館の殺人」という館シリーズの5作目で受賞しています。
新米記者である主人公が超常現象を扱うオカルト雑誌の取材のため時計館を訪れることから始まる本作は、トリックと物語の内容が合わさり緻密な構成の元展開が繰り広げられる思わず次々と読み進めてしまう作品です。
吉川英治文学新人賞
吉川英治文学新人賞とは公益財団法人吉川英治英治国民文化振興会が主催し、講談社が支援する1980年から創設された文学賞です。年に一回発表で、新人賞という名ではありますが中堅以上の作家が候補者、受賞者を占めています。
綾辻行人さんの小説では「霧越邸殺人事件」が候補として上がりました。
信州の山深くで遭難した劇団グループの8名と老医師は霧越邸という洋館にたどり着き、雪が止むまでそこで待つことにするがある夜に劇団の1人が奇妙に飾られて死んでいたというのがあらすじです。
ミステリーとオカルトが融合した、個性的な登場人物達や美しい霧越邸も魅力的な作品でありミステリー好きには見逃せません。
小説の長さで選ぶ
短編小説
シリーズものなどはすべて長編に当たりますが、綾辻行人さんは短編も執筆されています。
ホラー、ミステリー両方の短編集がでていて読み応えは残しつつも、手軽な長さになっているので小説を読み慣れていない方、苦手意識がある方や初めて綾辻行人さんを読む方にオススメです。ほんの短かな時間でゾクリとさせられてしまう、巧みな手腕を是非ともご覧下さい。
さらに短編集の中には長編作品の後日談が収録されているものもあり、ファンにも見逃せませない作品の数々となっています。

長編小説
ミステリーというと、大半は長編小説です。それは起承転結、例えば事件までの経緯、事件の発生、謎解き、事件の解決という流れが大抵のミステリーの定型ですが、それが複雑なトリックであるほどに謎解き、解決編とともに文字数が増え、さらに人物の心情描写を入れると際限なく文章は長くなっていくことになるからです。
しかしその長さは決して意味のないものではなく何一つとして欠けてはなりません。
綾辻行人さんのミステリーもまたその一例です。読み進めて最後に待ち受ける衝撃的な展開は、それまでの話があってこそ成り立ちます。
長編を食わず嫌いしている方も綾辻行人さんの小説で、是非ともこの忘れられない体験をしてみて下さい。
アニメ化された作品を選ぶ
アニメ化された作品を選ぶ利点は様々な視点から物語を見れるところにあります。
文から得られる豊かな心情や風景に色がついて見れるということでその小説の世界をより深く理解し、より鮮やかに物語を見ることができます。また、文章だけでは想像の及びづらい登場人物達の顔やトリックの流れがよりわかりやすく映像として見ることができるのも利点の一つになります。
動いて声のついたキャラクターにはより一層の愛情が湧き、小説がより好きになります。
本に普段触れない人でも、アニメを見て興味が湧いた方は是非とも本を手にしてみて下さい。

綾辻行人の小説のおすすめまとめ
いかがでしたか?ミステリーの金字塔、綾辻行人さんはもうこれ以上説明のいらないほどに著名な作家さんです。しかし著名だからこそ名前は知っていても読んだことがない方、有名なシリーズのみ読んだ方やミステリーというだけで避けている方が多くいます。
著名であるからには理由があり、その理由は面白いからに他なりません。
避けていたり、読んだことのない方々にこそ是非この機会に綾辻行人さんの小説を手に取り、ご一読いただきたいです。
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